15a さぼてん目(さぼてん科)植物
 
ゲッカビジン(サボテン)(月下美人,エピフィルム(クジャクサボテン)属)
 クジャクサボテン類の一種。原産地は不明,中南米で野生化,又は栽培されている多
 年草,大正末期に渡来したと云われます。温室内で鉢植え栽培。花は長さ30㎝,花色
 は白で下方の鱗片状弁は紅褐色を帯び,夜8時から4時間開花し,芳香性。花期は6
 ~7月。
 
オイラク(サボテン)(老楽,エスポストア属)
 柱サボテンの一種。ペルー北部原産の多肉植物で,大正6年頃渡来。鉢植えで観賞。
 円柱状の幹の高さは4m位,開花期には側面に白色毛を多く出して花座を作り,花は5
 ㎝位の棍棒状で,夜咲き性の花を付けます。
 
シャチガシラ(サボテン)(鯱頭,フェロカクタス属)
 北米球形サボテン類赤刺系のフェロカクタス属の代表種。米国中南部~メキシコ原産
 で長大な紅赤色の刺を持つ多年草で,大正6年頃渡来。鉢植えにして赤い刺と花を観
 賞。単幹でときに群生,花は黄~オレンジ色。花期は夏。
 
ヒボタン(サボテン)(緋牡丹,ギムノカリキウム属)
 南米球形サボテン類中の斑入りサボテンの一種。昭和34年渡辺栄次氏がアルゼンチン,
 ウルグアイ原産の牡丹玉ボタンギョクを原種として作出発表しました。鉢植えされ緑色の
 台木に紅色の継ぎ穂が美しい。近似種にヒボタンニシキがあります。
 
シンテンチ(サボテン)(新天地,ギムノカリキウム属)
 南米球形サボテン類ギムノカリキウム属の一種。中形の球形サボテンでアルゼンチン
 北部原産の多年草,大正6年頃渡来。鉢植え。単頭の扁球形,径30㎝,花は白色又は
 淡いバラ色。花期は春から夏。同属の純緋玉ジュンヒギョクは濃桃赤色の花を開きます。
 
サンカクチュウ(サボテン)(三角柱,ヒロケレウス属)
 葉状柱サボテンの一種。グアテマラの森林地帯原産の常緑多年草で,大正6年頃渡来。
 茎は3稜(三角柱状),温室に地植えして花を観賞。花径30㎝,内弁は白色,外弁は
 黄緑色を帯び,8月の夜に数十花を一斉に開花します。
 
コウザン(サボテン)(光山,晃山,レウクテンベルギア属)
 メキシコ中・北部の草原地帯原産の北米球形サボテンの一種。三角錐状の長大疣を多数
 出し,花径9㎝位,花色が輝黄色の漏斗状花を7~9月頃頂生。
 
セイギョク(サボテン)(青玉,ロビビア属)
 南米玉サボテンの一種。ロビビア属は美麗な花サボテン類の代表で,本種はペルー南
 部,ボリビア北部の冷涼な高原地方に原産し,大正6年頃渡来。接木用,また鉢植え
 で花を観賞。幹は球形でよく子吹き。花は橙紅色で中心部は明るい。同属の洋艶丸ヨウ
 エンマルは花が赤黄色。
 
オレンジ・グローリー(サボテン)(ロビビオプシス属)
 ロビビオプシス属は南米球形サボテン類のLobivia系交配品種群。原種の原生地はアル
 ゼンチン,ボリビア,ペルーの冷涼な高原地帯で,明治33年に渡来。鉢植え又は露地
 植えして花と形態を観賞。茎が扁球径ないし球形,花は側生し,花は大形で鮮明,漏
 斗状の橙色で美しい。
 
ウバタマ(サボテン)(烏羽玉,ロフォフォラ属)
 北米球形サボテン類ロフォフォラ属の一種。メキシコ中部高原からテキサス南部にか
 けて分布する特異な玉サボテンで,明治45年頃渡来。鉢植え用。基幹は単幹で扁球形,
 花は淡桃色で春~夏に開花。子吹きの群生するものをコブキウバタマと呼びます。
 
タマオキナ(サボテン)(玉翁,マミラリア属)
 メキシコ原産の多年草で,昭和9年頃渡来。鉢植えで形態を観賞。通常単幹,花径2
 ㎝,花色が紫紅色の花を冬から春に開きます。同属の風流丸フウリュウマルの花はピンク色で
 濃色の中筋があり,春咲き。
 
ゲッキュウデン(サボテン)(月宮殿,マミロプシス属)
 メキシコ高地原産の多年草で,大正6年頃渡来。鉢植えで形態と花を観賞。球体で子
 吹きして群生株となり,花色が橙赤色~赤色の花を春に開きます。
 
ソウウン(サボテン)(層雲,メロカクタス属)
 コロンビア原産,鉢植え用。幹は小形の半球状,花は長さ約2.5㎝,径1㎝で淡紅色。
 
リュウジンボク(サボテン)(竜神木,ミルチロカクタス属)
 北柱サボテン類の一種。メキシコ・サンルイスポトシ~オアハカ州原産で,大正6年頃
 渡来。鉢植えか地植えして柱形を観賞,また接木用台木。幹は多数の枝を出して樹木
 状,花は小さく緑がかった白色,漿果は食用。
 
セイオウマル(サボテン)(青王丸,ノトカクタス属)
 南米球形サボテン類ノトカクタス属の一種。ブラジル南部,ウルグアイ,アルゼンチ
 ン原産の多年草で,明治末期に渡来。鉢植えで花と形態を観賞。幹は球形,光沢のあ
 る黄色花を春に開きます。同属の紅冠丸コウガンマルの花は外側がピンク,中央に向かって
 薄く底部が黄色,河内丸カワチマルは大形の黄色花。
 
テイカン(サボテン)(帝冠,オブレゴニア属)
 メキシコ北東部の高山地帯原産の多肉植物で,北米球形サボテンの一種。鉢植えにし
 て観賞。普通単幹,花径5㎝位,花色は白色ないし帯桃白色,花期は春~夏。
 
キンエボシ(サボテン)(金烏帽子,オプンチア属)
 メキシコ中央高原地方原産の立木性小形オプンチアで,コノハサボテン類の一つ,大
 正6年頃渡来。温室内で鉢植え栽培。高さ約60㎝の群生,花は黄色小輪で,滅多に開
 花しません。園芸変種には白色刺の白桃扇ハクトウセンがあります。
 
タンシウチワ(サボテン)(単刺団扇,オプンチア属)
 オプンチア属は分布域も広く270種近い種があり,本種はブラジルからアルゼンチン原
 産で,大正6年頃渡来。温室内鉢植え。樹木状で高さ6m位,花径9㎝位,輪状の黄色
 花を開きます。近似種に支持茎が円柱状のハウチワがあります。
 
キンシュウギョク(サボテン)(錦繍玉,パロディア属)
 アルゼンチン北部の高地原産の多年草で,昭和12年頃渡来。鉢植えで形態と刺と花を
 観賞。幹は球形,花径3㎝,黄金色の美しい小花,花期は春。多花性。同属の銀粧玉
 ギンショウギョクの花は赤色。
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