27-2b らん目(らん科)植物
 
パフィオペディルム・カルロスム(パフィオペディルム属)
 タイ原産の多年草で,明治41年に渡来。パフィオペディルム属オトペディルム亜属の
 原種で重要な交配親として知られます。温室内鉢植え。葉面は淡青緑色地に濃緑色の
 網目模様,花は径10p位,背弁は丸く花弁は細く先が尖り白色ないし淡緑色地に紫褐
 色条線入り,唇弁は紫褐色兜形で,高さ25〜35pの花茎上に咲きます。花期は春〜夏。
 
パフィオペディルム・ロスチャイルディアナム(パフィオペディルム属)
 スマトラ,ボルネオ原産の多年草(地生ラン)で,明治44年に渡来。室内鉢植え。花
 茎は70p以下,花弁は淡緑色で紫赤色の斑点があり,唇弁は汚紫赤色,先端は帯黄色,
 蕊柱は特殊な嘴クチバシ状で,1茎に2〜3花を咲かせます。花期は7〜9月。
 
パフィオペディルム・ビローサム(パフィオペディルム属)
 ビルマ・モールメインの1300〜1700mの高地原産の多年草で,大正年間に渡来。切花用,
 及び交配用原種。花はラック状光沢があり,花色は褐黄色の花弁の基部に紫色の毛,
 中脈は褐紫色,唇弁は褐黄色地に淡色の条脈があり,高さ25〜30pの花茎に1花を開
 きます。
 
ウィンストン・チャーチル(パフィオペディルム)(パフィオペディルム属)
 パフィオペディルムの交配種。大輪,良形の赤花系の代表的品種で花弁幅の広い,ボ
 リュームある花が特徴。インビクタ,レダウダブル,バルカンなどの変種があり,現
 在も重要な交配親として利用されています。
 
F.C.パッドル(パフィオペディルム)(パフィオペディルム属)
 東南アジア及び南太平洋の島々原産の多年草(地生ラン),鉢植え,また交配親。花
 は中輪でやや良形,白色地に僅かに紫褐色の小さなスポットが散在,花茎に1花を咲
 かせます。花期は12〜2月。
 
シャーライン'ロンド'(パフィオペディルム)(パフィオペディルム属)
 Pahio属は東南アジア原産の多年草(地生ラン),鉢物にして室内観賞。本種は黄色の
 名花,極めて整形の大輪花で,背弁は幅広,周縁部のみ白色の花を花茎に1花開きま
 す。花期は12〜月2。
 
スパーショルト'ジャガー'(パフィオペディルム)(パフィオペディルム属)
 熱帯アジア原産種の園芸交配品種(多年草),鉢植えにして温室内観賞。背弁は白色
 地に中央基部淡緑色,紫赤色の大きい点が鮮明に入り,花弁は褐赤色,下半分淡く斑
 点が目立ち,唇弁は褐赤色で,極大輪で整った花容の花を長く伸びた花茎に咲かせま
 す。花期は冬。
 
ガンゼキラン(ガンゼキラン属)
 紀伊半島,伊豆七島,四国,九州原産の多年草(地生ラン),主に鉢植え。花は淡黄
 色で総状花序に咲かせます。花期は2〜5月。
 
ファレノプシス・シレリアナ(コチョウランとも,ファレノプシス属)
 フィリピン原産の多年草,主に鉢植え。葉面は暗緑色に灰緑色の横縞入り,裏面は暗
 紫紅色,花は径8p位で桃色,花茎を1mに伸ばし円錐花序に100輪もの花を咲かせま
 す。花期は2〜3月。本種は桃色花系の交配親,白色花系の交配親にP.アマビリスが
 あり,また黄色花系園芸品種に黄緑色地に赤色斑点の美しいゴールデン・ハーベストが
 あります。
 
フラグミペディウム・カウダツム(フラグミペディウム属)
 中南米原産の多年草で,本属はパフィオペディルム属と唇弁の形がよく似ていますが,
 子房が3室である点で異なります。鉢植え。花は径5p位,上萼片は15〜20pで両側
 が反転し脈入り,花弁は長さ60〜70p狭線形で長く下垂し薄褐色地に太い暗紫褐色の
 脈が流れ,唇弁は大きく袋状で内面は黒紫色の斑入り,高さ40〜50pの花茎を直立し
 て2〜3花を咲かせます。花期は5〜6月。
 
タイリントキソウ(大輪朱鷺草,プレイオネ属)
 台湾の高地原産の多年草,山草として鉢植え。高さ25p位,花は径5pで淡紅色,花
 茎に1輪稀に2輪咲かせます。花期は3〜5月。花が雪白花のforma niveaもありま
 す。
 
プレイオネ・フォレスティ(プレイオネ属)
 ビルマ北部,中国雲南省の高地原産の多年草。今日栽培されている種はコンフサ種で,
 真のフォレスティは導入されていません。鉢植え用。円錐形の偽球茎に1枚の葉を付
 け,花は淡黄色から橙黄色で,唇弁に褐色又は深紅色の斑紋入り,1茎に1花を開き
 ます。花期は春。近似種にP.ケンフロラがあります。
 
トキソウ(朱鷺草,トキソウ属)
 わが国,朝鮮半島,中国の湿原に自生する多年草,山草として鉢植え。高さ15〜20p,
 花は紅紫色。白花種のシロバナトキソウもあります。花期は6〜7月。
 
ウチョウラン(ハクサンチドリ属)
 関東地方以西,四国,九州の500〜1000mの岩壁上に自生する多年草,鉢仕立てや寄植
 えにして草玉仕立て。高さ5〜15p,花は普通紫紅色で地方により濃淡の変化があり,
 総状花序に開きます。花期は6〜8月。
 
クロカミラン(黒髪蘭,ハクサンチドリ属)
 ウチョウランの変種で北九州に自生する多年草,山草として鉢仕立てや草玉仕立て。
 花は淡紫紅色でウチョウランに似ますが距が著しく短く,舌弁の斑紋は鮮明。花期は
 5月下旬。
 
ポチナラ・カトレヤ(ポチナラ属)
 本属はカトレヤ,ブラサボラ,レリア,ソフロニティスの4属の交配により作出され
 た園芸品種(多年草)で,第二次大戦前に渡来。切花用。花は複雑な花色と色模様が
 特徴。花期は普通冬から春。
 
レナンセラ・インショーティアーナ(レナンセラ属)
 アッサム,ビルマ原産の多年草で,明治末年に渡来。室内鉢植え。上萼片と花弁は黄
 色地に赤色斑点,側萼片はやや波状で赤色,花茎に12〜14個の大花を咲かせます。花
 期は6〜7月。同属のブルーキー・チャンドラは濃色の斑入り花が100輪位咲き,同じ
 く多花性のR.マッチナも斑入りです。
 
レナンソプシス(レナンソプシス属)
 熱帯アジア原産のレナンセラと,ファレノプシス属との属間交配種,温室鉢植え。一
 般に草姿はファレノプシスに近く大形で幅広,花容はレナンセラの影響を受けて花弁
 と上萼片が小さくなり,花色は橙色系の中間色となるものが多く,花数も多い。
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