02j 野菜「葉菜類−葉」
◎モロヘイヤ
和名:台湾ツナソ,シマツナソ シナノキ科 原産地:中近東,アフリカ北部
プロフィール:モロヘイヤは高温で乾燥した熱帯の砂漠地帯に育つので,原産地にお
いは古くから貴重な緑野菜として大切にされてきました。エジプトにおいては五千年以
上前から一般に普及しており,葉を細かく刻んで作ったスープは,伝統的家庭料理とし
て現在でも日常よく作られます。各家庭にマハラタと呼ぶモロヘイヤ専用包丁がある程
親しまれている野菜です。
エジプトにおいてはムルヘイヤと発音しますが,元はムルキイヤと呼ばれていました。
これはアラビア語で「王家の野菜」と云う意味です。かつて重病を患ったエジプト王が
モロヘイヤスープによって治ったと云う故事に由来する名前です。
わが国に本格的に導入されたのは1980年代からで,初期は家庭菜園に利用される程度
でしたが,栄養的価値が非常に高いことから,瞬く間に普及し,消費量も鰻登りです。
食用とするのは青紫蘇に似た形の若葉で,癖クセのない味と,刻むとぬめりが出るのが
特徴です。
わが国おいては主にハウス栽培され,4月から10月が最盛期です。
△食べ方と効能
モロヘイヤの旬は夏,葉の一枚一枚がしっかりしていて,艶があって柔らかいものを
選んで下さい。癖はなく,刻むとトロロやオクラのような粘りが出ます。一般の食料
品店よりも,スーパーか自然食品の店が扱っています。
茹でて和え物やお浸し,煮浸しや煮物に,また生のまま天麩羅にも合います。オクラ
のように包丁で叩いて粘りを出し,醤油を掛けるだけで美味しい。
栄養面においては,ホウレンソウに比べると鉄とビタミンCは僅かに劣りますが,そ
のほかの栄養素はモロヘイヤが数段上です。特にカルシウムは約7.5倍,ビタミンB1は
約5.5倍,ビタミンB2は21倍です。ビタミンB群は日本人に不足しがちな栄養素で,欠
乏しますと疲れやすくなったり,イライラして集中力がなくなったりします。
◎オカヒジキ
和名:陸海松,ミルナ,水マツナ アカザ科 原産地:日本,中国,ヨーロッパ南西
部
プロフィール:オカヒジキはよく分かれる茎に細長い多肉質の葉を付け,地を這うよ
うに広がります。わが国においては海辺の砂地に自生し,古くから食べられる野草とし
て知られています。野菜としての栽培は17世紀に,海のない山形県置賜地方(山形市・
米沢市付近)において始まりました。主に露地栽培されますが,ハウスなどによる促成
栽培もされるので,周年出回っています。
オカヒジキの名は,外見が海藻のヒジキに似ているからです。
△食べ方と効能
オカヒジキの旬は夏から初秋にかけてで,葉先に艶があって柔らかく,緑色の濃いも
のが新鮮です。収穫期を過ぎたものは,葉先が針のように硬くなります。
通常茹でて和え物にし,シャキッとした歯触り,癖のない味が特徴です。美しい緑色を残
しながら茹でることが大切で,たっぷりの湯を沸かしてオカヒジキを入れ,強火で1分
半〜2分茹でます。茹で上がりましたら,笊ザルに広げてそのまま冷まして下さい。十分
水気を絞って食べやすい長さに切り,好みの和え衣で和えて召し上がって下さい。少し
酷コクのある味がよく合います。掻き揚げや炒め物にもします。
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