19a もくせい目(もくせい科・ふじうつぎ科・りんどう科・きょうちくとう科・ががいも
  科)植物
 
〈きょうちくとう科〉
 
アデニウム・オベスム(アデニウム属)
 アラビア南部から熱帯アフリカ東部原産の多肉植物で,熱帯では庭木(わが国では温
 室内鉢物)。高さ2m,紅色の花が2~10個集まって咲きます。ほかに花が多く白色で
 濃紅色覆輪のムルチフロラム,また別種に南西アフリカ産で花は小輪で淡紅色のボエ
 ミアヌムがあります。この属の樹液は有毒。
 
ヒメアリアケカズラ(姫有明蔓,アラマンダ属)
 ブラジル原産の蔓性常緑低木で,1851年英国に紹介,明治末年に渡来。温室で鉢植え
 栽培。高さ90㎝位,花径3~7㎝,花は濃黄で内部に褐色の条が入ります。オオアリ
 アケカズラは鮮黄色で喉部に白斑のある花を6~10月に咲かせます。その変種アリア
 ケカズラの花は橙黄色で喉部に鮮明な5個の斑があります。
 
ミニマ(オオバナカリッサ)(カリッサ属)
 C.grandifloraの矮性種。原種は南アフリカ原産の常緑低木で,大正年間に渡来。観葉
 植物として鉢植え栽培。花は大輪の白色,花弁は重なり合い,茎の先端に単生,芳香
 性。果実は赤色に熟します。斑入り品種にフイリオオバナカリッサがあります。
 
ディプラデニア・スプレンデンス(ディプラデニア属)
 ボリビア原産の熱帯性の蔓性常緑低木,温室植物として鉢植え。長さ5~10m,花径5
 ㎝の漏斗形,花色は淡桃色,花冠が5裂して外へ開き,弁先がやや尖り,枝の先に総
 状に付きます。芳香性。花期は夏。
 
マンデビラ・サンデリー(チリーソケイ(マンデビラ)属)
 ブラジル原産の木質の蔓性常緑低木で,昭和初期に渡来。温室内の鉢植えで花と葉を
 観賞。葉は革質で光沢があり,花は長さ5㎝,淡紅色の9花が腋生又は頂生して総状
 花序に付けます。芳香性。近似種にチリーソケイがあります。
 
シロバナキョウチクトウ(白花夾竹桃,キョウチクトウ属)
 インド,イラン原産の常緑低木で,中国を経て江戸時代に渡来。庭木や街路樹として
 栽植。高さ1~6m,花径3~4㎝,やや右に捩れる一重咲き純白花が咲きます。花期
 はわが国では7~9月(亜熱帯や熱帯では年中)。淡黄色花の変種をウスギキョウチ
 クトウ,また葉に斑入りのあるフイリキョウチクトウもあります。
 
ヤエキョウチクトウ(八重夾竹桃,キョウチクトウ属)
 インド,イラン原産の常緑低木キョウチクトウの変種で,庭園や公園に植栽。花は紅
 色の八重咲き。開花期は夏。主な園芸品種には,花が黄色重弁で径4~5㎝のソレン
 ト,淡紅色大輪のミセス・スワンソン,鮭肉橙色中輪で矮性のミセス・ロデイング,黄
 色のダブル・イエローなどがあります。
 
セイヨウキョウチクトウ(西洋夾竹桃,キョウチクトウ属)
 地中海沿岸地方原産の常緑小高木で,南欧では公園や庭園,生垣に植栽。有毒のため
 イタリアでは驢馬殺しと云い,また花を不幸のときに用います。1596年に北欧に紹介,
 明治初年に渡来。高さ2~6m,花色は紅,淡紅,濃紅,紫,白色など,また八重咲き
 もあります。花期は7~9月。変種に淡紅色の四季咲き,斑入り葉のものなどがあり
 ます。
 
トガリバインドソケイ(尖葉印度素馨,インドソケイ属)
 熱帯アメリカ,メキシコ原産の落葉小高木で,新宿御苑温室に栽植。ハワイ,ビルマ,
 インド,セイロンなどでは寺院の境内や墓地に植えたり,装飾に用います。高さ3~
 10m,花径3~6㎝,白色で中心が帯黄色,強い芳香性。
 
ベニハナインドソケイ(紅花印度素馨,インドソケイ属)
 メキシコ,ギアナ,エクアドルなどの熱帯アメリカと西インド諸島原産の落葉低木,
 わが国では温室鉢物栽培。高さ5m位,花は桃色から赤色で中心は黄色,芳香性。
 
インドジャボク(印度蛇木,インドジャボク属)
 インド,ビルマ,タイ,マレー,ジャワ原産の常緑低木で,医療品(成分のレセルピ
 ンが血圧降下剤)のほか観葉植物として鉢植えで温室栽培。高さ1m位,花は小筒花で
 外面淡紅色,内面白色,花喉部でやや横向きに咲きます。周年開花。液果は黒熟。
 
フイリテイカカズラ(テイカカズラ属)
 原種テイカカズラの園芸品種(蔓性常緑低木),庭木,また矮性種を観葉植物として
 吊鉢植え。葉は厚い革質で光沢があり,花は有梗で白地から黄色に変わり,葉腋又は
 梢の集散花序に開き,芳香性。花期は5~6月。
 
リトル・リンダ(ビンカ)(ビンカ(ツルニチニチソウ)属)
 ニチニチソウはマダガスカル,ブラジル,ジャワなどの原産の常緑半低木状多年草で,
 1781年に渡来。花壇,鉢植え,切花用(一年草扱い)。高さ20~60㎝,花径3~3.5
 ㎝,花色は多い。花期は7~9月。本リトルシリーズは高さ20㎝位の矮性種で多花性,
 濃赤紫色花の本種のほか,淡赤紫色のピンキー,桃色のデリカータ,純白色のブラン
 シェ,白色に赤目のブライトアイ,鮭桃色のサーモンがあります。
 
〈ががいも科〉
 
ヤナギトウワタ(柳唐綿,トウワタ属)
 北米原産の多年草で,大正末年に渡来。高さ50~100㎝,花色は黄橙色。花期は6~9
 月。同属で同原産のオオトウワタは明治中頃渡来し,茎葉を傷つけると白汁で出るの
 でミルクウィードと呼ばれ,花は暗紫色,果実は生花材料。熱帯アメリカ産のトウワ
 タは1842年渡来,共に切花や鉢物にされます。
 
ハートカズラ(ラブチェーンとも,ケロペギア属)
 南アフリカ・ナタール原産の多年生蔓性植物で,吊鉢に多用。葉は1~2㎝の心臓形,
 花は基部が膨らんだ赤紫色の細長い筒状で,5裂した花弁の先が頂部で合わさってラ
 ンプ形になります。
 
フウセントウワタ(風船唐綿,フウセンダマノキとも,フウセントウワタ属)
 アフリカ南部原産の常緑低木で,鉢物,切花用に栽培(一年草扱い)してさく果を観
 賞。高さ2~3m,花は乳白色,葯は淡紅色,花期は8~9月。さく果は径5~10㎝で
 風船状,熟すと爆ハぜて白い毛と黒褐色の種子を出します。
 
フイリサクララン(斑入桜蘭,ホヤ(サクララン)属)
 九州南部,中国,オーストラリア原産の多年生蔓性草本。蔓の長さ2~3m,花径1.5
 ㎝,花冠は放射状で5深裂,花は白色で中心部は帯淡紅色,花序は半球状,芳香性。
 主に5月に開花。
 
マダガスカルジャスミン(シタキソウ(ステファノティス)属)
 マダガスカル原産の蔓性常緑小高木で,明治中期に渡来。鉢植えにして行燈アンドン作
 り,花はコサージュやブーケに用います。高さ5m程,花は純白で香りが強い。花期は
 7~9月。同属にわが国に自生のシタキソウがあります。

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