09 けし目(けし科・ふうちょうそう科・あぶらな科)・さらせにあ目(もうせんごけ
  科・うつぼかずら科・さらせにあ科)植物
 
                    参考:北隆館発行「原色園芸植物大圖鑑」
 
〈けし目(けし科)〉
 
アザミゲシ(薊芥子,アザミゲシ(アルゲモネ)属)
 熱帯アメリカ原産の一年草で,江戸時代末期に渡来。花壇用。高さ60〜80pで鋭い棘
 を持ちます。花期は7月頃,花弁は6又は4枚,花色は鮮やかな黄色又はレモン色。
 
オーランティアカ(カリフォルニア・ポピー)(ハナビシソウ(エスコルチア)属)
 北米西部原産の多年草(観賞用一年草)でハナビシソウの一園芸品種,明治初年に渡
 来,花壇で栽培。高さ30〜60p,花期は5〜6月,花径5〜7.5p,橙黄色4弁花。品
 種に八重咲き矮性,花色が赤,橙黄,黄,桃,淡黄,乳白色,白色のバレリーナなど
 があります。
 
ミヤマヒナゲシ(深山雛罌粟,タカネヒナゲシとも,ケシ属)
 アルプス地方からピレネー山脈,シベリア原産の多年草(栽培上は二年草扱い)で,
 大正4年に渡来。花壇や鉢植え,ロックガーデン用。高さ10〜15p,花期は春〜夏,
 花は4弁が基本,花色は白又は黄色。
 
パパベル・コンミュタータム(ケシ属)
 コーカサス,小アジア原産の耐寒性一年草で,花壇,鉢物,切花用。草丈50p位。花
 期は4月末〜5月,ヒナゲシに似た輝いた緋赤色の,4弁花の基部に黒紫色の大きな
 斑点のある花を開きます。
 
ゲルフォルト・ジャイアント(アイスランド・ポピー)(ケシ属)
 シベリア,アジア大陸北部原産の秋蒔き一年草,アイスランド・ポピーの一園芸品種。
 花壇,切花用。草丈50p位,花期は3月下旬,4弁で花径8p位の黄,白,オレンジ
 など多彩な花を開きます。近似種に花径が10pになるシャンペン・バブルスがありま
 す。
 
オリエンタル・ポピー(鬼罌粟オニゲシ,大罌粟オオゲシとも,ケシ属)
 イラン地方原産の耐寒性多年草又は二年草で,明治初年頃に渡来。アヘン,モルヒネ
 を含まず,栽培してよいケシの一つ。庭園栽培,切花用。草丈50〜90p,花期は晩春,
 花径10〜15p,深紅色4〜5弁の豪華な花を開きます。
 
シャーレー・シングル(ヒナゲシ)(ケシ属)
 欧州南部から西アジア原産の秋蒔き一年草で,1690年頃に渡来。花壇,切花用。草丈
 40〜80p,花期は5〜7月,花径5〜6pの紅,紫紅,桃,白色の一重の花を開きま
 す。
 
シャーレー・ダブル(ヒナゲシ)(ケシ属)
 欧州南部から西アジア原産の秋蒔き一年草で,1690年頃に渡来。花壇用。草丈40〜80
 p,花期は5〜7月,花径6〜8pの紅,桃,白色の八重の花を開きます。
 
ピエロ(ヒナゲシ)(ケシ属)
 コーカサス,小アジア原産の一年草で,1690年頃に渡来したハナゲシの園芸品種。花
 壇,切花用。草丈40〜50p,花期は5〜6月,花径6〜7pの濃赤色丸弁の4弁で,
 弁底に黒色大斑のある花を開きます。
 
ロムネヤ・クールテリー(ロムネヤ属)
 カリフォルニア,メキシコ原産の常緑低木で,庭園栽植,切花用。高さ1〜1.5p,花
 期は7月頃,花径12〜15pの白色6弁花を開きます。
 
〈ふうちょうそう科〉
 
ローズ・クイーン(フウチョウソウ)(フウチョウソウ(クレオメ)属)
 熱帯アメリカ原産の一年草で,大正初期に渡来したセイヨウフウチョウソウの一園芸
 品種。花壇栽培。高さ1m位,花期は6〜9月,濃桃色の4弁花を総状に多数咲かせま
 す(夜行性で夕方に開花します)。
 
〈あぶらな科〉
 
アラビス(雪旗竿ユキハタザオとも,ハタザオ(アラビス)属)
 東欧,シベリア,ヒマラヤ原産の耐寒性多年草又は一年草で,大正初年に渡来。鉢物,
 花壇用。丈は10〜25p,花期は5〜8月,純白色の4弁花を開きます。変種に斑入り
 種,八重咲き種,矮性種などがあります。
 
オオブリエチア(紫撫菜ムラサキナズナとも,ムラサキナズナ属)
 南欧原産の常緑多年草又は一年草で,明治末期に渡来。観賞用に花壇,ロックガーデ
 ン,鉢植えに栽培。草丈10p,花期は3〜4月,花は十字形,花色は菫色,空色,白
 色,桃色,紫色など。一重咲きや八重咲き,大輪種など園芸品種が多い。
 
カイラン(芥藍菜カイランサイとも,アブラナ属)
 中国原産の一,二年草の野菜で,1776年頃渡来。カンランの仲間で茎を食用。春に淡
 黄色か白色の総状花序を付けます。
 
ノザワナ(野沢菜,アブラナ属)
 長野県野沢温泉原産の二年草カブの一種で,葉菜。晩秋〜初冬に収穫する寒地性野菜。
 丈は1m,4月に黄色の4弁花を総状に付けます。
 
タケノコハクサイ(竹子白菜,紹菜ショウサイとも,アブラナ属)
 中国原産の一,二年草の葉菜類で,昭和初期に渡来したハクサイの一種。草丈50〜60
 p。
 
パクチョイ(小白菜とも,アブラナ属)
 中国原産の一,二年草の葉菜類で,第二次大戦後に渡来。多くの変種があり,また葉
 柄の浅緑色のものを青梗菜,白いものを白梗菜と呼びます。
 
チンゲンサイ(青根菜,アブラナ属)
 中国原産の葉菜類の小白菜の一品種で,第二次大戦後に渡来。食用小白菜の葉柄が浅
 緑色のもの。わが国では早生の矮性種が栽培されています。草丈20p位。品種に葉が
 卵円形で肉厚の矮箕青菜アイチンチンツアイ,深緑色の青幇油菜チンパンユウツアイがあります。
 
コウサイタイ(紅菜苔,紫菜苔シサイタイとも,アブラナ属)
 揚子江中流原産の(二年生)葉菜類で,昭和14年に渡来,茎を食用,また観賞用。丈
 は50〜60p位,花は黄金色で12〜4月に開花。
 
コマツナ(小松菜,鴬菜,冬菜とも,アブラナ属)
 東京都葛飾小松川地方で育成された一,二年生葉菜。4月上旬に黄色の十字花を開き
 ます。
 
ハクサイ(白菜,アブラナ属)
 中国北部・東北部原産の越年性一年草の野菜で,明治8年に渡来。葉長30〜50p,4〜
 5月に淡黄色の総状花序の花を開きます。
 
チリメンハナナ(縮緬花菜,ナバナとも,アブラナ属)
 チリメン白菜から分離されたものと云われますが,詳細不明。切花のほか花蕾をつま
 菜として食用とします。黒川ちりめん花菜は中生咲き。伏見ちりめん花菜は早生種,
 湘南ちりめん花菜は花立ちがよい。
[次へ進んで下さい]