11 巻十二 物モノに寄ヨせて思オモを陳ノぶ 百モモに千チに人ヒトは言イふとも月草ツキクサの 移ウツろふ情ココロ吾ワレ持モためやも 羇旅タビに思オモヒを発ノぶ いで吾ワが駒コマ早ハヤく去ユきこそ亦打山マツチヤマ 待マつらむ妹イモを去ユきて速ハヤ見ミむ(巻十 二) 別ワカレを悲カナしむ歌ウタ 荒津アラツの海ウミ吾ワが幣ヌサ奉マツリり斎イハひてむ 早ハヤ還カヘり坐マせ面オモ変カハりせず(巻十二 )