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市債残高を減らす転機になった1998年3月議会での議論の模様を再録します。
市の借金をこれ以上増やさない工夫を
福祉充実と財政再建は両立できる
98年3月議会で日本共産党の砂田喜昭議員は、膨大な借金をこれ以上増やさない方向で財政運営を切り替えるよう求めました。
もちろん、2年後の介護保険の導入に備えて、小矢部市としても介護サービスを提供できるよう体制や施設を整えなければなりません。福祉・教育の充実の仕事と、財政再建の両立をはかるためには、タワーなどのようなムダな公共事業をやらないだけでなく、公共事業の規模も、これ以上借金を増やさない範囲でバランスをとるべきではないでしょうか。砂田議員は、新たな借金(起債)は、元金返済額程度に抑えるべきだと提案しました。
総務部長は「市債の抑制ですが、より有利な借り入れ時期や借入先の検討とともに、繰り上げ償還や借り換え措置の実施、及び減債基金の積み立てなどによって、市債の抑制に努めたい」と答えました。
また、予算特別委員会では財政課長が、たとえば消防庁舎について1年で建てるより、借金を増やさないためには「2年で建設いただいた方が、砂田さんがおっしゃるような起債が増えることなくできるのではないかと考えておりまして、そこら辺も配慮すべき問題であることは認識しております」と答え、総務部長は、「来年度の事業で起債の枠を11億、12億と抑えると仮定した場合に、場合によっては総合計画の(平成)11年度(99年度)の事業はいくつか先送りするか、見送るという状況になってくるだろう。実際に来年度予算編成をしてみないとわからない部分もある。ただまあ、とにかく、返済する金より起債の額を減らすという約束は私はできない」と答えました。
借金の原因はムダな公共事業
小矢部市の借金は98年度予算書で見ると98年3月31日現在で、全会計で274億5630万円、市民一人あたり76万円の借金をしていることになります。普通会計(ほぼ一般会計と同じ内容)の決算で見ると、96年度市借金残高は145億5220万円です。こんなに借金が増えたのは90年から94年にかけて公共事業が急増したためです。この公共事業はクロスランド建設です。
埼玉県議会がクロスランドを視察して、「これだけの規模の建物は埼玉県では県が造るものだ。小矢部市は何十万の人口の都市ですか」と質問されたというのは有名な話です。
公共事業がこれだけ増えたのは、政府がアメリカの圧力で公共事業430兆円を約束したことによるものです。
小矢部市は借金の返済に、95年度、一人あたり6万2448円支払いました。これは県下9市で一番多い額です。市が国、県などによって使途を制限されない財源のうち21%も借金の返済に充てました。(96年度は18%)
83年度から90年度までの借金返済額は年平均7億円で、クロスランドの借金返済が始まった91年度から97年度までは年平均16億円と、9億円も増えました。これは市内すべての保育所の運営費に匹敵し、小中学校費のほぼ倍にあたります。それだけ福祉や教育予算が窮屈になったことを意味します。
市民一人あたりの借金返済額
95年度
富山市 36、754円
高岡市 38、695
新湊市 32、196
魚津市 56、431
氷見市 37、765
滑川市 34、607
黒部市 35、387
砺波市 41、311
小矢部市 62、448
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