08 樹陰に苔生す岩やその仲間〈岩石の種類〉
樹陰に苔生す岩やその仲間〈岩石の種類〉
〈岩石の種類〉
岩石は，それを構成する鉱物の種類の組み合わせと，どのような状態で鉱物が岩石を
形づくっているかという組織によって名づけられます。
地殻を構成する岩石は，大きく区別すると火成岩・水成岩（あるいは堆積岩）・変成
岩の３種です。
△火成岩
火成岩（igneous rock）は，地下の溶融ﾖｳﾕｳ状態にあるマグマ（magma 岩漿）が地表
に噴出し，あるいは地下で冷却して固結したものです。
マグマは通常，完全に溶融した液体と，液体から晶出ｼｮｳｼｭﾂした鉱物結晶の混合物で
す。マグマの温度は1000〜1200度で，鉄の溶鉱炉のなかより低温です。虫眼鏡ﾙｰﾍﾟや顕
微鏡で視ると明らかなように，その岩石に含まれる結晶は，自由に生長した美しい結晶
外形をどこかに示しています。
結晶のし方により花崗岩など地下深部で固結されたものを完晶質岩石，安山岩・玄武
岩・流紋岩など地表に噴出した噴出岩を斑晶質岩石に区分できます。岩石の化学成分に
応じた結晶の組み合わせから，石英・斜長石・正長石や，普通石・角閃石・カンラン石
などに区分されます。
△水成岩
水成岩（sedimentary）は堆積岩ともいいます。堆積岩はは，基岩（bed rock）が風
化して侵食をうけ，運搬作用によって他の場所に定着した過程を経たものと定義するこ
とができます。運搬過程が風によるものを風成岩，水流によるものを水成岩と呼ぶこと
もあります。
水成岩はそれを構成する粒子の大きさによって，礫岩，細砂岩，シルト岩（於泥ｵﾃﾞｲ
岩）なとどと呼ぶこともあります。水中に堆積した泥土は固結の状態によって泥岩ﾃﾞｲ
ｶﾞﾝ，頁岩ｹﾂｶﾞﾝ，粘板岩ﾈﾝﾊﾞﾝｶﾞﾝ（スレート）などに区分されます。
△変成岩
変成岩（metamorphic）は，火成岩又は水成岩が地下の強大な圧力，もしくは地下の
熱によって初生的な岩石の構造が変化したものということができます。地下でマグマが
固結した花崗岩の縁辺部には，しばしばもとは泥質岩であったと思われる黒色・ち密な
固い岩石が見られます。この岩石には，もはや泥土であった面影はなく，新生の粗粒な
鉱物が点々と見られます。このような花崗岩の貫入周辺部に発達する岩石をホルンフェ
ルスと呼んでいます。
地下の深部において圧力と熱で変成した岩石を結晶片岩といいますが，この岩石を構
成する結晶名により，滑石片岩ｶｯｾｷﾍﾝｶﾞﾝ，絹雲母ｷﾇｳﾝﾓ片岩，緑泥石ﾘｮｸﾃﾞｲｾｷ片岩，石
英ｾｷｴｲ片岩などと呼んでいます。
△造岩鉱物
岩石は，おおむね鉱物結晶の集合です。鉱物は均質ですが，岩石は鉱物の集合ですの
で，部分によって性質も化学成分も異なる物体です。
岩石をつくりあげている鉱物の種類は約2000種類が知られています。そのうち地殻に
豊富に含まれるものは20種類ほどです。そのうちでも重要と思われるものは次のとおり
です。
鉱物名 比重 鉱物名 比重
石英 2.7 白雲母 2.8
正長石 2.6 蛇紋石 2.7
斜長石 2.7 石膏 2.3
普通輝石 3.3 方解石 2.7
角閃石 3.1 磁鉄鉱 5.2
カンラン石 3.4 黄鉄鉱 5.0
緑レン石 3.4 黄銅鉱 4.2
黒雲母 2.9
参考 「やさしい地質学」築地書館株式会社発行
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