28a そてつ目(そてつ科)・いちょう目(いちょう科)・まつ目(いちい科・まき科・
  まつ科・いぬがや科・すぎ科・ひのき科・なんようすぎ科)植物
 
〈まつ科〉
 
モミ(樅,モミノキとも,モミ属)
 モミ属は世界の暖帯,温帯,亜寒帯に約40種が原産し,うちわが国には10種。本種は
 わが国特産の常緑大高木,庭木,盆栽,用材,クリスマスツリーなど。高さ50m,花期
 は初夏,球果は円柱形で長さ10~15㎝。雌雄異株。
 
ウラジロモミ(裏白樅,ダケモミとも,モミ属)
 モミの近似種,本州,四国の低山帯上部に自生する常緑大高木,用材,パルプ用。高
 さ40m,花期は初夏,球果は暗紫色で包鱗は短い。雌雄同株。
 
シラビソ(白桧,シラベ,シラツガとも,モミ属)
 本州,四国の亜高山帯に生育する常緑高木,建築,器具,パルプ用,ときに庭木。高
 さ20~40m,葉裏が粉白色なのでシラビソの名があり,花期は初夏,球果は暗碧色の円
 柱形で長さ6㎝。
 
オオシラビソ(大白桧,アオモリトドマツとも,モミ属)
 本州中部地方以北の亜高山帯に自生する常緑高木,材は細工物,建具。高さ20~30m,
 花期は6月,球果は暗紫褐色で長さ10㎝を直立。雌雄同株。
 
トドマツ(椴松トドマツ,アカトド,トドとも,モミ属)
 北海道,千島,樺太の高地に自生する常緑高木,建築,パルプ用,また庭園,盆栽。
 高さ25~30m,花期は初夏,球果は初め赤褐色で後褐色。雌雄同株。変種にアオトドマ
 ツがあります。
 
アカマツ(赤松,雌松メマツとも,マツ属)
 マツ属は北半球の寒帯から亜熱帯に約80種原産,うちわが国に約10種産する常緑高木
 又は低木。建築土木用材,パルプ,庭木用。高さ20~30m,樹皮は赤褐色で亀甲形の割
 目があり薄く剥げ,葉は針状で2本ずつ対になり,花期は晩春,種子は翌秋熟す。雌
 雄同株。園芸品種多い。
 
タギョウショウ(多行松,マツ属)
 アカマツの変種でわが国各地に植栽される常緑小高木(園芸品種),公園や庭園に植
 栽。高さ7~8m,幹が根元近くで多数分枝し,主幹がなく,枝は斜上して傘状に広が
 ります。
 
クロマツ(黒松,雄松オマツとも,マツ属)
 本州~九州の主として海岸地方に自生する常緑高木,公園,庭園,風致林,用材,薪
 炭材,盆栽用。高さ40m,樹皮には縦に深い亀甲形の割目があり,樹皮は灰黒色,葉が
 長く(10~15㎝)て太く,冬芽の鱗片が白い点でアカマツと区別されます。園芸品種
 多い。
 
ゴヨウマツ(五葉松,姫小松ヒメコマツとも,マツ属)
 本州関東地方以西,四国,九州の山地に自生する常緑高木,建築家具材,庭木,盆栽,
 生花用。高さ30m,葉が5本ずつ束生,葉長2~6㎝,樹皮は若木で暗灰色で平滑,老
 木になると鱗状になって落ちます。江戸時代より園芸品種多い。
 
チョウセンマツ(朝鮮松,チョウセンゴヨウとも,マツ属)
 本州中部地方,四国及び朝鮮半島の低山から亜高山帯に自生する常緑高木,建築,土
 木,家具,彫刻用材。高さ30m,樹皮は薄く灰褐色,鱗片となって脱落,若枝は薄く灰
 褐の軟毛を密生,葉は5葉で束生ときに3~4葉。種子には翼がなく,胚乳は古代か
 ら食用。
 
ダイオウマツ(大王松ダイオウマツ・ダイオウショウ,マツ属)
 北米東南部源の常緑高木で,明治45年頃に渡来。暖地の公園樹。原産地での高さ30m以
 上,樹皮は淡橙褐色,葉は3本ずつ束生,葉長20~45㎝(世界一)で枝端に群生し筆
 状に垂れ,球果は円柱状で大形。
 
ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダーとも,ヒマラヤスギ(セドルス)属)
 本属は地中海地方,ヒマラヤに4種原産する常緑大高木で,本種はヒマラヤの標高
 2000~3500mの高地に自生。円錐形の端正な樹形が美しく世界の三大公園樹の一つ。わ
 が国へは明治12~13年頃渡来,各地の公園に植栽。原産地での高さ50m,枝は水平に大
 きく広がります。
 
〈いぬがや科〉
 
イヌガヤ(犬榧,ヘボガヤ,アブラガヤとも,イヌガヤ属)
 イヌガヤ属はアジアに約6種原産,本種は本州~九州の山野の林中に自生する常緑小
 高木,庭園に植栽。高さ10m,樹皮は暗褐色で浅く縦に裂けて薄く剥げ,葉は互生し横
 枝では2列に並びます。雌雄異株。花期は早春。
 
チョウセンマキ(朝鮮槙,イヌガヤ属)
 イヌガヤの一変種(常緑低木),庭園に栽培。高さ1~3m,枝は多数出て,上向きに
 伸び,葉は枝の周囲に長短交互に密に互生。園芸品種に枝端の黄が黄白になるツマジ
 ロチョウセンマキがあります。
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