21 あかね目(あかね科・すいかずら科・まつむしそう科)・うり目(うり科)植物
 
                    参考:北隆館発行「原色園芸植物大圖鑑」
 
〈あかね目(あかね科)〉
 
シマタニワタリノキ(縞谷渡りの木,タニワタリノキ属)
 済州島,中国原産の落葉小低木で,昭和初期に渡来。主に鉢植え,盆栽,また庭木。
 高さ3~4m,花はピンクか白色で,球形の頭状花序に付きます。花期は夏。同属にわ
 が国自生のタニワタリノキがあります。
 
ブバルディア・ヒブリダ(ブバリアとも,ブバルディア属)
 メキシコ,中南米原産のカンチョウジなど数種を交配して出来た園芸種(常緑小低木
 ),鉢植え,切花用。花筒は2.5㎝,花は明るい赤色で房状に付きます。花期は秋~
 冬。白花種としてB.humboldtiiやその改良種があり,花が大きく,強い芳香がありま
 す。
 
コーヒーノキ(コーヒー属)
 熱帯東部アフリカ原産の常緑低木で,明治以前に渡来。高さ3~4m,葉は有柄平滑な
 楕円形で光沢があり美しい(観葉植物向き),花は有柄で純白色。花期は晩夏~秋。
 果実は濃赤色で長さ12㎜,種子はカフェインを含有し,コーヒーの原料,また医薬に
 も使われます。
 
オオヤエクチナシ(大八重山梔子オオヤエクチナシ,ガーデニアとも,クチナシ属)
 中国,九州原産の常緑低木で,欧米で改良されて逆輸入。庭木,鉢物,生花用。高さ
 2m位,花は白色大輪の八重咲きで腋生し,香りが強い。花期は6~7月,
 
クチナシ(山梔子クチナシ,センプクとも,クチナシ属)
 わが国南部,台湾,中国原産の常緑低木(コリンクチカシの品種),庭木,生花用,
 果実は薬用・染料。高さ2m位,花径5~6㎝,花は一重の白色で腋生します。花期は
 6~7月。品種に斑入り種や覆輪種があります。
 
マルバクチナシ(丸葉山梔子,オカメクチナシとも,クチナシ属)
 わが国南部,台湾,中国原産の常緑低木(コリンクチカシの品種),庭木,鉢物,生
 花用,果実は薬用・染料。高さ2m位,花径6㎝位,花は白色で芳香が強い。花期は6
 ~7月。
 
コクチナシ(小山梔子,姫山梔子ヒメクチナシとも,クチナシ属)
 中国原産の常緑低木(コリンクチナシの変種),庭木,鉢物,生花用。高さ30~40㎝
 の矮性,花径4~5㎝,重弁の花が新梢に付きます。花期は7月。木村四季咲きクチ
 ナシやマルバクチナシは本種の改良種。
 
キムラシキザキクチナシ(木村四季咲き山梔子,クチナシ属)
 中国原産で古くより栽培されるコクチナシの園芸改良種(常緑小低木)で,昭和33年
 木村保種氏の作出。矮性の鉢物用で早咲き,多花性,四季咲きで,摘芯により何時で
 も開花させられます。高さ30~40㎝,花は白色八重咲きで芳香があります。
 
ホフマニア・フルゲンス(ホフマニア属)
 メキシコ原産の多年草で,昭和38年頃に渡来。小形観葉植物として鉢植え。高さ約50
 ㎝,葉の表はビロード状紫緑色,裏面は紫紅色。
 
トキワナズナ(常盤薺,ホーストニア,雛草ヒナソウとも,トキワナズナ属)
 北米原産の耐寒性多年草で,明治17~18年頃に渡来。庭植え,鉢植え。高さ2.5~18
 ㎝,花冠は径8~12㎜の高杯形で4裂し,花は糸状小花,花梗上に単生します。花色
 は菫色,青色,白色など中心が黄色で美しい。花期は3~6月。
 
サンタンカ(山丹花サンタンカ,三段花サンダンカとも,サンタンカ属)
 中国南部,マレーシア原産の常緑低木で,正保年間(1644~1647年)に渡来。温室で
 鉢物,また暖地では花木。花冠は丸形で4裂,筒部は細長く2~2.5㎝,花は散房花序
 に頂生,花色は朱紅,また橙,白など。花期は冬から春。品種にサンキスト(台湾よ
 り渡来,淡緑黄色花)があります。
 
イクソーラ・コクキネア(サンタンカ属)
 インド原産の常緑低木,1800年欧州に紹介。観賞用として古くから栽培(温室鉢物)。
 高さ1~2m,花冠の花色は緋紅色で,散房花序に頂生。花期は7~8月。核果は紅色
 で半球形の種子が2個あります。
 
シロバナサンタンカ(白花山丹花,サンタンカ属)
 インド,ビルマ原産の常緑低木,1800年欧州に紹介。庭木などに栽植(わが国では温
 室鉢物)。花冠の筒部の長さ8㎜位,花は白色,球状に多くの花を集散花序に付け,
 芳香性。近似種には花の芳香が強く5月初めに白色,後に黄褐色になるマダガスカル
 原産の小低木ニオイサンタンカ(大正末年に渡来),またキバナサンタンカ(昭和10
 年)があります。
 
アッサムニオイザクラ(ルクレア属)
 インド・アッサム地方のカシー高原(標高1300~2000m)原産の半常緑又は落葉低木で,
 最近渡来。花径2.5㎝,桃色花を密生し,芳香性。花期12月頃。別種のブータン地方原
 産のグランテイフォーリアは白い管状花で秋に紅葉,また古く渡来のグラチシムはヒ
 マラヤの野生で淡紅色又は紅色の花を咲かせます。
 
アラゲカエンソウ(荒毛火焔草,マネッチア属)
 パラグアイ,ウルグアイ原産の蔓性常緑低木,鉢植え用。花は赤色で先端は黄色,筒
 状で長さ2㎝。花期は春。同属にカエンソウがあり,漏斗状の花を付けます。
 
ヒゴロモコンロンカ(緋衣崑崙花,コンロンカ属)
 熱帯アフリカのコンゴ原産の常緑低木で,明治5年に渡来。鉢植え用。蔓は普通40~
 60㎝,花冠は漏斗形で筒部に紅毛があり,裂片の内側は白又は黄色,萼片は赤色(1
 片は葉状で大きく緋紅色で光沢あり)。花期は5~6月。
 
コケサンゴ(苔珊瑚,タマツヅリとも,ネルテラ属)
 南米,中米,ニュージーランド,タスマニア原産の多年草で,大正末に渡来。鉢植え
 にして実を観賞。花は小さく淡緑色。果実は熟すにつれて橙色から赤橙色になり,7
 ~8月から冬まで落ちません。
 
ペンタス(草三段花クササンダンカとも,ペンタス属)
 熱帯アフリカ,アラビア原産の多年草で,明治末に渡来。花壇や鉢植え用。高さ30~
 60㎝,花は紫桃色で散房花序に20花程付けます。花期は秋~冬。変種には白色花の
 var.alba,洋紅色のvar.kermesianaなどがあります。
 
ベニマツリ(ベニマツリ属)
 メキシコ,キューバ,パナマ原産の常緑低木で,明治初期に渡来。室内観賞用として
 鉢植え。高さ2m位,花は鮮橙赤色で喉部が黄色の厚弁鐘形花で,10~30輪を頂生する
 集散花序に咲かせます。花期は晩秋~冬。
 
ハクチョウゲ(白丁花,ハクチョウゲ属)
 台湾,中国,インドシナ原産の常緑小低木,『元禄7年花譜』(貝原益軒)などに記
 載され,わが国にはそれ以前に渡来。高さ1m位,葉に悪臭があり,花色は白又は帯紫
 白か淡紅色,長さ1㎝位の花を葉腋に単生。花期は5~6月。根は薬用。近似種に二
 重弁のフタヘザキハクチョウゲ,葉に白覆輪の入るフイリハハクチョウゲ,紫花のム
 ラサキハクチョウゲなどがあります。
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