21a あかね目(あかね科・すいかずら科・まつむしそう科)・うり目(うり科)植物
 
〈すいかずら科〉
 
アベリア(花衝羽根空木ハナツクバネウツギとも,ツクバネウツギ(アベリア)属)
 中国原産の落葉性シナツクバネウツギと,常緑性A.unifloraとの交配によって作出さ
 れた半常緑性低木で,大正中期に渡来。公園樹,街路樹,庭木,切花用。高さ約2m,
 小枝は鮮紅色,花は白色か淡紅色で長さ2㎝の鐘形花で先端が5裂し,小枝の先の円
 錐花序に付きます。花期は6~11月。
 
コルクウィッチア・アマビリス(コルクウィッチア属)
 中国湖北省原産の落葉低木,公園樹,庭園樹。高さ2~3m,花は桃色で喉が黄色の鐘
 形花で,2輪ずつ対をなして散房花序に咲かせます。花期は5~7月。
 
ウグイスカグラ(鴬神楽,ウグイスノキとも,スイカズラ属)
 北海道から四国にかけて自生する落葉低木で,庭木や盆栽用。高さ150~300㎝,花冠
 は淡紅色。花期は3~4月。液果は長さ1㎝で5~6月に赤く熟し甘味があります。
 母種はヤマウグイスカグラで葉の両面や縁に毛があります。
 
スイカズラ(吸葛,忍冬ニンドウ,金銀花キンギンカとも,スイカズラ属)
 わが国及び中国に分布する蔓性半常緑低木,庭木,フェンスに絡ませます。花は利尿
 薬。蔓は右巻き,長さ10m位,花色は初め白又は淡紅色,後に黄色に変わり,芳香性。
 花期は初夏。花色の違う多くの園芸品種があります。
 
ニオイニンドウ(匂忍冬ニオイニンドウ,スイカズラ属)
 北アフリカ,欧州中・南部からコーカサス原産の蔓性落葉低木で,昭和初年に渡来。庭
 木としてフェンスなどに絡ませます。高さ3~4m,花冠は黄色,外側は普通洋紅又は
 紫色で,強い芳香があります。花期は6~10月。
 
ツキヌキニンドウ(突抜忍冬,スイカズラ属)
 北米原産の蔓性常緑小高木で,明治中期に渡来。庭木,鉢植え,切花用。高さ6~7
 m,花冠は外側は橙紅色,内側は黄色で長さ5㎝。花期は5~8月。
 
アメリカニワトコ(ニワトコ属)
 米国ノバスコシア州よりフロリダ,テキサス州に自生する落葉低木,1761年欧州に紹
 介,わが国へは昭和初年に渡来。米国で広く庭木として栽培。高さ4m位,花冠は白
 色,径25~30㎝の集散花序に咲き,芳香性。花期は6~7月。果実は径5㎜位,9月
 に紫黒色に熟し食用。
 
セイヨウニワトコ(西洋接骨木セイヨウニワトコ,ニワトコ属)
 北アフリカ,欧州,西アジア原産の落葉低木ないし小高木で,明治末年に渡来。庭木
 として栽培。高さ2~10m,枝葉に臭気,花は帯黄白色で,強い香気があり薬用(サン
 ブニグリンを含有)。花期は5~6月。液果は黒色で光沢があり,発酵させて酒を造
 ります。変種があり,果実が帯緑色,白色,黄色,また葉が黄金色のゴールデン・エル
 ダー,ほかに白斑入り,白覆輪,切れ込み,散斑などもあります。
 
セイヨウアカニワトコ(西洋赤接骨木セイヨウアカニワトコ,ニワトコ属)
 欧州(英国とスペインを除く)から西アジア原産の落葉低木で,1596年英国入り。庭
 木。高さ1.5~4m,花は淡黄白色で,長さ3~6㎝の円錐花序に付けます。花期は4
 ~5月。果実は卵球形で長さ5㎜位,鮮紅色で臭気があります。樹形,葉,果実の形
 や色によって種々の変種があります。
 
シラタマヒョウタンボク(雪晃木セッコウボクとも,シンフォリカルポス属)
 北米東北部原産の落葉小低木で,明治末に渡来。庭木用。高さ1m位,花は鐘状で淡紅
 色。花期は7~9月。果実は白色の球形で,数個ずつ枝先に着き冬まで残ります。
 
サンゴジュ(珊瑚樹,ガマズミ属)
 関東地方南部以西から沖縄,済州島などの暖帯の海岸に多く自生する常緑小高木で,
 潮害や大気汚染に強く,また防火,防風林や生垣として栽培。高さ3~6m,大きな円
 錐花序に白い小花を密集します。花期は6~7月。果実は長さ7~8㎝,10~11月に
 赤熟し美しい。品種にアジサイバサンゴジュ,フイリサンゴジュがあります。
 
オオチョウジガマズミ(ガマズミ属)
 九州,対馬,朝鮮半島原産の落葉低木,庭木として栽培。高さ130~270㎝,花径10㎜
 内外,花筒の長さ約8㎜,花は白色で頂生又は腋生の円錐花序に咲き,芳香性。花期
 は4~5月。核果は楕円形で秋に黒く熟します。変種にわが国原産のチョウジガマズ
 ミがあります。
 
オオデマリ(大手毬,手毬花テマリバナとも,ガマズミ属)
 ヤブデマリの園芸品種(落葉低木,中部地方の台湾,中国に稀に野生種があります),
 庭木や切花用。高さ1~2m,花冠は外側のものが大きく,白色の多数の花を集めて開
 き球状になります。花期は5~6月。
 
ビブラナム・ブルクウッディー(ガマズミ属)
 V.carlesiiとV.utileとの園芸交配種(常緑低木)で1924年に作出,庭園樹。高さ130
 ~200㎝,花は白色又は帯白色の小花で,枝先に径8~11㎝の半球状散房花序に開きま
 す。花期は4月頃。
 
タニウツギ(谷空木,ヤマウツギとも,タニウツギ属)
 北海道,本州(主に日本海側斜面)の山地に自生する落葉低木,庭木や切花用。高さ
 3~4㎝,花冠は紅色,長さ3~4㎝,筒部上方が次第に膨らんで先が5裂する花を
 散房花序に付けます。花期は5~6月。変種にベニウツギがあり,花は蕾のときから
 紅色を帯び,花序が密です。
 
キバナウツギ(黄花空木,タニウツギ属)
 本州中部地方以北の湿った山地に生える落葉低木,庭木や切花用。高さ100~250㎝,
 花冠は長さ3.5~4㎝,淡黄色の花を2~3個開きます。花期は5~6月。ウコンウツ
 ギ(本州北部,北海道からアムールに分布)に似ます。
 
〈まつむしそう科〉
 
チーゼル(ラシャカキグサ,オニナベナとも,ナベナ(ディプサクス)属)
 欧州原産の二年草(栽培上)で,明治初年に渡来。昔この果実で羅紗などの毛を起こ
 して磨くのに用いられました。花壇,ドライフラワー用。高さ1~2m,刺毛があり,
 花は長さ4~6㎝,径3㎝の頭花で紅紫色,総包片は頭花より短く反り返ります。花
 期は6~8月。シルウェストリスは総包片が頭花より長く,立ち上がります。
 
トール・ダブル(セイヨウマツムシソウ)(マツムシソウ属)
 南欧原産の一年草で,明治12年に渡来したマツムシソウの園芸品種,花壇,切花用。
 草丈は70㎝位,花は桃色や白色の頭状花で,長梗です。花期は5~7月。
 
スカビオサ・コーカシカ(コーカサスマツムシソウとも,マツムシソウ属)
 コーカサス原産の多年草で,明治41年に渡来。花壇,また欧州では切花用。高さ50~
 100㎝,花は径9㎝位の頭状花で淡青紫色,また白花や波状弁の変種もあります。花期
 は6~10月。品種にはフロリスト・デライト(青),ローザ・マリー(紫),クライブ
 グレブス(藤),ミスウイルモット(白)など。
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