18-2b つつじ目(つつじ科)・さくらそう目(やぶこうじ科・さくらそう科)・いそまつ
目(いそまつ科)・かきのき目(かきのき科・えごのき科)植物
サクラソウ(桜草,サクラソウ属)
北海道から九州の原野の湿地に生え,朝鮮半島,中国東北部,シベリアに分布する多
年草。江戸時代に栽培が始まり,特に文政から天保年間は園芸品種の作出が最高にな
りました。当時荒川流域の浮間ケ原や戸田ケ原などに大群落があり,江戸のサクラソ
ウはこれらを改良したものです。高さ15〜40p。花期は4〜5月。品種は花色・大き
さ・花形によって分類されます。大きさは径5.5p以上を極大輪,3.5〜5.5pを大輪,
2.5〜3.5pを中輪,2.5p以下を小輪とします。花弁には切弁,撫子弁,縢カガリ弁,桜
弁,細弁,重弁など,咲き方に平咲き,掴ツカミ咲き,狂咲き,玉咲き,抱カカエ咲き,梅
花咲などがあります。
マツノユキ(サクラソウ)(松の雪,サクラソウ属)
東アジア原産の多年草サクラソウの園芸品種の一つで,江戸中期より観賞用として主
に鉢植え栽培。高さ20p位,葉面には皺があり,花径25o,白地に緑色絞りの縢カガリ
弁の花を受咲きに,花茎に多数付けます。花期は4月頃。
コマドメ(サクラソウ)(駒止,サクラソウ属)
東アジア原産の多年草サクラソウの園芸品種の一つで,江戸時代に馬上からその姿を
魅せられて,思わず馬を止めたことから名付けられたと云います。鉢植え。花は中輪,
重弁平咲きで表が薄桜色の底白,裏が薄桃色。
ムラサキカガリ(サクラソウ)(紫鑼,サクラソウ属)
東アジア原産の多年草サクラソウの園芸品種の一つで,天保年間より作られ,鉢植え。
花は紫色の縢カガリ咲きで大輪,表は紫地に白筋入り,裏は紫で元モト白ぼかし,筒は濃
紫色。
ヒノハカマ(サクラソウ)(緋の袴,サクラソウ属)
東アジア原産の多年草サクラソウの園芸品種の一つで,天保年間より伝わる古花,鉢
植え。高さ20p位,花径20o位,花色は本紅色で目白,細縢カガリ弁で浅抱え横向き咲
きです。4倍体品種に緋の重があります。花期は4月。
カザグルマ(サクラソウ)(風車,サクラソウ属)
東アジア原産の多年草サクラソウの園芸品種の一つで,鉢植え。花径4p位の大輪,
花形は細桜弁の平・受け咲きで,花色は青紫色に表に紫色の筋が入ります。開花は春。
トサノウミ(サクラソウ)(土佐の海,サクラソウ属)
東アジア原産の多年草サクラソウの園芸品種の一つで,鉢植え。花形は元細形で星形
の掴ツカミ咲き,花色は裏がトキ色地に紅絞り,表が白色,花茎は短い。開花は春。
オオスマ(サクラソウ)(大須磨,サクラソウ属)
東アジア原産の多年草サクラソウの園芸品種の一つで,鉢植え。高さ20p位,花径3
p位,花色は淡紅色地に紅絞り,桜形浅抱え弁で横向き咲きです。開花は4月。
ヒトコブシ(サクラソウ)(一拳,サクラソウ属)
東アジア原産の多年草サクラソウの園芸品種の一つで,鉢植え。高さ20p位,花径35
o位の大輪,花色は白裏紅,浅縢カガリ弁で重ね抱え横向き咲きです。開花は4月。
ウチュウ(サクラソウ)(宇宙,サクラソウ属)
東アジア原産の多年草サクラソウの園芸品種の一つで,鉢植え。高さ20p位,花色は
表が白色,裏が薄色,抱え咲きの大輪の花をよく咲かせます。 開花は4月頃。
ウベニキリン(サクラソウ)(紅麒麟,サクラソウ属)
東アジア原産の多年草サクラソウの園芸品種の一つで,鉢植え。高さ20p位,花径4
pの大輪,花色は明るい濃紅色で中心は白,広縢カガリ弁で浅抱え,横向き咲きです。
ナデシコのような花形で,紅色が濃く目立って美しい。花期は春。
エキロノスズ(サクラソウ)(駅路の鈴,サクラソウ属)
東アジア原産の多年草サクラソウの園芸品種の一つ,寛政から文化年間に作られた品
種で,サクラソウの代表的な品種。鉢植え。花径23o,梅形弁の受け咲きで,花色は
桃色,底白爪白。よく揃って咲きます。
メジロダイ(サクラソウ)(目白台,サクラソウ属)
東アジア原産の多年草サクラソウの園芸品種の一つ,昭和初期に戸田保康氏の作出,
鉢植え。花径4p位,花は裏が桃ぼかし,表が白色,浅縢カガリ重ね弁の平咲きで横向
き咲きです。弁質は厚い。開花は春。
セイオウボ(サクラソウ)(西王母,サクラソウ属)
東アジア原産の多年草サクラソウの園芸品種の一つ,鉢植え。花径6p,花形は浅縢
カガリ広形,半開き弁で垂れ咲き,花色は裏が紅色,表が曙白色です。花期は春。
タゴノウラ(サクラソウ)(田子の浦,サクラソウ属)
東アジア原産の多年草サクラソウの園芸品種の一つで,鉢植え。高さ15〜20p,花径
4.3pの大輪,花色は雪白色の元細形掴ツカミ弁の花を花茎の先に数輪垂れ咲きに開花し
ます。
シュチュウギョク(サクラソウ)(酒中玉,サクラソウ属)
東アジア原産の多年草サクラソウの園芸品種の一つで,大正時代より主に鉢植え栽培。
高さ15〜20p,花径4.7pの大輪,花色は表が白,裏は桃色のぼかし,深縢カガリ形抱え
弁の花を茎頂から多数垂れ咲きに開きます。開花は4月頃。
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