地獄のトリムバレー
去年は強制だったけれど、今年は強制はされなかったけれど役員だから、PTA会員の親睦を深めるという「トリムバレー大会」に参加しました。でも、もともと低血圧・低体温の私は、去年から体調が悪く、特に季節の変わり目のこの時期は悲惨です。去年の大会の時は、まだ"茶色のサングラス"のことを知る前だったので、本当に目が回って気持ち悪くなり、うずくまってしまいました。(でも、だ〜れも心配してはくれない。まあ、してもらいたいとも思っていないけど。)
練習も必ず一回は出ろと言う人がいたので(耳にしなければ出なかったのに!)、昼間しっかり寝ておいて万全の体調で行きました。その日はいつもと違うスケジュールに合わせるためと2時間もつかどうか不安で、一日イライラして子供らを怒鳴り散らしていたのは言うまでもありません。たかがそれだけのことで、と思う人もいるかもしれませんが、年が年なのでもともと無かった筋力と体力はもう限界に近づきつつあるのだと思います。それに、躁鬱の波が重なるので、体を使う用事の後は精神的に最悪になるのが最近の常です。
特に行事が無くても、普段から、緊張したりストレスを感じた後に突然全身の力が抜けて、動作が鈍くなったり坐りこんでしまったりします。そんな時に頭の中でイヤ〜なことが次から次へと再生されたりすると、不整脈で息が苦しくなります。それに、力仕事をしたり冷えたりすると、筋肉が硬直して力が入らなくなります。これが「自閉症」の症状のカタトニアと言って良いのかどうかはよくわかりません。協調運動の発達の悪さに何らかの関連があるのでしょう。でも、痛いわけじゃないし動こうと思えば動けるから、休む理由にもならないので、サボリもせず頭数の務めだけは果たします。
まだ自分が"普通"だと思っていた去年は、それでもみんなの真似をしようとしていたので、何か喋らなければという自分自身の絶対命令に縛られて、それだけでもとっても疲れました。でも、今年は、落ち込まない為の"安全装置"をしっかり働かせて自己防衛するようにしました。それは、ニンゲンをゾンビ化させない方法です。
- 用事と自閉症とゲーム以外の、余計な会話をしない。
- 人の顔(特に目)を見ない。
- なるべく人から離れている。
- 頭の中でCDを再生し続ける。
普通の人が見たら、「なんじゃ、こりゃ!」というような内容だけれど、仕方ないのです。人と会話した時の、断片的な映像記憶と音声の記憶がクセモノだということがわかった以上、こうするしかないのです。
こんなのがトリムバレーのメンバーにいたら、さぞや迷惑だったろうな、と思います。本当にゴメンナサイ(なんてことをここに書いても仕方ないか)。「声出していけ!」と言われたってなんて言ったら良いかわからないし、第一、声を出す事が出来ない人魚姫なのです。自分やチームメートの失敗や成功に対して何らかの感情を声や体で表現して、励ましたり慰め合ったりするなんていう"当たり前の事"が、私には登記書類を作ることより遥かに難しい事なのです。みんなが手を叩き合ったりしていても、一人でパチパチやっているのが関の山です。でも、時々相手チームに点が入った時にも、つられて手を叩いちゃったり…。
一回戦で負けて帰ってくる予定だった試合の方は、何故か順調に勝ち進んで4位になってしまいました。数える気力も無かったので何回試合をしたか覚えていませんが、一回戦の後は腕、二回戦で足、三回戦目で首、とだんだんに石化して確実にゴーレム(体が岩の巨人)になっていきました。でも、「出来もしないことはやらなくていい」と思うだけで気が楽でした。今日は、無理してでも夕飯を作ろうなんて無謀な事は考えずに、休みます。
でも、一度でいいからパニック起こして暴れてみたい!!! これ、本心です。
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