TOPページ名古屋のチャイロスズメバチ2005年以前の概況 > 2005年

3年振りにチャイロスズメバチの営巣を確認しました!(2005)


8月26日午前,市内の雑木林に生えている2ヶ所のアベマキで,樹液に飛来している本種の働きバチ計3頭を捕獲しました.チャイロスズメバチの発見はこれで6年連続となります.複数の個体が樹液に来ていたことから,比較的近くに巣があるものと予想されました.

8月29日にこの場所から100m程離れた場所でスズメバチの駆除依頼があり,現地調査の結果チャイロスズメバチの営巣が確認されました.営巣場所は建物の2階軒下で,本種としては珍しく開放空間に営巣していました.営巣場所が8mと高い場所で駆除が難しいことと,高所のため危険は少ないと判断されたので,そのまま放置して様子を見ることになりました.

9月6日に巣が落下してしまったという連絡があり,翌7日午後に現地で確認したところ,巣盤は全部地面に落下し,巣の基部のみが残っていました.営巣場所が軒下の先端部であったため,風雨で巣が水分を含んで重くなり自然に落下したものと考えられます.本種は遮閉空間に営巣することが多く,そのため巣がもろく,防水性も十分でなかったものと想像されます.残された巣の基部には50頭以上の成虫が確認できました.

9月14日には新しく巣盤が作られており,外皮の再建も行われていましたが,成虫数は急激に減少し,10数頭が止まっているだけでした.

9月21日には巣盤に幼虫(4齢)が確認できました.はたしてこのまま蛹になり成虫になることができるのか興味津々です.成虫は7頭が巣に止まっており,育房数は35個程度です.

9月26日に現地を訪れると,成虫は1頭が確認されたのみでした.巣盤が破損した様子も確認できました.営巣が確認された8月下旬からしばしばオオスズメバチが飛来するのが目撃されており,オオスズメバチの襲撃を受けて営巣活動は終了してしまったようです.

アベマキの樹液を舐める働きバチ(8/26) 別のアベマキの樹液を舐める働きバチ(8/30) 軒下に作られた巣を東側から見た様子(8/30) 軒下に作られた巣を北側から見た様子(8/30)
巣のあった場所に50頭以上の成虫が止まっている(9/7) 成虫の数が急に少なくなった(9/14) 巣盤が再建され幼虫の姿も見える(9/21) 成虫が1頭確認されたのみである(9/26)