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稲沢市でチャイロスズメバチの営巣が確認されました!(2016)


2016年8月10日に,稲沢市にある県営木曽川祖父江緑地で,シラカシの樹液に飛来したチャイロスズメバチ一頭を発見しました.11日にはシラカシで働きバチ4頭,40m程離れたクヌギで数頭同時見つかりました.飛来数が多いことから,巣は比較的近くにありそうですが,11日の調査では見つけることができませんでした.

12日に国営木曽三川公園ワイルドネイチャープラザにある,オニグルミの木が気になったので見に行ったところ,何と樹洞からチャイロスズメバチが出入りしていました.このオニグルミの樹洞は,2013年と2015年にモンスズメバチが営巣していた場所です.

樹洞には目張りがほとんど作られておらず,前日の11日(あるいは10日)に引っ越しをしてきたばかりだと考えられます.翌13日には目張りが作られ始め,18日にはチャイロスズメバチ独特の目張りが完成していました.引っ越し後間がなく,巣内には幼虫がほとんどいないためか,外役に出かける働きバチはほとんどありませんでした.

その後は,目張りの様子には変化がありませんでしたが,巣の入り口付近に止まる働きバチの数も増え,時折外役に出かける働きバチもありました.9月3日まではこの状態が続きましたが,少し間隔が開いて9月10日に現地を訪れた所,外皮が破損し成虫も全く見られませんでした.この一週間の間にオオスズメバチに襲われ,廃巣になったものと思われます.

昨年この木に営巣していたモンスズメバチは,10月始めにオオスズメバチに襲われ廃巣になりました.例年10月上旬頃がオオスズメバチの攻撃を受けやすい時期ですが,今年は早々と襲われてしまったようです.しばらく様子を観察しましたが,チャイロスズメバチ,オオスズメバチとも姿を見ることはありませんでした.

9月10日に,巣の近くのアレチウリの花で働きバチ2頭を目撃以降は,全く姿を見ることがありませんでした.最初の発見地である樹液でも,8月25日を最後にその姿を見なくなりました.

本種は愛知県内では東部の丘陵地を中心に営巣が見つかっていました.今回のような平地で営巣が見つかるとは思ってもおらず,意外な発見に驚いています.しかしながら,早い時点で廃巣になってしまい残念です.付近には別の巣がある可能性もあるので,引き続き調査をする予定です.営巣場所 樹液


チャイロ地図

シラカシの樹液を舐める働きバチ(8/10) シラカシの樹液に集まる働きバチ(8/11) 河川敷に拡がる森を東側堤防から望む(8/13)
営巣が見つかったオニグルミ(8/13) 巣穴の様子(8/12) 巣穴の様子(8/13)
巣穴の様子(8/15) 巣穴の様子(8/18) 巣穴の様子(8/25)
巣穴の様子(9/3) 巣穴の様子(9/10) 巣穴の様子(9/24)
巣穴の様子(10/10) アレチウリの花で吸蜜する働きバチ(9/10) 同じ巣の別の巣穴の様子(8/23)
同じ巣の別の巣穴の様子(9/3) 2013年にはモンスズメバチが営巣(9/30) 2015年にもモンスズメバチが営巣(9/3)