28 キリスト教
 
               キリスト教
 
                   参考:三笠書房社発行「『宗教』がわかる」
                      ・創元社発行「聖書のはなし」
 
〈神との契約〉
 キリスト教とは,イエス・キリストによって示された教えを信仰する宗教のことを云
います。即ちキリスト教とは,イエスを救世主とする宗教のことです。
 キリスト教においては,「人間は本来的に罪の存在である」という,いわゆる「原罪
論」を基にしています。
 罪とは,「天の神」を信じることなく,神から離れてそむくことを云います。人間は
みな,この罪を背負ってこの世に生まれてきます。この人間の罪をつぐなうために,イ
エスは十字架にかかって死にました。このイエス = キリストを救い主と信じることに
よってのみ罪から救われる,と新約聖書は説いているのです。
 
 ところで,旧約聖書出エジプト記の「モーセの十誡」におけるイスラエルの神「ヤハ
ウェ」をユダヤ教との共通の神とし,それを民族性を超えた神として,世界宗教に発展
させたのがキリスト教であると云われています。
 つまりキリスト教とは,旧約聖書の信仰を引き継ぎ成就させたものと云われ,信仰的
には「天地の造り主,全能の父なる神を信じ,その独り子,我らの主,イエス・キリス
トを信ずる(使徒信仰と云う)」信仰です。従ってキリスト教の神が人々にとってどの
ような存在なのかを知るためには,イエス・キリストの言葉を通して知ることが最善と
いうことになります。
 即ちそれは「主の祈り」によってみることができます。
 「天におられるわたしたちの父よ,御名ミナが崇められますように。御国ミクニが来ますよ
うに。御心ミココロが行われますように,天におけるように地の上にも。わたしたちに必要
な糧カテを今日与えてください。わたしたちの負い目を赦してください」。
 
〈イエスの誕生〉
 イエスは,西暦紀元前4年頃,パレスチナ地方にあるエルサレムの南西ベッレヘムで
生まれました。
 イエスは,ベッレヘムで精霊によって身ごもったマリアを母,ヨセフを地上の父とし
て誕生したと云われています。同地に滞在中に「マリアは月が満ちて,初めての子を産
み,布にくるんで飼い葉桶に寝かせました。宿屋には彼らの泊まる場所がなかったから
です。
 そして,天使に告げられて駆け付けた羊飼い達に誕生を祝福されたイエスが,律法の
規定に従ってエルサレムを訪れ,神殿においてメシア(救世主)を待望していたシメオ
ン(信仰篤く正しい人)に祝福されました。シメオンは,幼児オサナゴを腕に抱いて,神を
讃えました。
 「主よ,今こそあなたは,お言葉どおり,この僕シモベを安らかに去らせてくださいま
す。わたしはこの目であなたの救いを見たからです。これは万民のために整えてくださ
った救いで,異邦人を照らす啓示の光,あなたの民イスラエルの誉れです(以上ルカ福
音書)」。
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