16 てんにんか目(じんちょうげ科・ぐみ科・みそはぎ科・ざくろ科・しくんし科・ふとも
も科・のぼたん科・あかばな科)植物
参考:北隆館発行「原色園芸植物大圖鑑」
〈てんにんか目(じんちょうげ科)〉
ダフネ・クネオルム(ジンチョウゲ属)
欧州南部の山地原産の常緑小低木で,昭和初期に渡来。庭木,鉢植え,ロックガーデ
ン用。高さ30㎝位,花は濃いバラ色,無弁花で萼が花弁状になり,芳香性。花期は4
~5月。
サマー・セット(ジンチョウゲ)(ジンチョウゲ属)
D.caucasicaとD.cneorumの園芸交配種で常緑又は半常緑の低木。主に庭木,また鉢植
え用。高さ150㎝,花は紫桃色で枝先の周囲に小さな花房を多数付け,芳香性。花期は
5月。
ジンチョウゲ(沈丁花,チョウジグサ,リンチョウ,ハナゴショウ,ジンチョウゲ属)
中国原産の常緑低木で,室町時代に渡来。庭木,公園樹,鉢植え,生花用。高さ1m内
外,花は無弁花で,萼が花弁状となり,外側が赤紫色,内側は白色,芳香性。花期は
2~3月。雌雄異株。
シロバナジンチョウゲ(白花沈丁花,ジンチョウゲ属)
アジア,小アジア,欧州原産で,室町時代に渡来したジンチョウゲの白花園芸品種(
常緑低木)。生垣,庭園,鉢植え,生け花用。高さ1.5m位,花は芳香よく咲きます。
花期は3~4月。ほかに葉辺に黄白色斑入りのフクリンジンチョウゲがあります。
ピメレア(ピメレア属)
オーストラリア西部原産の常緑低木で,昭和46年に渡来。鉢植え用。高さ50㎝内外,
淡桃色の小花を多数頭状花に付け,花弁は光沢があります。花期は春。
〈ぐみ科〉
ナツグミ(夏茱ナツグミ,グミ属)
わが国の暖帯から温帯に自生する落葉低木,庭木用,果実を食用。花は腋生,淡黄色
で長い花柄があります。花期は春~夏。同属のナワシログミは葉や樹皮を薬用にしま
す。
トウグミ(唐茱トウグミ,グミ属)
本州特産で,ナツグミの変種(落葉低木),庭木用,果実は食用。樹高2~4m,花期
は4~5月,6~7月に銀白色の,斑点のある紅熟した果実(10g程度)が実ります。
果実の大きいもの(2㎝前後)は特にビックリグミと呼ばれます。
ヒッポファエ・ラムノイデス(ヒッポファエ属)
欧州からアジアまで広く分布する落葉低木で,近年渡来。生垣用。4月に小花を付け,
8~9月に径1㎝位の果実が黄橙色に熟れます。雌雄異株。
〈みそはぎ科〉
ベニチョウジ(紅丁字,クフェア(タバコソウ)属)
メキシコ原産の常緑低木で,明治13年に渡来。主に鉢植えのほか,花壇用。無弁花で,
萼片が花弁状になり細長い筒状(長さ3㎝)の橙紅色,口部は白く,黒色の輪があり
ます。花期は夏~秋。
サルスベリ(百日紅サルスベリ,サルスベリ属)
中国南部原産の半耐寒性落葉小高木で,18世紀以前に渡来。庭木として栽植。幹の表
面は赤褐色で平滑,紅色の花を円錐花序に咲かせます。開花期は7~10月。変種で天
然白色花のシロバナサルスベリがあります。
〈ざくろ科〉
ザクロ(石榴,ザクロ属)
小アジア,南欧原産の落葉高木,わが国では主に花木として庭園に植栽。6月に橙赤
色の花を咲かせ,果実は生食のほか,清涼飲料,シロップなどに加工。
〈しくんし科〉
シクンシ(使君子,四君子,カラクチナシとも,シクンシ属)
インド,ジャワ原産の常緑低木(インドクンシの変種)で,享保年間に渡来。暖地で
は庭木,温室内で鉢栽培。茎は蔓状,花は朝開いたときは白色,夕方には淡紅色にな
り,萼筒は長く花柄のように見えます。花期は夏。
モモタマナ(コバテイシとも,モモタマナ属)
アジアの熱帯原産(沖縄,小笠原の海岸地方に自生)の半落葉高木で,果実は食べら
れます。葉腋から穂状花序を出し白色の花を付け,果実は3~6㎝の楕円形で珍味と
して食します。
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