なんで私、ここにいるんだろう
「死にたい」と口に出して言っているヤツはなかなか死ねない、とはよく聞くけれど、私も一日に一回は「死にたい」と思い続けて、もう30年も生きている。発達障害児の集まりに行くと、必ず一人は「僕はバカだ、死んだ方が良いんだ」とブツブツ言っている男の子を見かけるものだが、それを口に出さずに頭の中で唱えているようなものだろう。中学の頃に、毎日、バカだの死ねだので書き始めては、「自分は天才だ!」で終わる日記を書くのが習慣だったのを思い出してしまう。
昨夜は、何もしないで休みにしたのはいいけれど、何も言わなければいつまでも興奮して遊んでいる子供らを追いたてるように早々と寝かせた後も、全身のこわばりがとれないので、なかなか眠れるものではなかった。これからだんだん動かなくなって固まって行くなんて素晴らしい! けれど、面倒を見なければならない家族はいるけれど、面倒を見る能力のある家族は一人もいないから、そうなったらどうしようなんて考えてボ〜っとしていた。9時ごろ、外が騒がしいので聞き耳を立ててみると、紛れもなく昼間一緒にトリムバレー大会に出たPTAの人の声。そうか、慰労会が終わって、ぐでんぐでんに酔っ払ってご帰還というわけか! その時、こんな言葉が頭の中をよぎった。
「なんで私、ここにいるんだろう?」
その後も、首から顔面や頭の筋肉がカチンコチンで、やっぱり眠れないからTVを見ていた。そうしたら、TBSの「情熱大陸」という番組で工藤夕貴が出ていた。彼女は、単身ハリウッドに乗りこんで女優としてゼロからスタートし、最初の主演映画が完成したところだそうだ。その彼女の言葉。
「パーティに行くと、金髪で背の高い人に囲まれるじゃないですか。そうすると、なんで私、ここにいるんだろうって思うんですけどー」
「なんで私、ここにいるんだろう?」
同じだ! 外国に一人でいるのと同じ感覚なんだ! なにを今更という感じが無くもない。そうか、同じ思いをしている人がいるんだ。そして、締めの言葉。「支えてくれる友達や家族がいたから、やってこれたと思うんですー。」(もうひとつ、体が健康でありさえすれば、という発言があったけれど、それは無視) そうねぇ、今は、本当の気持ちを打ち明けられる人がいるんだ。やっぱり、これは大きいよね。
そういう人達に巡り会えて、FF(ファイナル・ファンタジー)の7と8が全クリできて、フィギアも集まってラグナロクの部品が全部揃って完成したから、まあ、楽しいこともあったなぁ。次の「アスペの会」に行く日をめざして生き延びていれば、FF9も見れるかも。でも、その時に果たして指が動くかどうかわかんないな、なんて思っているうちに眠ってしまいました。やっぱり、単細胞!
部分的・全体的に石膏のギプスをはめられたようなこの感じは、子供の頃からず〜っとあって、体が固いせいだの気のせいだのと思ってきましたが、どうやら脳と神経に関わるもののようです。でも、どこに行って誰に相談したら良いのか分からなかったのでした。これも、『ガイドブック・アスペルガー症候群』を読んで知ったことです。やっぱり、病院には行った方がいいらしい。
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