音楽を考える時に、「音質」と「音色」の2つはよく使われる言葉です。
しかし、実際には、意外にこの2つの言葉はまちがって混同して使われている事が 多くあります。 ここでは、「音質」と「音色」の定義と作り方ついて考えてみたいと思います。 |
ポイントその1
「音質」=tone quality |
音質とは英語で「tone quality」と書きます。つまり、音そのものが持っている質のことをさします。
音質がよい演奏者とは「その演奏者の持っている基本的な音が良い事」をさします。 |
「音色」=tone color |
音色とは英語で「tone color」と書きます。つまり、フレーズなどに使われている音の感じ(色)のことをさします。
演奏者がフレーズによって音の色を作ることによって、楽曲(フレーズ)は様様に変化してきます。 |
ポイントその2
良い「音質」の作り方 |
良い音質を作り為には、様様な研究が必要です。これは、楽器の種類によってさまざまなので、
画一的なことは言えませんが、僕は一般的には、 ・ロングトーンの練習。(アンブシュアーを整える。豊かなブレスをする。) ・リード選び(木管)やリップスラー(金管)などの基礎練習。 ・良い演奏(CD/演奏会)をたくさん聴く。 この、3点に集約されると思います。 しかし、音質は楽器のタイプ(メーカーなど)によっても違いますし、マウスピースによっても左右されます。 |
適した「音色」の作り方 |
楽曲(フレーズ)適した音色の作り方は第2章でも述べたとおり、その楽曲の雰囲気を感じ取る事
が大切です。 やわらかいフレーズの曲では「やわらかく吹こうと思う事」。はっきりとしたフレーズの曲では「はっきりと 吹こうと思う事」が、音色つくりの重要な決め手となります。これは、一人で演奏している時にはよく感じられる 事なのですが、合奏のような大人数になってしまうと、意外に意思の統一が出来ず、転々ばらばらの音色が 一つのフレーズに混在してしまう事があります。この為、指揮者(指導者)は、合奏などではこの「音色」の統一 を図る必要があるのです。 |
ワンポイントアドヴァイス
「良い音質」=奏者自身の持っているサウンド(音)が良い事です。 「悪い音色」=フレーズに適した音で吹いていない事です。 |
ポイントその3
「音色」の作り方
(応用編:楽器のブレンド) |
先ほど述べたように、楽曲ではいろいろなフレーズが出てきます。そのフレーズフレーズに応じて
いろいろな「音色」つくりが重要になってきます。ここではいろいろな音色作りについてのいくつかの例 をあげてみます。 |
楽器の組み合わせ | バランスの取り方 | 音色(tone color) |
Tp+Hrn | Tpを大きめ | 明るい |
Sax+Hrn | Saxを大きめ | 艶がある |
Fl+Cla | Flを大きめ | やわらかい |
Trb+Euph | Euphを大きめ | 温かい |
木管低音+Tuba | 木管低音を大きめ | 芯のある響き |
などなど、「音色」は楽器の組み合わせによっていろいろな色が醸し出されます。つまり、「音色」は 楽曲のフレーズに応じての意思統一とバランス調整で、フレーズの色はどのようにも変化するのです。 ぜひ、皆さんもいろいろなフレーズで、楽器の音を絵の具のように混ぜ合わせて、いろいろな音色を 研究してみてください。 |
(C)2017 Masanori Fukuda
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