3.設計の完了まで
各部屋の打ち合わせ
事務所での打ち合わせが終わり、その日に
設計事務所からメールが入った
(設計事務所からのメール)
今日は事務所まで来て頂いて有難うございます。
お疲れになったと思います。
今後の進め方ですが、まず、概算の見なおしをさせて頂きます。
それから、もう少し各室の詳細な部分についての打ち合わせをして行きたいと思っています。
村西さんとしては資金計画を良く考えておいてください。
各室の打ち合わせに入る前に調べて頂きたい事を書き出します
奥様にキッチンについて確認して頂きたい事を書き出します。
- 今のキッチンについてですが、収納されている小物調理道具はどんな状態ですか?又、どの位の大きさがありますか?
「ぶら下げる」フライ返し、おたま、はさみ、計量スプーン、栓抜き、おろし金、皮むき器
「水きり棚」ザル、水きりかご、
「置く」計量コップ、計り、ラップ、アルミホイル、ビニール袋
「立てる」調理箸、しゃもじ、すりこぎ、
「差し込む」包丁
- 大物調理道具については如何ですか?
「立てる」お盆、鍋蓋
「置く」フライパン、鍋、やかん、圧力鍋、蒸篭
- 電気調理器については如何ですか?
「置く」電子レンジ、炊飯器、コーヒーメーカー、ほっとプレート、ジューサーミキサー、フードカッター、ハンドミキサー、ポット、トースター、オーブントースター、餅つき器、パン焼器、食器洗い機
- 調味料入れについては如何ですか?
「置く」袋、プラスチック容器、ビン、缶
※塩、砂糖、酢、醤油、味噌、みりん、香辛料、コショウ、からし、唐辛子、ブイヨン、コンソメ
カレー粉、スープの素、ポン酢、びみさん、マヨネーズ、ケチャップ、ドレッシング、のり、油
- 食器についてはどの位の大きさで、どの位の量がありますか?
皿(大、中、小)、コップ、ワイングラス、おわん、どんぶり、スープ皿、湯のみ、きゅうす、ラーメンどんぶり、スプーン、箸、楊枝、ナイフ、フォーク、土鍋、重箱、弁当箱、水筒、タッパー
- 食品については如何ですか?
「生物」魚、肉、野菜、パン、果物、漬物
「乾燥物」干ししいたけ、のり、ひじき、切干大根、ラーメン、スパゲッティー、そうめん、マカロニ、かつお節、米、豆、春雨、くずきり
「粉物」パン粉、小麦粉、片栗粉、きな粉
「缶ずめ」魚貝、肉、シーチキン、豆、トマト、マッシュルーム、アスパラ、パイナップル、みかん、パスタソース、スープ
「レトルト」冷凍食品、カップ麺、カレー粉、お茶ずけ、ふりかけ
「お菓子」プリン、ゼリー、せんべい、チョコレート、ガム
「酒」ビール、酒、焼酎、ウイスキー、ワイン
「飲料物」牛乳、麦茶、ジュース、ヤクルト、コーヒー豆、紅茶、お茶
- その他については如何ですか?
「洗剤」
「汚れ物拭き」台拭き、食器拭き、キッチンペーパー、テッシュ
「ゴミ置き場」生ゴミ、ビン、缶、可燃ゴミ(ビニール、紙)、リサイクル(牛乳パック、トレイ)
- 収納する器については如何ですか?
米びつ、各グループ分けしたかご、トレイ、収納棚、ポット
※1〜8までは、キッチンの必要な収納の大きさを確認する為に調べて頂きたい事です。大体で良いのでメモしておいて頂きたい。(寸法の書き方の参考例を見てください)
この作業は結構大変です。ですが、後で後悔しない為に是非、実行して頂きたい。(調味料などの小物は最悪、各グループ分けしてある大きさが解れば良いです。)
- 冷蔵庫は買い換えの予定が無くても、今後、どの位の量を入れたいのか。検討しなければなりません。
子供の成長を考えながら将来を見越した検討が必要です。
使い勝手の考え方では電気屋さんなどで、まず、どんな考え方の冷蔵庫があるのかを確認して、家に戻り、今どんな使い方をしているか確認をします。
「冷蔵庫内の各室の大きさはどうか?高さはどうか?仕切りの状態は使い易いか?掃除をする時取り外せるか?」などをチェックします。これは、野菜室や冷凍室、冷蔵室などについて行います。
希望の大きさを決めた後、再度、電気屋さんで冷蔵庫を選びます。(この時は妥協が必要)
この作業をして初めて冷蔵庫の大きさが決まります。カタログなどで確認も出来ますが本物が一番です
- ガス台と作業をするスペース、シンクの大きさ、それぞれの高さも確認して頂きたい。今後、キッチンの高さを決定する時に重要となる。
以上です。
収納についてはどの位のスペースが必要か、又、将来の余裕をどの位考えるかという問題が一番大きいのです。適当にしてしまうと収納が多い時は良いのですが足りなくなった場合ダイニングに溢れ出します。
そんな事がない様にしたいと思いませんか?
又、食器や器具、食品をグループ分けをする事が出来るので使う頻度によって置く場所を工夫できるメリットがあります。
どういう事かというと、使う頻度が激しい物は近くに置き、頻度の少ない物は遠くに置く事によって作業効率が非常に違ってきます。
頻度の多い食器、器具、食品は流し台、作業台、ガス台の近くに置き、頻度の少ない食器、器具、食品は倉庫に置くという区分けが出来るので作業効率が非常に良くなり、食事を作る事や片付けをする事が楽になり、楽しくもなるのではないでしょうか?
私がお聞きしている理由はこの作業を楽に楽しく出来るようにする為です。どうか、投げ出さずに実行して下さい。与えられた物を使いこなすという考え方ではなく、使い易い物を作り出そうとお考え下さい。せっかく、自分で使い易いように作れるのですから・・・
収納量が出た段階で収納の仕方は提案させて頂きます。
宜しくお願いします。
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(明男からのメール)
キッチンの収納の件ですが、大体の寸法を書き出しました。
使っている物があまり無い事に驚かされました
結婚式の引き出物など本当に多いです
使わない食器の為の戸棚などがあり、本当になんの為の戸棚か分からない状態でした。
「住宅を建てるという事は生活の見なおし」という言葉を実感出来ました
それで、これからどうしたら良いですか?
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(設計事務所からのメール)
自分に合った住宅を建てようと思うであれば、まず自分の日常の生活の仕方を見つめ直して自分がどういうスタイルの生活をしているか見極める事が非常に大切になります。
自分の生活スタイルを簡単に考えてしまって、適当に作ってしまう事が一番後で後悔する原因となります。
村西さんの生活の見直しも始まったばかりです。
村西さんに合った住宅が出来あがったとすれば、その住宅は住み始めた時から体に馴染み、何十年もそこで住んでいるような錯覚を起こさせる住宅になるはずです。そんな住宅になるように頑張って行きましょう。
さて、調理器具や食料品の寸法が解った所で、この次はこれらの調理器具の種類分けをして頂きたい。
これは、使う頻度によっての仕分けです。
使用頻度の高い順番に3段階程度で考えます。
まずは、使用頻度の高い物で以下の項目での分類
- コンロの近くにあった方が使い易い物
- 流し台の近くにあった方が使い易い物
- 調理台の近くにあった方が使い易い物
- 食器洗浄機の近くにあった方が使い易い物
- 食器乾燥機の近くにあった方が使い易い物
- オーブンの近くにあった方が使い易い物
キッチンにどんな器具を入れるか決まっていませんが、以上の6つ位を目安に分けて頂きたい(増減して構わないです)
例を上げますと、フライパンは卵焼きなど毎日使うのでコンロの近くに収納したい。
お玉は味噌汁などに毎日使うのでコンロの近くにすぐ取れるように吊るして収納したい。
水きりかごは流しの近くに収納したい。見えないほうが良いと思うなどです。
ここで、はどんな料理を多く作るのか、レパートリーなどの見直しも出来ます。
その次に使用頻度が中位の物を分けます。
中位になると多少移動して準備をしても構わない物という見方になります
例を上げますと土鍋とかホットプレート、圧力鍋です。
その次は使用頻度が殆ど無い物、又は使わない物です。
一応、例を上げますと結婚式での引き出物で貰った鍋、やかん、使う事のない大鍋、ジューサーミキサー、パン焼器などです
ジューサーミキサーやパン焼器は人により違います。ちなみに私の家では、寝ています。
大体、使用頻度をこの3段階に分ける事で収納スペースを決める事が出来ます。
そして、調理器具だけではなく、電気調理器、調味料、食器、食品、洗剤、汚れ物拭き、ゴミ置き場、収納する器などについても行ってください。
この作業は何があるか分かっているのであまり大変ではないと思います。
頑張って下さい。
ここまで、来ていますのでお話しますが、建主の中には大変過ぎるので変わりにやって貰えないかと言われる事もあります。
とても大変で、そんな時は写真で棚の中を撮らせて頂いて、想定して設計した事もあります。
でも、決して良い結果にはなっていません。建主の意気込みが設計に反映されなくなるからです。又、設計者の考え方が折り込まれてしまい。建主にとって本当に使い易いキッチンにはならないからです。
キッチンは十人十色の使い方があり、設計者には代役を完璧に務める事は出来ません。それは、そのキッチンを使うのはあくまでもその家の人間だからです。
残りの作業も頑張って下さい。
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(設計事務所からのメール)
ご苦労様でした
大変だったと思います。ですが、これでまた一歩、村西さんのライフスタイルに合った住宅に近づいたと思います。
これから収納の仕方を検討して提案させて頂きます。
何か他に要望がありましたらメールを下さい。
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(明男からのメール)
先日、どうしてもキッチンの展示場を見学してみたくなり、行ってきました
いろいろな収納方式がありびっくりしています。棚が降りて来たり、扉の裏側にも収納ポケットが付いていたりで驚いています。
流し台もいろいろなスタイルがありどれが本当に使い易いのか、全く解りません。
疲れました。
でも、いろいろ物がある事が解って良かったと思っています。
妻からの要望を書き出します
- 流し台はシンクが大きくて大きなフライパンが二つ入るもので上にまな板が乗るもの
- 洗剤入れが工夫されている物
- 水洗は水が飛び散らないようにシャワーの方が良いと思っている
- カウンターは人工大理石が良い(綺麗)
- ガスコンロは高さが高い物と低い物があってどちらが良いか検討中
- 電気コンロは使い易いですか?
- オーブンは入れたい(パン、ケーキ用)
- レンジフードは掃除のし易い物で部屋の中に油分が出ない物が良い
- 汚れが拭き易い壁は採用したい
- 食器洗浄機は欲しい
- 足元の温風ヒーターは暖かそう
- 収納は吊戸棚が下がって来るものは使い易そう。引き出しも多い方が良いと思う
- 調味料入れやお玉、フライパン返し、まな板、布巾などの細いスライドラックは使い易そう
- 炊飯機を収納するキャビネットはいらない(炊き上がったご飯の匂いが好きだから)
- 収納については提案をお待ちしています
以上が見て来てカタログを参考に書き出した項目です
かなり、適当になっていますが金額に糸目を付けずに作るのであればこんな考え方で行きたいと思います
如何なものでしょうか?
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(設計事務所からのメール)
展示場に行かれたのは良い事だと思います。
村西さんの家です。自分で研究する事が大切だと思います。
キッチンの設備については一度ご意見をお聞きしようと思っていた所です。展示場で確認されてカタログでもう一度確認して頂いているので、かなり、内容のある要望であると思っています。
要望をお聞きしたので疑問に思った事と私の考え方を意見させて頂きます。
- 「流し台はシンクが大きくて大きなフライパンが二つ入るもので上にまな板が乗るもの」という事ですが二層シンクでなくて良いですね?(二層シンクはあまり使い勝手が良くない。二層にしたいなら大きな洗いおけを使った方が便利だと思われる)
- 「洗剤入れが工夫されている物」というのは洗剤置き場という意味ですね?置くものとしては金たわしやスポンジなども一緒に置くと考えて良いですよね?
- 「水洗は水が飛び散らないようにシャワーの方が良いと思っている」という事はシャワーのホースのようになっているものもありますが如何でしょうか?使い易いと思います
- 「カウンターは人工大理石が良い(綺麗)」これは問題があると思います。現在キッチンはオープン式なので丸見えですので人工大理石の方が見た目には良いと考えがちですが、傷が付き易い事と熱にあまり強くないとうことがあります。いつも、気を使いながら使用するのも疲れるので、ステンレス製がお勧めです。
- 「ガスコンロは高さが高い物と低い物があってどちらが良いか検討中」ということですが、低くした時のメリットをお話します
- 電気コンロは使い易いですか?
- オーブンは入れたい(パン、ケーキ用)
- レンジフードは掃除のし易い物で部屋の中に油分が出ない物が良い
- 汚れが拭き易い壁は採用したい
- 食器洗浄機は欲しい
- 足元の温風ヒーターは暖かそう
- 収納は吊戸棚が下がって来るものは使い易そう。引き出しも多い方が良いと思う
- 調味料入れやお玉、フライパン返し、まな板、布巾などの細いスライドラックは使い易そう
- 炊飯機を収納するキャビネットはいらない(炊き上がったご飯の匂いが好きだから)
- 収納については提案をお待ちしています
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このようにして、各室の打合せが進んで行きます。
そして、下記のような内観パースを作成することで、実際に出来上がる家を疑似体験して頂きます。
こうすることによって、思い違いのない、勘違いのない家を建てられると思います。
リビングから2階のプレイルームとダイニングを眺めたパース
リビングから2階のプレイルームとダイニングを眺めたパース
リビングを眺めたパース
リビングを眺めたパース
リビングを眺めたパース
ダイニングからリビングを眺めたパース
ダイニングからリビングを眺めたパース
ダイニングとリビングを眺めたパース
ダイニングを眺めたパース
これより先のドラマを聞きたい方はお問い合わせ下さい
もっと、リアルに設計進み方、家が出来上がるまでの
内容をお話させて頂いています
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