17c キノコにアタック〈林種別,旬別キノコ狩りガイド2〉
《スギ林コース》
△ニカワハリタケ
[別名]ネコノシタ
[発生時期]4月中旬〜12月中旬
[発生場所]針葉樹の生木,枯幹
[見つけ方]春早くから初冬までスギなどの針葉樹の生木や枯幹の根元に生えます。
沢地などの湿度の高い苔むしたところによく出ます。淡褐色〜黒色の傘は肉
厚で,裏に猫の舌のような白い突起が密生し,ゼラチン質で耳ぶたのように
柔らかいです。春よりも秋のものの方が大きく,傘径5〜6pになります。
△オオイチョウタケ
[発生時期]8月中旬〜11月中旬
[発生場所]地上
[見つけ方]スギ林やタケ林,混生林の落ち葉の厚く積もったところから群生します。
小さなうちは丸山形ですが,大きくなると径7〜25p,浅いジョウゴ形の大
型キノコになります。傘は光沢のある白色で美しいです。これに似たツチカ
ブリは,傷をつけると白い辛い乳液を出し食用には向きません。
△スギエダタケ
[別名]アカアシ
[発生時期]5月下旬〜2月中旬
[発生場所]地上
[見つけ方]名のとおりスギの枯枝,枯葉,埋もれ木から生えます。山菜採りの5〜
6月から冬まで発生し,キノコの少ない春,夏,冬は重宝です。傘径1〜7
p,白〜灰色で中央部がネズミ色を帯びます。柄は別名アシアカと呼ばれる
ように硬く黄褐色です。ボリュームはありませんが,ほとんど年中,スギ林
に行けば確実に採れます。
△チャナメツムタケ
[別名]ツチナメコ
[特徴]傘径4〜10p,ヒダは白色〜灰白色,柄は5〜10p,白色で下部が褐色にな
ります。
[発生時期]8月下旬〜10月下旬
[発生場所]地上
[見つけ方]秋雨の降る頃から,雑木の混じる湿ったスギ林の地上や土に埋もれた枯
枝などに群生します。小粒の幼菌は倒木に生えるナメコとよく似ており,別
名ツチナメコと愛称されています。ヌメリが強くレンガ色の傘が開くと色が
薄くなり,周縁は黄白色になります。毎年同じところに発生するので,位置,
日時などをメモしておきましょう。
[紛らわしい毒キノコ]コレラタケ
△タマウラベニタケ
[発生時期]9月上旬〜10月下旬
[発生場所]切株,倒木
[見つけ方]雑区木林を伐採しスギを植えて十数年以上経ったスギ林の,腐れがすす
んだミズナラ,ブナ,トチなどの広葉樹の切株,倒木に集中的に生えます。
スギ林は日陰になり湿気が多いからです。スギがなくても沢地など常に湿っ
た雑木,ブナ林なら発生します。倒木や切株の地面に接する部分に集中的に
生えます。傘,柄は灰白色〜淡灰褐色の滑らかで粘性はなく,ヒダは淡灰色
から肉色に変わりますよく卵状菌塊が混在して見つかりますが,これはナラ
タケの菌糸が本菌に寄生し奇形化したもので,これも食べられます。
△スギヒラタケ
[別名]スギカノカ,スギワカイ
[特徴]幼菌は白い粒で点々と発生し,傘径2〜6pで周縁が内側に巻きます。
[発生時期]9月中旬〜12月中旬
[発生場所]倒木,切株,枯木
[見つけ方]スギ林の一番の狙い目キノコです。朝夕涼しさを感じるようになりまし
たら,近くの里山のスギ林の中の苔むした倒木,切株,枯木を探して歩きま
しょう。柄のない扇形,ヘラ形の白いキノコが重なるようにして株立して生
えます。裏面は白いヒダが細かく入り,後に淡黄色になります。大量に採れ
ます。まぎらわしい毒キノコはありません。
△ナガエノスギタケ
[別名]長柄スギタケ(ネッコマツタケ)
[特徴]傘径8〜15p,柄長8〜15pもの大型キノコです。傘,柄とも粘土色がかっ
た黄白色で淡褐色のササクレ模様があり,地面をよく見ますと,遠くからで
も分かります。肉質も白色で絞まっています。
[発生時期]10月中旬〜11月中旬
[発生場所]地上
[見つけ方]スギ林でもナラ,ブナ,マツなどの混じる混生林やスギ林の周辺の雑木
林に生えます。風通しや日当たりがよく,小高くて土が深いところに多いで
す。柄が太く長く,掘ると細い根のようなものが伸びています。アンモニア
を好むキノコらしく,掘っていくとモグラの排泄物がよく見つかります。
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