22c ききょう目(ききょう科・きく科)植物
 
アカバナムシヨケギク(赤花虫除菊,ペルシアジョチュウギクとも,キク属)
 西南アジア原産の多年草で,明治18年に渡来。現在は切花,花壇用。高さ40~75㎝,
 頭状花は径4~7.5㎝で,舌状花は淡紅色,淡赤色,暗赤色,白色と変化が多く,花形
 も重弁や丁字咲き(アネモネ咲き)があります。花期は晩春~夏。近似種に一般に除
 虫菊ジョチュウギクと呼ばれるシロバナムシヨケギクやコーカサス原産で白花のコーカサス
 ムシヨケギクがあります。
 
ハナゾノシュンギク(花園春菊,キク属)
 欧州,地中海沿岸地方原産の一年草,主に野菜として栽培される春菊シュンギクの園芸観
 賞用変種で,花壇や切花用。草丈30~60㎝,花径5㎝位,黄色,クリーム色,白色の
 重弁頭状花で半八重咲きや完全八重咲きの花を,茎上に単生します。花期は夏。
 
シュンギク(春菊,キクナ,フダンギクとも,キク属)
 地中海沿岸地方原産の一年草,欧州では母種ハナゾノシュンギクを花壇や鉢物の観賞
 用としました。古い時代中国に伝わり改良され,わが国には既に『尺素往来』(1469
 ~1486年)に名が見られます。野菜として栽培される一,二年草で,特有な香気があり
 ます。草丈30~60㎝,全株無毛,頭花は径3㎝位で単立し,舌状花は雌性,黄色又は
 白色で,中心の管状花は両性で黄色。春の若芽を食用にします。
 
ホワイト・スター(マーガレット)(キク属)
 カナリー諸島原産の多年草で,明治末年に渡来。観賞用として鉢物や切花用。高さ30
 ~100㎝,頭花は径3~8㎝,舌状花は一列に並び白色,中央の管状花は黄色,花は葉
 腋から出た長い花柄の端に単生します。品種には白花で大輪のホワイト・ムーン,矮性
 のホワイト・マジックがあります。花期は春から夏。
 
イズ・イエロー(マーガレット)(キク属)
 キバナマーガレットは1874年にフランスで実生から得られ(多年草),わが国には昭
 和5年頃に渡来。花壇,鉢植え,切花用。高さ1m位,中輪で黄色の花。本種はキバナ
 マーガレットにシュンギクを交配したもので,大輪で耐寒性も強く強健。花期は冬~
 春。
 
ピンク・スター(マーガレット)(キク属)
 マーガレットはギリシャ語で真珠の意味。カナリー諸島で発見され,欧州で栽培種と
 して改良され,わが国には明治末年に渡来。普通温室栽培,暖地の海岸では露地栽培
 し,切花や鉢物用。本種は桃色八重咲きの代表種。花期は冬~春。一重咲きにはソフ
 ト,ピンクなどがあります。
 
フランスギク(オクスアイ・デージーとも,キク属)
 欧州,シベリア,アルタイ,コーカサス地方原産の多年草,花壇,切花用。高さ20~
 100㎝,頭状花は径5~6㎝でマーガレットに似ますが花弁はやや大きい。舌状花は白
 色,管状花は黄色。花期は通常4~5月。園芸品種には八重咲き,花弁の広いもの,
 特に早咲きのものなどがあります。
 
シロウマ(シャスターデージー)(キク属)
 シャスターデージーはフランスギク,ラクストレ,ハマギクなどを交配作出したと云
 われ,その後改良され八重咲きなど数多くの品種があり,花壇,鉢植え,切花用の多
 年草。本種は花径8㎝の大輪一重咲きで舌状花は白色,花芯は大きく濃黄色,矮性で
 草丈は20~30㎝。花期は6月。
 
マンゲツノヒカリ(キク)(満月の光,キク属)
 大輪菊,毬咲きの代表種。平弁が重なって球状になり,花弁の先端で抱え込むように,
 最も厚く盛り上がっています。花弁は幅広く皺シワがなく光沢のある平弁で厚く,弁先
 に丸味があり抱力を持ち,魚鱗のように規則正しく,四方より花芯に向かい滑らかに
 花芯(管状花)が見えないものが優れた品種とされます。大菊は頭花の径18㎝以上,
 20㎝位が標準で,超巨大輪では26㎝位にもなります。
 
セイコウノクモ(キク)(精興の雲,キク属)
 大輪菊,厚走りの代表種。厚走りは大菊で厚物に走り弁の出たもの,即ち厚物で最も
 外側の花弁が盛り上がらず,太く丸弁で管状の花弁が長く四方に勢い良く放射状に出
 るもので,管状弁の先端が開いて匙状になったものです。鉤状のものもありますが,
 剣先状に尖ったものを剣走りと云って,厚走りの理想としています。走りは花の大き
 さを左右し,花に雄大な観を与えます。本種は白色花で,ほかに鮮黄色花の国華大満
 月があります。
 
ゲッコウデン(キク)(月光殿,キク属)
 大輪菊の厚物掴み咲きの代表的品種。奥州八戸地方で作出された奥州菊の名で知られ
 ます。鉢植えにして観賞。花径30~60㎝の黄色超巨大輪で,花弁は幅広,花芯は他の
 厚物と異なり抱える力が強い。四方の走り弁は丸く長く雄大な感じを与えます。花期
 は10~11月。ほかに白色花の雪光殿があります。
 
センゴウノリュウ(キク)(泉郷の竜,キク属)
 大輪菊の舌状花が全て管状になったものを管物と呼び,本種は管弁の径が4㎜以上の
 太管の一品種。鉢植えにして観賞。鮮黄色の巨大輪で径30㎝位,放射状に広がる走り
 弁と上向きに堅く巻いた玉巻き弁からなり,花芯は盃状で中心は窪みます。
 
アキノスズ(キク)(秋の鈴,キク属)
 大輪菊間管の一品種。鉢植えにして観賞。花径30㎝位の黄色巨大輪,舌状花は変化し
 て完全な管弁となり,管弁の径は2~4㎜の丸管状,長い走りと上向きに堅く巻いた
 弁の段咲きとなります。花期は10~11月。
 
コッカユウコウヨウ(キク)(国華夕紅葉,キク属)
 大輪菊細管の一品種。鉢植えにして観賞。花径30㎝位の巨大輪,舌状花は径1~2㎜
 の管状に変化し,花色は黄色に橙紅色が入って美しく,段咲きで花芯の玉巻き弁は茶
 筅状になります。花期は10~11月。
 
コッカサギリ(キク)(国華狭霧,キク属)
 大輪菊針管の一品種。鉢植えにして観賞。花径30㎝位の白色巨大輪,舌状花が極細の
 管状に変化し弁先に堅い玉巻きがあり,管弁の径は1㎜以下,走り弁は長く,花芯は
 茶筅を立てたようになります。花期は10~11月。
 
ギョクコウイン(キク)(玉光院,キク属)
 御紋章菊ともよばれる大輪菊一文字(広熨斗)の代表的品種。鉢植えにして観賞。一
 重咲きの広物で花径およそ30㎝,白色に紅縞の幅広で大きく深い舟底形弁を15~16枚
 隙間なく平面上に開きます。花期は10~11月。ほかに紅御殿(紅色花),岸の北極光
 (橙色花)があります。
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