16a てんにんか目(じんちょうげ科・ぐみ科・みそはぎ科・ざくろ科・しくんし科・ふとも
も科・のぼたん科・あかばな科)植物
〈ふともも科〉
カリステモン(花槙ハナマキ,金宝樹キンポウジュとも,ブラシノキ(カリステモン)属)
オーストラリア原産の常緑低木で,明治中期に渡来。庭木,鉢植え,切花用。高さ3
m,花は5弁で真っ直ぐ伸びた糸状で,赤色の雄蘂が多数群がって5~10㎝の穂状花序
に付きます。花期は6月。シロバナブラシノキ(淡黄色,白色花)などもあります。
ユーカリノキ(ユーカリノキ属)
タスマニア,ビクトリア原産の常緑高木で,明治10年頃渡来。用材,薬用,庭木とし
て栽培。花径は約4㎝,花は緑白色,萼片は合体して帽子状となり,花弁と共に早く
落ちます。この属はオーストラリア及びマレーシアに約500種知られています。マルバ
ユーカリは葉が帯青白色で生花用。
フトモモ(蒲桃,フトモモ(ユーゲニア)属)
熱帯アジア原産の常緑小高木,熱帯及び亜熱帯の庭園に植え,また観賞用。高さ10位,
花は白色又は帯緑白色の総状花序を付け,果実は黄白色の卵形でやや硬く,汁が少な
く味も淡白で生食又はプレザーブとして利用されます。
レンブ(蓮霧レンブ,大太桃オオフトモモとも,フトモモ(ユーゲニア)属)
マレー半島・アンダマン群島原産の常緑高木。春に白色花を集散花序に咲かせ,果実は
扁円錐形で白又は鮮紅色です。
フェイジョア(アナナスガヤバとも,フェイジョア属)
ウルグアイ,パラグアイ,ブラジル南部原産の亜熱帯果樹で,昭和初期に渡来。花葉
は観賞用,果実は生食及びジャム,ゼリーの材料。開花は5月。自家結実性と不結実
性の品種があります。
ギョリュウバイ(レプトスペルマム,ネズモドキとも,ネズモドキ(レプトスペルマム
)属)
オーストラリア,ニュージーランド原産の半耐寒性常緑低木,観賞用に温室で鉢栽培。
鉢物では20~40㎝,花は桃色八重咲きの小花で,多数咲きます。開花期5~6月。変
種に一重で鮮紅色花のチャプマニー,一重で深紅色花のニコルシーがあります。
メトロシデロス・トメントーサ(メトロシデロス属)
ニュージーランド原産の半耐寒性常緑小高木で,昭和52年頃から普及。鉢植え花木,
観葉植物として冬期温室栽培。約30㎝,花は大きく小円形の五弁花で,花色は赤色,
頂生の集散花序に20~30花着生,開花が進むと長さ3~4㎝の緋赤の多数の雄蘂に被
われて花弁は見えなくなります。開花は春。
ギンバイカ(銀香花ギンコウバイ,祝の木イワイノキとも,ギンバイカ属)
地中海沿岸地方原産の半耐寒性常緑低木で,明治末に渡来。暖地の庭木,鉢植え,切
花用,また結婚式の花輪用。高さ3~5m,花径2㎝位で白色(5弁),花は上向きに
咲き,雄蘂は多数。花期は5月~秋。葉と花,果実に芳香があります。斑入り葉種
var.variegata,小葉種var.microphylla hort.があります。
バンジロウ(グアともバ,バンジロウ属)
熱帯アメリカ原産で常緑小高木,果実は生食,加工用。樹高5~9m,花は白色,果実
は球形又は卵形。開花は春。近似種にブラジルバンジロウ,コスタリカバンジロウ,
テリハバンジロウなどがあります。
テンニンカ(天人花,ローズ・アップルとも,テンニンカ属)
東南アジア原産の常緑低木,鉢植えで花を観賞,果実は多汁で生食,ジュースやパイ
の原料,実,花,根は民間薬。花は淡紅色から白色,果実は1.5㎝位の暗紫色。開花は
6月。
〈のぼたん科〉
メディニラ・マグニフィカ(メディニラ属)
フィリピン原産の常緑低木で,昭和38年頃渡来。温室内で鉢植えか地植えし花と葉を
観賞。高さ1.5~2m,花房の長さ30~40㎝,花は枝先に付き,花色はサンゴ赤色で多
数,大きな房状に下垂。花期は夏。
シコンノボタン(紫紺野牡丹,ノボタンとも,シコンノボタン属)
南米原産の常緑低木で,19世紀初めに渡来したと思われます。温室で鉢植え栽培。高
さ1~3m,花は鮮やかな大輪で艶があります。花期は夏~晩秋。近似種にハシカンボ
ク,ヒメノボタンなどがあります。
〈あかばな科〉
スカーレット・エース(フクシア)(ツリウキソウ,タイリンフクシアとも,フクシア属)
中南米原産の落葉低木~小高木(園芸交配品種)で,明治初年に渡来。鉢植え栽培。
花は紫,赤,白など美しい。花期は3~11月の暖かい長日の期間。
スウィング・タイム(フクシア)(フクシア属)
中南米原産の落葉低木~小高木(園芸交配品種),鉢植え栽培。花は八重咲きの小輪,
赤い花弁に白い萼の花を夏~秋に咲かせます。近似種にヒノハカマフクシア,ショウ
ジョウフクシアがあります。
ハクチョウソウ(白鳥草,ヤマモモソウとも,ガウラ(ヤマモモソウ)属)
米国テキサス州,ルイジアナ州原産の半低木状多年草で,明治中期に渡来。高さ50~
120㎝,花は純白色又は赤味を帯びた小花。花期は7月から秋。
ミスナガサキ(ゴデチア)(ミス長崎,ゴデチア属)
北米西岸地方一帯に自生するイロマツヨイと,タイリンゴデチアの交配から得られた
園芸品種の一つで一年草,昭和48年わが国で登録。切花,花壇用。高性で花は頂天咲
き,花色は鮮やかなサーモンピンク。開花期は晩春。
トール・ダブル・ミクスチュア(ゴデチア)(ゴデチア属)
北米原産の一年草を品種改良して出来た品種,切花用。草丈は高性,花は穂状に着生
し八重咲き,花色はパステル調のピンク。花期は春咲き。
エノテーラ・ミゾリエンシス(ツキミソウ)(マツヨイグサ属)
ツキミソウは北米原産の多年草で,園芸的に栽培され,野生には見られません。ロッ
クガーデン用。本種は高さ20~30㎝(矮性園芸種),花径10㎝位の淡黄色大輪花,昼
咲き。花期は6月。
モモハナツキミソウ(桃花月見草,マツヨイグサ属)
北米原産のツキミソウの変種(耐寒性多年草)で,園芸的に鉢植え栽培されます。草
丈20㎝内外,花径3~4㎝の小花,花色は桃色,中心に白い十字様の雌蘂を付け昼咲
き性。花期は初夏。
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