02k 野菜「葉菜類−葉」
◎コーンサラダ ラムズレタスとも
和名:野萵苣ノヂシャ オミナエシ科 原産地:ヨーロッパ
プロフィール:コーンサラダは,野菜としての利用は18世紀頃から始まり,わが国に
おいては明治末期にサラダ用として栽培されていました。癖のない淡泊な味で,生食に
向いており,特有の芳香にも人気があります。
寒さに強い植物ですが,寒冷地においては霜を避けるためトンネルやハウス栽培をし,
また高温期には露地に雨除けをして栽培します。
コーンサラダの名は,小麦などの穀物畑に,雑草として自生していたことから名付け
られたと云います。ラムズレタスの別名は,葉の形が羊の耳に似ているからです。
△食べ方と効能
コーンサラダは緑が濃く,枝元から葉先までピンと張ったものが新鮮です。あまり大き
過ぎるものや小さ過ぎるもの,茎が折れているものは避けて下さい。
癖がなく淡泊な味で,アクも苦味もないため,サラダとして生食します。葉が柔らか
くあまり歯応えがないので,盛り付ける直前まで冷水に浸け,パリッとさせて用います。
ユニークな形を活かすために,ちぎらないで用いたり,株ごと器に盛って飾りにする
こともあります。
そのほかバター炒めにして付け合わせ,お浸しや和え物,スープの具などにもします。
◎ジュンサイ
スイレン科 原産地:アジア,アフリカ,オーストラリア
プロフィール:ジュンサイは,水温の一定した水の綺麗な池沼に生える水草で,平安
時代初期には自生種を食べていたらしく,京都の深泥池のもの(現在は食用にされない
)が有名です。
初夏から夏にかけて,水中において5p程になった若い葉茎を摘んで食用にします。
全体が透明な粘液質に覆われているのが特徴です。さっぱりとした味わいや,滑らかな
食感が好まれます。
水田を利用して栽培されますが,水温が低過ぎると生長がよくないので,ハウスでも
栽培され,主に山形・秋田などの本州の涼しい地域において栽培されます。
△食べ方と効能
ジュンサイの旬は初夏から晩夏で,若芽,芽,蕾などを摘んで食べますが,変質がと
ても速いので,生での貯蔵は難しい。酢の物などにして生食も出来ますが,又は煮て瓶
詰め又はビニールパック詰めで売られています。淡緑褐色で粘質物が十分にあるものが
良品です。
さっと熱湯を通して直ぐに冷水に浸け,水気をしっかり切ってから,和え物や汁物に
します。三杯酢や山葵醤油など,シンプルな味付けにしますと,素材の持ち味が活き,
また冷たくして食べるとなお一層美味しく頂けます。
ビタミン,ミネラル共に少なく,栄養的価値は低い。
◎フダンソウ 不断草
和名:恭菜,不断菜,イツモヂシャ,常菜トコナ・ツネナ,唐萵苣トウヂシャ,ウマイナ アカザ
科 原産地:地中海沿岸
プロフィール:フダンソウは,紀元前1000粘頃には地中海シチリア島などで栽培され
ていたらしい。わが国へは江戸時代初めに渡来しました。テンサイやビートと同じ仲間
で,若い葉を掻き取って利用しますが,葉を取っても若葉が次々と出てくるので,一年
中収穫出来ます。
在来の日本種(小葉種)と,明治以降に入った西洋種(白茎種)に大別されます。在
来種は葉が細長く,茎の部分が赤い早生種,西洋種は葉幅が広く晩生種で白茎大葉,ス
イスチャートなどの品種があります。
△食べ方と効能
フダンソウの夏から冬までが旬です。青臭さと土臭さがあるので,茹でてから用いて
下さい。塩を加えた熱湯に入れてさっと茹で,水に放し,水気を十分に絞った後,和え
物やお浸し,煮物にします。油揚げや厚揚げとの合わせもの,醤油と出汁でさっと煮た
煮浸し,ゴマ和えなどに合いますし,バターソテーにしても美味しい。豆腐との相性も
良く,一緒に味噌汁の具にします。
カロチンやカルシウム,鉄を豊富に含んでいる優れた緑黄色野菜です。ビタミンB2,
カリウム,鉄はコマツナよりも多い。
◎プルピエ
和名:大葉スベリヒユ,立スベリヒユ スベリヒユ科 原産地:北アメリカ
プロフィール:プルピエは,園芸植物のポーチュラカ(ハナスベリヒユ)と同じ仲間
で,わが国へはヨーロッパを経て明治時代末期に伝えられました。しかし国内の栽培は
極少量につき,インド産などの輸入品が出回っています。
△食べ方と効能
プルピエは春に収穫されますが,国産のものは一部の地域においてはお正月に食べま
す。小さな楕円形の若葉と茎を食用にし,クレソンに似たピリッとした風味と,仄かな酸
味があります。
生のままサラダにしたり,茹でてスープの青実,またお浸しや和え物にします。酷コク
のある味のものと合わせますと,特有の風味が活きます。山形においては「スベランソ
ウ」と云って,受験のときのお呪いとして食べます。
◎オカノリ 陸海菜
和名:ハタケナ,海苔菜ノリナ アオイ科 原産地:亜熱帯アジア
プロフィール:オカノリはフユアオイの縮葉の変種で,ヨーロッパにおいて分化した
ものです。18世紀初めに渡来し,現在福井などにおいて栽培されています。
江戸時代に書かれた『農業全書』に拠りますと,冬葵フユアオイの種子は生薬冬葵子トウサイシ
と云って,利尿薬として販売されていました。
乾燥させて焙ると海苔に似た食品になることから,オカノリと名付けられました。粉
末にして用いることもあります。
△食べ方と効能
オカノリは柔らかい新葉や新芽を食用にします。葉には縮みがあり,柔らかでぬめり
があります。
葉は塩を加えた熱湯で色良く茹で,水に晒してさっとアクを抜き,十分に絞ってお浸
しや和え物,汁の具にします。生のまま天麩羅にもします。そのほか海苔のように焙っ
て食べたり,塩漬けにも向きます。フランスにおいては,新芽をデザートの飾りに使い
ます。
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