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刺傷被害の発生時期とその原因

|種による攻撃性の違い刺傷被害の発生時期とその原因スズメバチによる集団刺傷被害ハチ刺されと死亡事故

刺傷被害(以下被害)の大半は8〜10月の3ヶ月間に発生し,中でも9月が最も多くなっています.名古屋市ではこの3ヶ月間に約80%が発生しています.被害の発生はコロニーの発達状況とよく一致しており,いずれの種も巣が大きくなり活動が活発となる時期ほど危険です.

また,8〜10月には,オオスズメバチが他種のスズメバチの巣を集団で攻撃し,幼虫や蛹を餌として持ち帰ります.その前段階として偵察バチが飛来するようになると,キイロスズメバチやモンスズメバチでは巣全体が神経質になり,人が巣から数m〜15m以内に近づくと攻撃してくることがあります.

コガタスズメバチによる被害は,9月が最も多く、次いで8月,10月の順となっています.7月にもかなりの件数の被害が発生しており,営巣規模の小さな6月にも被害が発生することがあるので注意が必要です.

樹木に作られた巣が原因となって発生する場合が大半で,庭木の手入れなどで誤って巣に触れたり,枝などを揺らして巣を刺激した結果刺されたケースが半数以上を占めています.被害が発生した巣の平均の高さは1.6mと大人が手を伸ばすと届く高さでした.

キイロスズメバチの被害は5〜11月と長期にわたっています.8月が最も多く次いで9月となっています.これは初期の営巣場所が手狭になると軒下などの開放空間に引越をする習性があり,それが被害の増加につながっていると考えられます.被害が発生した巣の平均の高さは2.9mと手を伸ばしても届かない高さでした.そのため巣に触れたケースは駆除作業中などの9件のみで,26件はたまたま近くを通行したか,近くにいただけで被害にあっており,本種の攻撃性の強さがうかがわれます.

オオスズメバチは地中や樹洞に営巣することが多く,近くを通行した際の振動が巣に伝わり攻撃されることがあります.そのため集団被害が発生しやすいので注意が必要です.名古屋市でも以前に保育園児など10名が被害にあったケースがありました.

被害は他の種とは異なり10月が最も多く,次いで9月となっています.これはこ営巣場所が土中や樹洞であるため普段は人目につきにくいものが,秋になり山野に出かける機会が多くなると被害が増加すると考えられます.キイロスズメバチと同じく引越の習性があるモンスズメバチも,8月に最も被害が多くなっています.