掛布　雅之（かけふ　まさゆき）　１９５５年５月９日生まれ・右投げ左打ち

　千葉・習志野高から７４年ドラフト６位で阪神タイガースに入団。１年目から一軍入りし、３年目の７６年には規定打席到達。いきなり.３２５でベストテン５位。高卒３年以内の３割は当時川上・千葉・中西・張本に次ぐ当時５人目の快記録。７８年は初の１００打点、翌７９年には球団新記録の４８本塁打で初タイトルとなる本塁打王に輝いた。ここまで４年連続３割と球界を代表するバッターに成長、一躍スターダムにのし上がった。

　８０年は一転して腰痛と膝の故障から７０試合しか出られず１１本塁打、打率.２０９とどん底の成績。しかし翌年は鮮やかに復活。初の全試合出場に加え、自己最高の打率.３４１をマーク。８２年には本塁打・打点の二冠、８４年にも３度目の本塁打王となり再び球界を代表するスラッガーの地位を手にした。
　８５年はリーグ新の２１９本塁打を記録した豪打のチームにあって全試合４番を務め、６年ぶりに大台に乗せる４０本塁打。日本シリーズでも２本塁打、打率.３５０と活躍してチームの日本一に大きく貢献。

　８６年４月の中日戦で死球を受け左手を骨折。この年は８月にも守備中に左手を骨折と度重なる怪我に泣いた。以後は膝痛など故障との闘いが続き華麗なバッティングは陰を潜めてしまい、８８年に３３歳という若さでの引退を余儀なくされた。しかし、銀傘を揺るがした“カケフコール”は今もファンの心に残っている。

　７８年８月３１日の広島戦から９月１日のヤクルト戦まで１四球を挟み日本タイ記録の４打数連続本塁打。８１年８月５日の大洋戦から７日の中日戦まで２四球を挟み１０打数連続安打。８２年８月２４日のヤクルト戦で１イニング２ホーマー。８４年１０月３日と５日の中日戦で、それぞれ１試合５四球。この２試合を通じ１０打席連続四球のセ・リーグ記録。オールスターで７８年と８１年にシリーズ３本塁打の最多タイ記録。７８年第３戦では１試合３本塁打のタイ記録を史上唯一の３打席連続本塁打で達成。８１年のシリーズ８打点はオールスター記録。

　本塁打王３回（７９、８２、８４）、打点王１回（８２）、最多出塁２回（８１、８２）。ベストナイン７度（７６〜７９、８１、８２、８５）、ゴールデングラブ６度（７８、７９、８１〜８３、８５）受賞。月間ＭＶＰ１回（７９年４月）。オールスター出場１０度（７６〜８５）、７８年第３戦、８１年第２戦、８２年第３戦でＭＶＰ受賞。