11a ふうろそう目(りむなんてす科・かたばみ科・ふうろそう科・のうぜんはれん科・あ
ま科・みかん科・ひめはぎ科・とうだいぐさ科)植物
〈のうぜんはれん科〉
ホワリー・バード(ナスタチウム)(キンレンカ属)
ペルー,コロンビア,ブラジルを原産とする一年草で,園芸名ナスタチウムで呼ばれ
るキンレンカの園芸品種。花壇,鉢植え用。草丈は矮性で15〜20p,花期は夏から秋,
花径4.5p,花弁数5〜8枚の半八重咲き,花色が赤,橙,白色など,葉の上に出て上
向きに咲きます。
〈あま科〉
ベニバナアマ(紅花亜麻,アマ属)
北アフリカ原産の耐寒性一年草で,明治20年に渡来。観賞用として花壇,切花用。草
丈30〜60p,花期は夏から秋,花径3〜4p,赤色又は洋桃色を茎頂に開きます。近
似種に欧州原産の,青色又は白色花のシュッコンアマがあります。
キバナアマ(黄花亜麻,キアマとも,キバナアマ属)
インドの高山原産の多年草で,明治初年に渡来。鉢植え用。高さ60p位,花期は晩秋
から早春,花径4p位の純黄色の五弁花を小枝に単生又は数花束生します。
〈みかん科〉
ボロニア・ヘテロフィルラ(ボロニア属)
オーストラリア西部原産の常緑低木で,昭和47年頃に渡来。鉢植え用。鉢植えでは高
さ20p内外で着花,濃紅色で釣鐘状の可憐な小輪花を小枝に付けます。
ブンタン(文旦,ザボンとも,ミカン属)
インド東部,中国南部,台湾原産の常緑高木で,1845年に渡来。花期は初夏,花は総
状花序をなし,白色。ミカン属では最も大果で,2sに達します。わが国の品種に安
政柑,晩生柑などがあります。
ポンカン(ミカン属)
インド北部で,明治29年に渡来。樹高4〜5m,花期は春,花は白色。果実は濃橙の
200〜250g,生食。
イヨカン(伊予柑,アナドカンとも,ミカン属)
山口県原産で愛媛県に広まりました。花期は春,花は白色。果実は赤橙色で美しく250
g程度,生食し風味よい。
カボス(ミカン属)
大分県の特産で常緑低木。花期は春,果実は100〜120g,食酢用。大果系や赤橙のアカ
カボスもあります。
ダイダイ(橙,代々,ミカン属)
インド原産の常緑小高木で,1900年位前に渡来。花期は初夏,葉腋に1〜数個の白花,
果実は黄色で150g程,マーマレードや 香油,調味料の原料。
キシュウミカン(紀州蜜柑,ミカン属)
中国揚子江の上流地域原産の常緑低木で,鎌倉から室町時代に渡来。生食用。花は白
色小花。変種にヒラキシュウ,ムカクキシュウがあります。
ハッサク(八朔,ミカン属)
広島県原産。自家不結性のためナツミカンなどと混植する必要があります。花期は春,
花は白色。農間紅ハッサクは,アルベドガピンクの変種です。
ユズ(柚子,ミカン属)
中国,わが国原産の常緑小低木で,果皮,果汁とも調味料,またマーマレードの原料。
花期は春,果実は130g程,果皮・果肉に独特の芳香があります。近似種にハナユズがあ
ります。
レモン(ミカン属)
インド西部とヒマラヤ原産。生食のほか油,ペクチン,クエン酸の製造などに用いま
す。わが国では5〜6月に開花し,11〜12月に採ります。品種にリスボン・レモン,ビ
ラフランカ・レモンがあります。
ブシュカン(仏手柑,ミカン属)
インド・ヒマラヤ地方原産の熱帯性カンキツ(常緑低木)で,17世紀以前に渡来。盆栽
用。花期は初夏,花は総状花序に着生。果実にはレモン様の芳香があり酸味が強い。
近似種にバショウシトロンがあります。
グレープフルーツ(ミカン属)
西インド・バルバトス島で18世紀に生じた新品種(常緑高木)で,大正4年に渡来。樹
高は5m,花期は5〜6月,花は総状花序に単生,果実は10〜15pの球形で黄色又は橙
黄色。
ネーブル・オレンジ(ミカン属)
ブラジルで枝変わりとして発生した種で,明治22年に渡来。生食用。初夏に乳白色の
花を付けます。果実は濃橙色。近似種にバレンシアオレンジがあり芳香性大。
スダチ(酢橘,ミカン属)
徳島県原産の常緑低木で,酸汁を調味料とします。花は春に咲き,果実は35g,香気が
あります。近似種に北九州に分布するキズがあります。
ウンシュウミカン(温州蜜柑,ミカン属)
鹿児島県原産。花期は5〜6月,花は1腋芽から数個群生。
アマナツ(甘夏,アマナツミカンとも,ミカン属)
大分県の果樹園で発見され,昭和25年に登録された常緑高木で,生食,缶詰,果汁原
料,またクエン酸,ペクチンなどを製します。花期は5月。近似種に山路夏橙,田島
夏橙があります。
タンカン(桶柑,ミカン属)
中国広東省でポンカンとオレンジの自然交雑で生じた種,明治後期に渡来。生食。花
期は春,果実は150g,柔軟多汁で甘味に富み風味よい。変種もあります。
サンポウカン(三宝柑,蓬莱柑ホウライカンとも,ミカン属)
和歌山県原産の常緑高木で,生食用。春に開花,果実は風味はよいがやや淡白。
エリオステモン・ミオポロイデス(エリオステモン属)
オーストラリア原産で,昭和46年にニュージーランドより渡来。花木として鉢植え,
切花用。花期は春,花径1.5p位,白色の五弁花を小枝葉腋に3〜5花開きます。
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