25b ゆり目(ゆり科・りゅうぜつらん科・ひがんばな科・やまのいも科・あやめ科)植物
 
オリヅルラン(折鶴蘭,チョウラン,フウチョウランとも,オリヅルラン属)
 南アフリカ原産の多年草で,明治初期に渡来。観葉植物として鉢物や吊鉢。葉は長さ
 10〜20pで普通鮮緑色に白斑入り,花は白色で多くの花茎に付け,その先端に子株を
 生じます。葉の広いヒロハオリヅルランもあります。花期は春〜夏。
 
イヌサフラン(コルチカムとも,イヌサフラン属)
 欧州,北部アフリカ原産の球根植物(多年草)で,明治13年に渡来。花壇,鉢植え用。
 高さ15〜20p,球茎の径3〜4p,花はライラック色で長さ4〜6p。花期は秋。
 
ウォーター・リリー(コルチカム)(イヌサフラン属)
 イヌサフランの園芸品種(多年草),花壇,鉢植え用。花は桃藤色で八重咲き大輪。
 花期は10月中旬〜下旬。
 
ドイツスズラン(キミカゲソウ属)
 欧州,温帯アジア原産の多年草,花壇,鉢植え,切花用。高さ15〜25p,葉は濃緑色
 で光沢があり,花は白色で長さ8o,芳香が高い。花期は5〜6月。液果は暗赤色。
 花色が桃色のモモイロスズランなど数種の変種があります。
 
スズラン(鈴蘭,君影草キミカゲソウとも,キミカゲソウ属)
 本州中部地方北部及び朝鮮半島の亜高山の草原に分布する多年草,花壇,鉢植え,切
 花用。ドイツスズランに比べますと,葉はそれ程光沢はなく,やや狭く先が尖り,花
 もやや小形で芳香も幾分劣ります。花期は5月。有毒植物。
 
キバナホウチャクソウ(黄花宝鐸草,キバナアマドコロ,コガネホウチャクソウとも,
           チゴユリ属)
 朝鮮半島南部,済州島原産の耐寒性多年草,庭植え,鉢植え,切花用。高さ30〜40p,
 花は黄金色,開花期には花葉や枝の先が垂れます。花期は5月頃。
 
エレムルス・ブンゲイ(エレムルス属)
 イラン原産の多年草で,昭和11年に渡来。花壇,切花用。高さ1m位,葉は非常に細
 く,花は黄色又はオレンジ色,鐘形花穂は長さ12p。花期は7月。近似種に紅色花が
 密に付くE.elwesiiなどがあります。
 
エリスロニウム・アメリカナム(カタクリ属)
 北米原産の球根植物(多年草)で,大正中期に渡来。鉢植え,庭植え。高さ7〜20p,
 葉は淡緑色地に紫と白色の斑紋があり,花は黄色でシクラメンのように背曲し,基部
 に褐色の斑紋があり長さ2.5〜4p。花期は4〜5月。
 
エリスロニウム・デンス・カニス(カタクリ属)
 南欧原産の球根植物(多年草)で,大正末に渡来。鉢植え,庭植え。高さ10〜20p,
 葉は2枚で灰緑色地に暗紫色の斑紋があり,花は紫桃赤色又は藤紫色。花期は3〜4
 月。
 
ユーコミス・ウンドラタ(ユーコミス属)
 南アフリカ原産の多年草で,第二次大戦後に渡来。花壇,鉢植え,切花用。高さ70〜
 80p,花はクリーム色,太い花茎に密に穂状をなします。花期は7月上,中旬。
 
クロユリ(黒百合,バイモ属)
 本州北中部の高山や北海道,及び樺太,東部シベリア,アラスカに分布する球根植物
 (多年草),庭植え,鉢植え,切花用。高さ20〜50p,葉は厚く光沢,花は暗紫色で
 内面には濃色の斑紋があり悪臭,雄蘂は鮮黄色。花期は5〜6月。
 
フリチラリア・インペリアリス(瓔珞百合ヨウラクユリとも,バイモ属)
 イラン,ヒマラヤ地方原産の球根植物(多年草)の改良種で,明治5〜6年頃に渡来。
 わが国産クロユリや中国産バイモと同属,花壇や鉢植え用。鱗茎は多肉質で悪臭,茎
 の先端に鐘状の花を下向きに数花付け,花色は煉瓦紅色や濃紅色。花期は4月頃。変
 種に濃色花のオーロラ,黄色花のルテア,また同属にF.ペルシカ,F.メレアグリスな
 どがあります。
 
バイモ(貝母バイモ,アミガサユリ,ハハクリとも,バイモ属)
 中国原産の球根植物(多年草)で,1718年に渡来。庭植え,鉢植え,切花用,また薬
 用。高さ40〜60p,上部の葉先は鉤状に巻曲,花は約3pの淡黄緑色で外側に緑色の
 条線があり,内側には紫色の網状紋が入ります。花期は3〜4月。近似種にはわが国
 に自生するコバイモなどがあります。
 
ツリガネオモト(釣鐘万年青,ガルトニア・カンディカンスとも,ガルトニア属)
 南アフリカ・ナタール,喜望峰原産の球根植物(多年草)で,明治中頃に渡来。花壇,
 切花用。高さ100〜150p,花は純白で長さ3〜5p,1茎に15〜20花を粗く付け,微
 かに芳香があります。花期は7〜9月。
 
ハクセイリュウ(白星竜,ガステリア属)
 南アフリカ・ケープ州原産の多年草,鉢植え。葉は舌状で葉面に白点を密に付け輝いて
 見えます。花期は不定期。変種に白星竜錦ハクセイリュウニシキなど,また近似種に臥牛ガギュウ
 があります。
 
グロリオサ・スーパーバ(ユリグルマとも,グロリオサ属)
 熱帯アフリカ,熱帯亜原産の多年草で,明治40年に渡来。茎は蔓状で高さ150p位,葉
 の先端は巻髭状,花は初め緑色,次第に黄色から深紅色へと変化,上部葉腋より狭披
 針形で波打った花弁を上向きに反転させて単生します。花期は夏。変種に黄色花のル
 テアがあります。
 
ジュウニノマキ(十二の巻,ハオルチア属)
 南アフリカ・ケープ州原産の多年草。本種は本属中で最も美しいとされ,観賞用として
 鉢栽培。葉は剣状で長く太り地際より放射状に出し,葉には純白の突出した白点が横
 に縞のように並んで付きます。幾つかの変種のほか,近似種に竜鱗リュウリンがあります。
 
クレストウッド・リンダ(ヘメロカリス)(キスゲ属)
 東アジア原産キスゲ属の一園芸品種(4倍体品種,多年草)で,1961年作出。鉢植え,
 切花用。6月上旬より花茎を直立,頂部は分枝し,レモンイエローの中輪厚弁の漏斗
 状6弁花を次々に開きます。ほかに赤色花で褪色しないレッド・スパイネル,紫色系の
 シカゴ・リーガルがあります。
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