広沢　克実（ひろさわ　かつみ）　１９６２年４月６日生まれ・右投げ右打ち

　栃木・小山高から明治大を経て８４年ドラフト１位でヤクルトスワローズに入団。大学時代から強打で鳴らし、３年時には春.４５７、夏.４８４で史上２人目の２シーズン連続首位打者。３年春にはリーグ新の４試合連続本塁打を含む１季６本塁打のリーグタイ記録も達成。通算１８本塁打は明大史上最多で歴代６位タイ。
　８４年夏のロサンゼルス五輪にも選ばれ、チーム最多の３本塁打・９打点をマーク。決勝のアメリカ戦でも試合を決める３ランを放ち金メダル獲得に大きく貢献した。

　入団１年目の８５年から１８本塁打を放ち大器の片鱗を見せるが、大振りも目立ち９２年まで８年連続１００三振を記録。それでも３年目からは打率も向上。４年目の８８年には一気に３０本塁打を放ち主軸打者としての成長を見せた。９０年には打率.３１７と初の３割台をマーク。翌９１年、さらに９３年と打点王を獲得してリーグを代表する打者となった。

　９４年オフにＦＡ宣言して巨人に移籍。移籍１年目の９５年は全試合出場こそ継続したものの、自己ワーストの打率.２４０と苦しんだ。９６年も開幕前のオープン戦で死球を受け骨折し、わずか３８試合の出場に留まった。
　９７年は外野の一角を確保、不振の清原に代わって４番を４０試合務めるなど復調を見せ、１２８試合で２２本塁打に打率.２８０をマークした。しかし、レギュラーとしてプレーしたのはこの年が最後。９８年には高橋由伸の入団もあり内外野掛け持ちで９本塁打、打率.３０１と奮闘。

　９９年にはまたも怪我に泣き、４月下旬のヤクルト戦で二塁に滑り込んだ際に右肩を骨折しシーズンを棒に振った。巨人との５年契約の切れたオフにはさらなる出場機会を求めて阪神に移籍。０１年には４年ぶりの二桁となる１２本塁打を放つなどチームが苦しい場面で力を発揮した。
　０３年の日本シリーズ第７戦で現役最後の打席を本塁打で飾り、１９年の現役生活にピリオドを打った。

　８６年１０月１２日の広島戦から９５年１０月８日の広島戦まで歴代４位の１１８０試合連続出場。９７年９月２６日の中日戦でサイクルヒット達成。

　打点王２回（９１、９３）。ベストナイン４度（８８、９０、９１、９３）受賞。月間ＭＶＰ３回（９０年５月、９１年６月、９２年５月）。オールスター出場８度（８７〜９４）、９１年第２戦でＭＶＰ受賞。