ちょっとしたコラム      
               
05.4.9付


打席・打数

 通算記録ではとかく軽視されているのがこの打席と打数。実は当サイトでもこの部門のランキング集はないのであまり大きな声では言えないけれど。それと両リーグの対応で一つ疑問なのが、投手の場合は登板数(500登板から100ごと)と投球回(1000投球回から500ごと)の両方でリーグ表彰があるのに打者は試合数(1000試合から500ごと)のみ。投手で言えば投球回に匹敵するのが打席数ではないだろうか。それならば5000打席から1000打席ごと位に表彰しても良さそうなものなのだが・・・。

 さて、通算打席ランキングを見ると試合数ベストテンとは伊東勤と落合博満が入れ替わっているだけで、ほぼ同じ顔ぶれとなっている。4位までは順位も同じ。多くの試合に出なければ多くの打席に立つ事も出来ないわけで、当然の結果とも言える。10位の大島は試合数では5位だが、これは若い頃は準レギュラー格のシーズンも多く、入団8年目までは規定打席到達1回と試合数の割りに打席が少なかったシーズンが多かったためである。10000打席クリアは立った6人。500打席ずつでも20年かかる大記録である。

 現役選手では立浪和義の8874打席が最高。03年までは清原に次ぐ2位だったが、04年に460打席も上回り一気に逆転した。今季も昨年並みなら9454打席となって8位まで進出する。試合数の増加もあり山本浩二の記録更新は有望であり、06年の10000打席到達も見えて来そうだ。
 昨年120打席に終わった清原和博はベストテン入りを目指すには、立浪の存在を考えると9位にいる落合の9257打席が目標数値になる。あと470打席。体調次第と言えそうだが、01年のように故障なく乗り切れれば十分可能である。

 現役ベストテンで昨年規定打席到達しているのは立浪の他、古田・石井・堀がいる。今年の満年齢では古田40歳、石井35歳、堀36歳。この中で将来歴代ベストテンするとしたら石井琢朗か。その頃の10位は山本浩二になっている事が予想されるので、そうなるとあと2100打席。525打席ずつで丁度4年かかる計算であり、38歳までプレーすれば狙える数字という事になる。内川・村田・吉村など若手内野陣の成長があるだけに石井としてもまだまだ負けていられないところだろう。

<通算打席ベストテン>
歴代 選手名(最終所属) 記録   現役 選手名(所属) 記録 04年実績
1 野村克也(西武) 11970打席   1 立浪和義(中日) 8874打席 580打席
2 王貞治(巨人) 11866打席   2 清原和博(巨人) 8787打席 120打席
3 張本勲(ロッテ) 11112打席   3 田中幸雄(日本ハム) 8017打席 91打席
4 衣笠祥雄(広島) 10634打席   4 古田敦也(ヤクルト) 7641打席 532打席
5 門田博光(ダイエー) 10304打席   5 野村謙二郎(広島) 7490打席 392打席
6 福本豊(阪急) 10130打席   6 石井琢朗(横浜) 7309打席 590打席
7 土井正博(西武) 9853打席   7 堀幸一(ロッテ) 6590打席 516打席
8 山本浩二(広島) 9409打席   8 初芝清(ロッテ) 6352打席 182打席
9 落合博満(日本ハム) 9257打席   9 江藤智(巨人) 6335打席 111打席
10 大島康徳(日本ハム) 9227打席   10 中村武志(楽天) 6298打席 111打席

 年間記録を見ると、1950年代と2000年代の記録が中心なのに気が付く。特に1956年のパ・リーグは空前の154試合制で行われ、多くの打席に立つ選手が続出した。その記録を抑えてトップに立つ1963年広瀬の時代は150試合制だった。試合数の差でそこには及ばないものの、01年からの140試合制によってベストテンの半数をこれ以後の記録が占める事となっている。

 そして05年からのセ・リーグはリーグ史上最多となる146試合制となった。例えば01年仁志の652打席にあと6試合分の打席が加われば、676打席の更新も夢ではない。昨年642打席の井端弘和(中日)、640打席の荒木雅博(中日)、633打席の赤星憲広(阪神)らに歴代ベストテン入りそして新記録の期待がかかる。632打席の今岡誠(阪神)は打順が5番となり、またパ・リーグ勢は136試合制のため歴代ベストテン入りは難しそうだ。

<年間打席ベストテン>
歴代 選手名(当時の所属) 記録 年度   現役 選手名(当時の所属) 記録 年度
1 広瀬叔功(南海) 676打席 1963   1 小坂誠(ロッテ) 657打席 2001
2 佐々木信也(高橋) 671打席 1956   2 仁志敏久(巨人) 652打席 2001
2 R・バルボン(阪急) 671打席 1956   3 大村直之(近鉄) 651打席 2001
4 飯田徳治(南海) 657打席 1956   4 仁志敏久(巨人) 648打席 2004
4 小坂誠(ロッテ) 657打席 2001   5 石井琢朗(横浜) 647打席 2001
6 R・バルボン(阪急) 656打席 1955   6 清水隆行(巨人) 646打席 2002
7 松井稼頭央(西武) 655打席 2003   7 柴原洋(ダイエー) 644打席 2001
8 仁志敏久(巨人) 652打席 2001   8 小笠原道大(日本ハム) 643打席 2001
9 大村直之(近鉄) 651打席 2001   8 T・ローズ(近鉄) 643打席 2001
9 松井稼頭央(西武) 651打席 2001   8 宮本慎也(ヤクルト) 643打席 2003

 打席と来たら打数も切り離せない。こちらでは四球の多い王貞治が打席2位から4位、山本浩二が8位から11位、落合博満も9位から17位と順位を落としている。張本・衣笠も1000四死球は超えているが、王の四球があまりに多いため、順位が入れ替わった。逆に四球はそれほどでもないが、実働21年と長く活躍した高木守道が8位に顔を出している。

 現役選手ではやはり立浪和義が1位。昨年並みの打数ならば今季中に歴代9位に進出する。この立浪でさえ10000打数にはあと5年ほどかかりそうで40歳までのプレーが必要となってくる。現役2位の清原和博は歴代ベストテン入りにはレギュラー出場してもまだ2年はかかる。それ以下の選手ではやはり石井琢朗。今のペースなら8000打数はクリアしそうだが、歴代ベストテン入りはぎりぎりか。

<通算打数ベストテン>
歴代 選手名(最終所属) 記録   現役 選手名(所属) 記録 04年実績
1 野村克也(西武) 10472打数   1 立浪和義(中日) 7708打数 523打数
2 張本勲(ロッテ) 9666打数   2 清原和博(巨人) 7268打数 101打数
3 衣笠祥雄(広島) 9404打数   3 田中幸雄(日本ハム) 7258打数 79打数
4 王貞治(巨人) 9250打数   4 野村謙二郎(広島) 6823打数 532打席
5 門田博光(ダイエー) 8868打数   5 古田敦也(ヤクルト) 6704打数 392打席
6 福本豊(阪急) 8745打数   6 石井琢朗(横浜) 6290打数 535打数
7 土井正博(西武) 8694打数   7 堀幸一(ロッテ) 5789打数 445打数
8 高木守道(中日) 8367打数   8 初芝清(ロッテ) 5712打数 170打数
9 大島康徳(日本ハム) 8105打数   9 中村武志(楽天) 5594打数 101打数
10 長嶋茂雄(巨人) 8094打数   10 江藤智(巨人) 5357打数 97打数

 年間打数記録は打席同様に63年広瀬叔功が保持。600打数以上は過去わずか5人だが、うち3人がここ3年間に達成された記録となっている。こちらも146試合制のセ・リーグでは記録更新やベストテン入り選手の誕生が期待される。

<年間打数ベストテン>
歴代 選手名(当時の所属) 記録 年度   現役 選手名(当時の所属) 記録 年度
1 広瀬叔功(南海) 626打数 1963   1 清水隆行(巨人) 609打数 2002
2 佐々木信也(高橋) 622打数 1956   2 仁志敏久(巨人) 608打数 2004
3 清水隆行(巨人) 609打数 2002   3 荒木雅博(中日) 602打数 2004
4 仁志敏久(巨人) 608打数 2004   4 仁志敏久(巨人) 597打数 2001
5 荒木雅博(中日) 602打数 2004   5 大村直之(近鉄) 590打数 2001
6 毒島章一(東映) 598打数 1964   6 柴原洋(ダイエー) 587打数 2001
7 坪内道典(中日) 597打数 1949   7 石井琢朗(横浜) 580打数 2001
7 仁志敏久(巨人) 597打数 2001   8 清水隆行(巨人) 578打数 2004
9 金山次郎(松竹) 594打数 1950   9 小笠原道大(日本ハム) 576打数 2001
10 R・バルボン(阪急) 590打数 1956   10 二岡智宏(巨人) 573打数 2003
10 大村直之(近鉄) 590打数 2001          

ランキングの記録は2004年まで

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