相田みつを 「いのちのことば」
みんなほんもの
トマトがねえ トマトのままでいれば ほんものなんだよ
トマトをメロンにみせようとするから にせものになるんだよ
みんなそれぞれに ほんものなのに 骨を折って にせものになりたがる
欠点まるがかえで 信ずる
肥料
あのときの あの苦しみも あのときの あの悲しみも
みんな肥料になったんだなあ じぶんが自分になるための
ひとりになりたい ひとりはさびしい
泣
強がりなんか いうことないよ やせがまんなど することないよ
だれにえんりょがいるもんか 声をかぎりに 泣くがいい
ただひたすらに 泣けばいい
つまづいたって いいじゃないか 人間だもの
道
長い人生にはなあ どんなに避けようとしても
どうしても通らなければならぬ道というものがあるんだな
そんなときはその道を だまって歩くことだな
愚痴や弱音は吐かないでな 黙って歩くんだよ ただ黙って
涙なんかみせちゃダメだせ゛ そしてなあその時なんだよ
人間としてのいのちの根がふかくなるのは
私の気持ち…。 相田みつを『育てたように 子は育つ』より