11b ふうろそう目(りむなんてす科・かたばみ科・ふうろそう科・のうぜんはれん科・あ
  ま科・みかん科・ひめはぎ科・とうだいぐさ科)植物
 
キンカン(金柑,メイワキンカンとも,キンカン属)
 中国浙江省原産の常緑低木で,18世紀に渡来。生食,また加工用。花期は7月,また
 9〜10月にも開花,花は白色小花,果実は球形か短卵形で黄金色,甘味が強い。他に
 丸金柑,長実金柑(観賞樹)などがあります。
 
カラタチ(枸橘,枳殻キコク,カラタチ属)
 中国原産の落葉低木で,およそ1000年前に渡来。主に生垣,またカンキツ類の台木用。
 高さ2〜3m,枝に鋭い棘を互生,花期は4月,白色五弁花を小枝の棘の基部に単生し
 ます。園芸変種のヒリュウは小葉で枝が捻れ,盆栽用。
 
ヘンルーダ(芸香ウンコウとも,ヘンルーダ属)
 地中海沿岸原産の多年草で,明治初期に渡来。薬用,香料用。草丈30〜50p,花期は
 6〜7月,茎頂に黄色花を集散花序に付けます。別名芸香ウンコウは,本来江戸時代にオ
 ランダより渡来した近似種コヘンルーダを指します。
 
サンショウ(山椒,ハジカミとも,サンショウ属)
 わが国原産の落葉低木で,若葉を食用,果実を香辛料,薬用。高さ3m位,花期は5月
 上旬,葉腋より複総状花序を出し緑黄色花を付け,果実はさく果。雌雄異株。変種に
 棘のないアサクラサンショウ,短い棘のある中間種ヤマアサクラサンショウがありま
 す。
 
〈ひめはぎ科〉
 
ポリガラ(ヒメハギ属)
 南アフリカ原産の半耐寒性の常緑低木で,昭和50年頃ニュージーランドから渡来。観
 賞用に温室で鉢栽培。高さ1.5m,開花は春から晩春,花は明るい紫桃色の5弁の,小
 形の蝶形花を枝の先端に数花単生します。
 
ヒロハセネガ(ヒメハギ属)
 北米中北部,カナダ原産のセネガの変種(多年草)で,薬用植物。高さ20〜30p,開
 花は6月,白又は淡紅色の小形の蝶形花を穂状花序に付けます。根は咳止め,去痰薬
 として利用。
 
〈とうだいぐさ科〉
 
ベニヒモノキ(紅紐木,長穂編笠木ナガボアミガサノキとも,エノキグサ属)
 インド原産の熱帯性常緑低木で,明治末期に渡来。花木として温室内で鉢植え栽培。
 原生地では高さ2〜5m,開花は6〜9月,花は赤色又は紫色で,ヒメゲイトウに似た
 密な腋生の,長さ50pの穂状花序を垂れ,紅の紐状。白色種もあります。
 
ヨウシュコバンノキ(ブレイニアとも,タカサゴコバンノキ(ブレイニア)属)
 南洋諸島,西インド,フロリダ原産のB.nivosaの変種(常緑低木)で,葉に鮮桃色,
 赤色及び白色の斑入り。温室内に鉢植えや地植えにされる観葉植物。高さ1〜1.2m,
 花は小さく緑白色。雌雄異株。
 
ハーベスト・ムーン(クロトンノキ)(クロトンノキ属)
 スンダ列島からオーストラリア,モルッカ諸島などを原産とするクロトンノキの一園
 芸品種(常緑低木)で,昭和30年に渡来。観葉植物として鉢植え栽培。高さ50〜100
 p,葉の長さ15p位,葉面は暗緑色地に黄緑斑が葉脈に沿って入ります。他品種に黒
 緑色地に赤橙色斑が葉脈沿いに入るインディアン・ブランケットがあります。
 
アップル・リーフ(クロトンノキ)(クロトンノキ属)
 クロトンノキの一園芸品種で,原種はスンダ諸島,東インド,ジャワ,オーストラリ
 ア,南洋諸島原産の常緑低木,昭和初期に渡来。観葉植物として室内で鉢植え。高さ
 50〜150p,葉の基部から中央部にかけて黄色の斑が入り,花は小形,上部の葉腋に長
 総状花序をなして下垂します。
 
タカノハ(クロトンノキ)(クロトンノキ属)
 マレー半島及び南太平洋諸島原産で,明治時代に渡来したクロトンノキの長葉系園芸
 品種(常緑低木)。観葉植物。高さ2m位,鮮緑色地に鷹羽状(歪亀甲状)の黄色斑が
 入って美しい。開花は冬〜春,上部葉腋の長総状花序に単性花を付けます。雄花は包
 下に群生し,雌花は単生します。
 
ホソキマキ(クロトンノキ)(細黄巻,クロトンノキ属)
 マレー半島及び南太平洋諸島原産で,明治時代に渡来したクロトンノキの有角系園芸
 品種(常緑低木)。観葉植物として鉢植え栽培。高さ50〜200p,葉の先端に小さな突
 起を持ち,葉の表面に濃緑色地に黄斑があり,裏面は紫紅色のぼかしとなります。開
 花は普通冬から春,上部の葉腋に長総状花序に付けます。
 
フイリユズリハ(斑入譲葉,ユズリハ属)
 わが国原産の常緑高木でユズリハの一園芸変種,庭園樹として栽植。高さ3〜10m,開
 花は5〜6p,黄緑色小花の総状花序を枝先の葉腋に付けます。ユズリハは深緑色葉
 でお正月の飾り葉に用います。
 
ベニキリン(ユーホルビア)(紅麒麟,トウダイグサ(ユーホルビア)属)
 南アフリカ原産の多肉植物で,明治末年に渡来。観賞用として鉢植え。高さ5〜75p,
 幹は円柱状で鮮緑色,幹下部よりよく子吹きし大群出体となり,8〜9稜あり,宿存
 する花軸が紅色の棘状となります。
 
テッコウマル(ユーホルビア)(鉄甲丸,トウダイグサ(ユーホルビア)属)
 南アフリカ原産の多肉植物で,昭和初年に渡来。観賞用として鉢植え。幹は高さ10〜
 12pで,球形又は短円柱形。開花は春,黄緑色花を開きます。
 
クジャクマル(ユーホルビア)(孔雀丸,トウダイグサ(ユーホルビア)属)
 南アフリカ原産の多肉植物。観賞用として鉢植え(俗に蛸ものと呼ばれる)。亀甲状
 突起のある球形の主幹より長さ6〜7pの枝を輪状に多出し,放射状に広がります。
 開花は8月,主茎部の枝先に黄色花を付けます。近似種に金輪際コンリンザイ,九頭竜クズ
 リュウなどがあります。
 
ハナキリン(ユーホルビア)(花麒麟,トウダイグサ(ユーホルビア)属)
 マダガスカル島原産の低木状多年草で,鉢物。高さ1m,開花は冬〜春,真赤な花に見
 えるものは2枚の総包葉で,花はその内側にあります。
 
オベサ(ユーホルビア)(晃玉コウギョクとも,トウダイグサ(ユーホルビア)属)
 南アフリカ・大カルー原産の多肉植物。観賞用として鉢植え。体は普通8稜,濃緑色の
 白粉を帯びた肌に,横縞の模様があり,花は稜線上の突起1カ所に1個ずつ付きます。
 雌雄異株。
 
アオサンゴ(ユーホルビア)(青珊瑚,ミドリサンゴとも,トウダイグサ(ユーホルビア)属)
 東アフリカ(ウガンダ,コンゴ,ザンジバル)原産の多肉植物。観賞用として温室内
 で鉢植え,地植え。高さ3〜4m,幹は深緑色で直立し,枝は丸い棒状,緑色で明色の
 縦条が入ります。近似種にハクギンサンゴがあります。
[次へ進んで下さい]