17b キノコにアタック〈林種別,旬別キノコ狩りガイド2〉
《マツ林(クロマツ)コース》
△ショウロ
[別名]モチショウロ,ムギショウロ
[特徴]卵形〜扁球形,径1〜5p,表面に淡紫赤色の根状の菌糸が取り巻いていま
す。
[発生時期]4月〜6月,10〜11月
[発生場所]地上
[見つけ方]春と秋,海岸の排水のよい砂地のクロマツ林の地表近くの地中で育ち,
雨がシトシトと降り続いた後に,卵球形のショウロの上部が顔を出します。
地下部は白色で地上に出ると黄褐色に変色し,傷つけると淡赤褐色になりま
す。内部の肉は初め白色で,次第に黄〜暗褐色に変わります。食用には,地
表に僅かに顔を出す前までの白色の幼菌を採ります。熊手で落ち葉や苔を慎
重に除いて探して下さい。
△シモコシ
[別名]キタケ
[特徴]傘径5〜10p,湿っているときは粘りがあります。ヒダ,柄も黄色,肉は白
色で絞まっています。幼菌は丸く地中に隠れています。
[発生時期]10月下旬〜11月下旬
[発生場所]地上
[見つけ方]晩秋に寒くなりますと,海岸の砂地の落ち葉が厚く積もったクロマツ林
に,落ち葉にうずもれながら生えます。鮮黄色の美しいキノコで,発生する
ところには毎年出ます。地表に出る前のものが美味しいので,落ち葉が盛り
上がった部分を熊手でかきまわしして探します。雑木林に出るキシメジに類
似していますが,シモコシには苦みがありません。
《カラマツ林コース》
△ハナイグチ
[別名]カラマツタケ,ジコウボウ
[特徴]幼菌は丸山形の小粒で,傘が開くと径4〜14p,大きくなると色もヌメリも
薄くなります。管孔は黄色で成熟すると褐色を帯びます。管孔部は剥がれや
すいです。柄にはツバがあり黄色,後にサビ褐色になります。肉も淡黄色で
傷ついても変色しません。
[発生時期]8月下旬〜11月上旬
[発生場所]地上
[見つけ方]カラマツ林を代表するキノコです。旧盆が過ぎ,朝夕涼しい風を肌に感
じましたら出かけてみましょう。紅赤色のドクベニタケが出ていますと,ハ
ナイグチも群生して出ています。黄金色や赤茶色の傘にヌメリが垂れて光っ
ています。
[紛らわしい毒キノコ]ドクヤマドリ
△シロヌメリイグチ
[別名]クロヌメリイグチ
[特徴]傘径5〜12p,管孔は白〜灰白色で褐色に変わります。柄は太くツバがあり,
ツバより下は汚白色,肉も白色,傷つくと少し緑青色に変色します。
[発生時期]8月下旬〜10月下旬
[発生場所]地上
[見つけ方]イグチ科のキノコは同時期に発生します。ハナイグチを探しながら,灰
白色のヌメリの垂れたシロヌメリイグチも一緒に探しましょう。大変粘性が
強く点々と輝いて見えます。傘には緑色,又は暗黄褐色の斑紋が薄くついて
います。
[紛らわしい毒キノコ]ドクヤマドリ
△アカアザタケ
[別名]ウスニガ
[発生時期]8月下旬〜10月下旬
[発生場所]地上
[見つけ方]カラマツ林,アカマツ林,モミ林などの針葉樹林や,これらの混じった
雑木林の比較的湿ったところに,夏の終わりから1本ずつ点々と,又は菌輪
をつくって生えます。全体が滑らかな白色で傘(径7〜12p)の頂部や柄下
部,ヒダに赤茶色のシミができます。
△ホテイシメジ
[別名]ジョウゴシメジ
[発生時期]9月上旬〜11月中旬
[発生場所]地上
[見つけ方]混生林やカラマツ林の湿ったところに,秋口から晩秋まで群生します。
菌輪をつくることもあります。典型的なサカヅキ状のキノコで,ヒダが垂生
します。傘表面は滑らかで淡灰褐色,柄も同色で下部が太いです。同形で茶
褐色のドクササゴは猛毒なので注意して下さい。
[紛らわしい毒キノコ]ドクササゴ
△キヌメリガサ
[別名]コキンタケ
[発生時期]10月下旬〜12月下旬
[発生場所]地上
[見つけ方]晩秋から初冬,カラマツが紅葉し落葉する頃,傘(径約4p)と柄の上
部がレモンイエローの可愛いキヌメリガサが群生します。傘,柄にヌメリが
あります。ゆっくりとよく見て歩きますと,結構沢山採れます。
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