[詳細探訪] 参考:小学館発行「万有百科大事典」ほか 〈トンボ(蜻蛉)〉 トンボの古名はアキツ、世界各地に広く分布し、約5000種が知られている。特に新熱 帯地域(南アメリカ)に多い。旧北区には一般には多くはないが、わが国には比較的豊 富で180種余り知られている。昔のわが国が「あきつしま」と呼ばれていたのも尤もなこ とである。 △民俗 わが国では特定のトンボを神聖視することがある。オハグロトンボはカミサマトンボ と云って捕らえるみとを忌み、田の神として尊ぶ。これを西日本ではショウリョウエン バ(ショウリョウトンボ)と云う。 トンボを盆の精霊と関わりがあるとする伝承は広く、京都府北部では、7月1日をトン ボツイタチと云い、この日に地獄の釜の蓋が開いてアカトンボがこの世に生まれると云 う。 これを九州南部では、ショロバブ(ショウリョウトンボ)と云って追うことを忌む。 喜界島では盆の頃現れるトンボをブンエーダー(盆トンボ)と呼び、それに先祖が乗 って来ると云って捕らえない。 アイヌ族でもトンボを大切にし、群れているところに出会うと縁起が良いと云う。 イギリスではトンボはこの世を害するために悪魔によって送られたと云い、恐れられ る。悪いことを言うとトンボに口を縫われるとか、ヘビを食べたりヘビに仕えたりする と信じられている。 「蜻蛉の生活」 「蜻蛉一覧」