17 里の実
里の実
参考:永岡書店発行「山菜・木の実・草の実ガイドブック」
〈里の実〉
イチョウ [公孫樹 ぎんなん(銀杏)]イチョウ科(雌雄異株)
旬の姿 悪臭のする果肉の中に,美味しい銀杏の種子がある。
採取の適期 10月
分布 自生種はない(中国原産)。
生育環境 寺社の境内,公園,並木などに生育している。
採り方 落ちた実を拾う。
食べ方 水の中で臭い果肉を取り,種子を乾燥する。焼いたり,焙ったりして食べる。
茶碗蒸しやおでんなどに利用します。過食すると中毒になることがある。
○果肉に触れると皮膚が被れる。
ヤマモモ [山桃・楊梅 もも]ヤマモモ科
旬の姿 梅雨の頃に赤黒く熟し,甘酸っぱく美味しい。
採取の適期 7月
分布 本州中部地方以西の各地
生育環境 暖地林に自生し,公園などにも植えられる。
採り方 傘を逆さに広げ,枝を揺すって落ちる実を受ける。
食べ方 大きく熟した実を選り分け,生食する。
イヌビワ [犬枇杷]クワ科(雌雄異株)
旬の姿 イチジクを小さくしたような形で,赤紫色の実を摘んでみて,柔らかくて弾
力のある実は熟して美味しい。
採取の適期 10〜11月
分布 本州関東地方以西〜沖縄
生育環境 海岸に近い暖地林に多く,庭の植え込みにも自然に生えてくる。
採り方 柔らかく熟した実だけを選んでもぎ取る。
食べ方 ねっとりとして甘く美味しい。生食,又はジャムにも好適。
クワ [桑 どどのみ・どどめ]クワ科(雌雄異株)
旬の姿 実は葉の付け根にぶら下がって赤黒く熟す。
採取の適期 6〜7月
分布 北海道〜九州
生育環境 農地の周辺に自生するが,養蚕に利用するクワは結実しない。
採り方 熟したものだけを採取する。
食べ方 生食が一番。
コウゾ [楮 たく]クワ科
旬の姿 葉はクワよりごわごわし,実は丸みがあり細かい毛が生えている。真赤に熟
す。
採取の適期 7月
分布 本州・四国・九州
生育環境 林の縁や沢沿いに生える。
採り方 枝を手繰り寄せて採る。
食べ方 実にある棘に刺されないように注意して生食し,ジャムにもする。
ビナンカズラ [美男葛・南五味子 さねかずら]モクレン科(雌雄異株)
旬の姿 和菓子の"鹿の子"そっくりの小さめの実がぶら下がり,赤く熟す。
採取の適期 10〜11月
分布 本州関東地方以西・四国・九州
生育環境 蔓で絡み,覆い被さって生育する。
採り方 柄を付けたままむしり取る。
食べ方 日干しにしてから,焼酎に漬けて薬酒とし,咳止め,滋養強壮に効く。
クコ [枸杞]ナス科
旬の姿 夏に咲く紫色の花には結実せず,秋に咲く花には晩秋に鈴なりに実が着き,
宝石のように赤熟する。
採取の適期 10〜11月
分布 北海道南部〜沖縄
生育環境 土手に生える。
採り方 小さな実の充実したものをむしり取る。
食べ方 日干しにして保存し,薬膳素材として中華風の料理に混ぜる。焼酎に漬けて
薬酒にもする。
サンショウ [山椒 きのめ・はじかみ]ミカン科(雌雄異株)
旬の姿 カサカサとした実が赤い口を開き,中から黒い種子が顔を出した頃に利用する。
採取の適期 9〜10月
分布 全国
生育環境 薄暗い雑木林の中に生える。
採り方 房毎折って採る。
食べ方 よく果皮を乾燥させて種子を取り除く。果皮を粉に挽いて潰し,香辛料とし
て鰻の蒲焼きに使う。味噌汁や各種料理の香り付けにも用いる。健胃効果があり,
寄生虫駆除の働きもある。
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