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【NO15】
お便りはこちらです。 観劇の感想、 ご贔屓の役者さんへの想い、HPの感想、独り言、情報etc。 |
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「南座鏡山」 京都に行く用事があったので、27日早起きをして南座の千穐楽に行って来ました。 「再岩藤」に比べればわくわくするような面白さは確かに欠けていました。「初浦尾上之助」や「藤波由縁丞」なんて尾上、岩藤にちなんだ名前なんだけど、聞きづらかったです。若手中心のせいか勉強会のように見える面もあるし、話を筋通りに運ぶだけなので構成を考える必要もありそうです。観客の心をぐっと掴む場や涙を誘う場も弱いというか無きに等しい。歌舞伎座の「再岩藤」のように導入部があって「ふわふわ、宙乗り」で湧かせ、「又助住居」で泣かせて、「御殿」で尾上・岩藤の対決、立ち回りのあと大団円で「あ〜良かった」というメリハリがないのです。蟹江兄弟にあたる湯尾兄弟も獅童、錦弥で悪にはちょっと軽い感じです。でも草履打ちの場で(橋之助が染五郎を打つ)、他の人は正面を向いているだけで役の腹が伝わってこない中、獅童さんはちゃんと反応していました。 Mr.マリック監修のイリュージョンで面白かったのは、骨寄せの後、骸骨から岩藤に変りまた骸骨に戻るところで、どうなっているの?と思わせます。岩藤(吉弥)が孫にあたる由縁丞(橋之助)に術を授けるのを光で表したところも気に入りました。橋之助さんが蝶(これはもっと歌舞伎ぽくした方が良い)に乗って見得を切る場では紙吹雪きが舞うのですが、紙吹雪を蝶の形に切る懲りよう。朝日の弥陀が宙に浮くイリュージョンがあるのに観客はそれほどわいていませんでした。もしかして(浮いているのが)良く分からなかったかもしれません。 張り切っていたのは橋之助さん。女形(声がひどかったけど)もあり、衣装をとっかえ、ひっかえで一番動いていました。最後まで前髪なのは気になりましたが。 「千穐楽にてこれ切り」で幕が閉まったのですが、もしかしてカーテンコールがあるかもと期待して座っているとアンコールの拍手が鳴り響きました。幕が開くと、染五郎さん、扇雀さん(立ち役の姿、結構似合っていた)、橋之助さん、翫雀さん、高麗蔵さんがそのまま板付きでいました。翫雀さんからひとりひとりそれぞれの想いを話して最後は三本締めでお開きでした。涙もろくてと言いながら橋之助さんは涙を浮かべていました。 それぞれのコメントと三本締めは猿之助歌舞伎のカーテンコールでもしてほしいなと思って南座を後にしました。 |
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国立劇場と歌舞伎座 お久しぶりです。 皆様の書き込みは何時もなるほどなるほど、凄いもんだなどと思いながら楽しく拝見しています。 歌舞伎はほぼ毎月観ているのですが、自分の考えがまとまらず随分と感想を送れませんでした。 10月の国立劇場は、猿之助さんのあの『小栗判官』との違いをどの様に見せてくれるのかと期待して行ったのですが、少しがっかりしてしまいました。劇評では、好意的な意見がかなりあった様ですが、むしろ私などは改めて猿之助さんの凄さを思い知って帰ってきた次第です。 役者さん達は一生懸命に演じているのですが、その割には盛り上がらない舞台だと感じました。 これは決してけなしているのではなく、せっかく意欲的に取り組んだのに、もっと面白い舞台を見せる工夫がありそうなものだと思うのです。 その点、『加賀見山』はさすがに面白く、前回よりも一門の皆さんが更に力を付けて素晴らしい舞台になったと思います。玉三郎さんとの競演も嬉しく、友人もその艶やかさにビックリしたと話していました。 一年中市川猿之助さんの舞台を観ていたいと何時も思ってしまいます。皆さんも同じではないでしょうか。12月もまたまた楽しい競演が観られそうで、今から楽しみです。 もし最初に猿之助さんを観ていなかったら多分歌舞伎にそれほどは興味を持たなかったと思います。同じ時代にめぐり合えて本当に良かったと思っています。 歌舞伎座で携帯ストラップを買ったのですが(弁慶)、ぜひ狐忠信を(勿論猿之助丈がモデル)出してください松竹殿。 まとまりの無い文章ですいません。急に寒くなって来ましたが皆様お体にお気をつけてお過ごし下さい。 |
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29日紫先生の会 かぶりつきの席での観劇でありました。 私の周囲は超・ご贔屓さんばかりでして私のような若造がすわってええんかいなと小さくなって見てたんですけど、段々背が伸びて最後のほうではすっかりいす半分でノリノリでみていました。私のために見にくくなってたらすみませ〜〜んっ! @ 漁樵問答(ぎょしょう)―――――――――――――― 番つけによると・・・日本の有名な「浦島太郎」と「養老の滝」の二伝説を ↑泉の酒という霊酒の意味 合体させて老若2人がたちまち若者は老人に、老人は若者のなるという 奇抜な発想で作品を創造しているところに面白みがある・・とのこと。 猿さま、腰を曲げて杖をつき弱々しく登場。ひやぁ〜びっくり。ほんとに 老人に見えてしまう。よいしょと一休み中に段四老さん、若々しく浦島太郎で 登場。脇にはそうです。玉手箱かかえて。 「素踊りで踊り手、役者の力量がはっきりとわかる」とよく言いますが 猿さまの目の表情、手の動き、段四郎さんが扇子で大きく動かすことで 大波の様子が浮かんだりとシンプルだからこそ舞台の世界が広がるんですね、 素踊りははじめてですがすっかり魅了されてしまいました。 漁夫(段四郎さん)は玉手箱を開けてしまい、樵夫(猿さま)は霊酒を飲むと たちまち老若が入れ替わり、猿さまは急に顔がピンピン若々しくなり 段四郎さんは開けてしまったため急にがっくりとしわしわに。(もちろん表情で) その入れ替わりぶりに客席が沸きました。 A 桜の宮物狂――――――――――――――――――― 渚の方(紫さん)花道の出でざわざわ〜、すごいきれい〜っ濃厚な美しさです 大鷹にさらわれた光丸を探している母親の切々とした感じがもう、花道で出てて 紫さんの目を見ただけでじわぁ〜と泣いてしまった私。 心優しい2人、しゃぼん玉売りの玉七(猿弥さん)蝶々売りのお蝶(笑三郎さん)が気の毒に 思って慰めても母の心はここにあらずで狂いながら去っていく〜という話でした。 このあと「良弁杉由来」の話につづきます。ここでは年老いた女乞食になるので 去っていった後も我が子を求めて探しつづける〜〜のですね。 B傀儡師――――――――――――――――― 花柳寿楽さんです。 とにかくびっくりしたのが畳一畳分くらいしか動いてらっしゃらないのに 舞台が大きくみえること!! 人形売りの話なので柔らかい雰囲気でとっても優しく温かく楽しい舞台でした。 C雪振袖山姥―――――――――――――――――――― なんてったって亀治郎さんが赤ッ面が話題の踊りです。 こう言う強いメイクをするのは私が見てるので平成4年の待春会の桜丸以来です。 見る前からなんだか緊張してしまいトイレに3回も行ってしまった私です。 話の筋は国立劇場で「四天王楓江戸粧」の山姥の話です。 亀治郎さんの赤いメイクも綿入れの着物も、立ち回りも見るのははじめてだし、 めったにないことじゃぁ〜と思って目をランランとさせて焼き付けました。 お酒の飲みっぷりもバッチリでした★〜。母を見つめる強い目もステキ!! これは必見だったと思う!でも見てない人も多いし、おもだかファン以外の人にも ぜひ見て欲しいなぁ〜と思いますので大歌舞伎で再演希望! ★たぶん、この山姥の立ち回りの振り付けだと思う、 『猿四郎さん、祝・立師デビュー!!』 |
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今頃ですが、、、「再岩藤」観ました。
はじめまして。皆さまの熱いカキコ、楽しく拝見しています。 いつも眺めているばかりでしたが、ふと”20世紀中に足跡を残したい”という衝動に駆られました(笑)。よろしくお願いします。 一門で最初に観た古典がこの「加賀見山再岩藤」でした。 私にとっては記念すべき作品、今回で三演目になります。 ありきたりで申し訳ないですが、何度観ても面白い! 上演の度に更に良いものをと改訂が重ねられ、また役者さんの精進も加わっていつも新鮮な感動に浸ることができます。 猿之助さんは拝見する毎に輝きを増していくように思います。何度ノックアウトされたことか・・ 困ったもんです(-_-;;) 四役どれも素晴らしい。 多賀大領の品。 敵役だけれど何故か憎めない格好イイ弾正。藤の花を大胆にあしらった衣裳も素敵ですね。 又助には泣かされます。志賀市に下駄を履かせ、汚れを払いながら志賀市の顔を見つめる深い眼差し、「この子事が黄泉路の障り...」というあたりが私は特に弱いです(;_;) 寄り添い、支え合いながら生きてきたであろう又助一家。とても心に残る人達です。 そして一番のお気に入りは岩藤です(*^-^*) 亡霊の凄み、宙乗りの妖しい美しさ。うっとりですぅ(#。#) 「草履打の場」でのねちねちと憎々しい様は痛快でもあります。今に使われる『お局サマ』という言葉の持つニュアンスを妙に納得させられます(~_~;) 尾上との対決も日を追う毎に深みを増しているわ、なんて生意気な事を思ってしまいました。 三階での観劇は最前列の、丁度宙乗りをお迎えできる良い席でした。岩藤のお顔が近づいてきたら、自分でも予期していなかった涙が出てきてしまいました。 猿之助さんの全てに魂を揺す振られたって感じです。マイリマシタ。。。 多賀家の方々には迷惑な事と思いますが、岩藤の又の復活を心よりお待ちしています(笑) |
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水の話、いいですね 康子・Sさん、シンポの報告ありがとうございました。 私も猿之助さんのお話聞きたかった!ダブルのスーツ姿も見てみたかった!! でもやっぱりハズレ組で、電話でもかなり粘ってみたけどダメでした。 (スーツと聞くと、さいらさんのインタビューの背広の引き抜きの話を思い出してつい笑ってしまうんですけど) 水の話、いいですね。 何事にも通じる話で、悩み深き秋を過ごしている私には心の有りようを言われているようでハッとしました。 夢や目標を芯に据えたら(どんな些細なことでも)心は流れる水のように融通無碍でしなやかで有り続けねば、方向を間違って自分自身をも見失ってしまうということなんだと思いました。 年を重ねて、自分でも気づかないうちに守るものも増え、心も硬くなりがちだけど、猿之助さんのように年齢など関係なく、いつでもマシュマロのように柔らかな心を持ちつづけたいものだと改めて思っています。 |
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猿之助先生 雨の中「京都学」シンポジウム参加してきました。 今日の猿之助さんは紺のダブルのスーツにネクタイ。(わぁ〜先生や!) 午後1時30分から3時まで、京都造形芸術大学の芳賀学長との対談形式でお話はすすみました。 今日のテーマは 「創造する伝統―伝統と革新」。 猿之助先生は大衆の娯楽として生まれた歌舞伎が、武士の教養である能のようになっていくのが非常に嫌で、もう一度江戸時代の庶民の娯楽としての歌舞伎に変えたいと思ってやってこられたというお話から始まり、 「僕は水が大好きなんです。水は流れるし、色々な形に変わる。なのに人は水を瓶にため込むことばかりを考える。でも、ためることが大切ではなくて水のしたたりを持続する力が大切なんです」と、伝統も大切なものとして守っていくだけではだめで、継続しながら、変えていかなければいけないんだ。でないと伝統は廃れてしまう。というをお話されていました。 そして「洗練されるとエネルギーを失う」ということも。 この言葉は第3回の「京都学と東北学」のとき梅原猛先生が「京都は非常におもしろい町で、人々も洗練されているけれどエネルギーがない」とおっしゃっていたので印象に残っています。歴史と伝統のある町を守っていくことばかりを考えているとどうしても内にこもりがちで外へ目を向けない。そうするとだんだんエネルギーというものは失われて行くってことなのでしょうか? そして、海外のオペラを演出されたときのお話などもされ、最後に歌舞伎界でこれからやりたいことというお話になると、「若い人に色々伝えていかなきゃならないけど、技術だけを伝えていくだけではだめなんで・・・。 でも、最近の若い人は、満たされているせいか欲がないんですよ。 こんなことやりたいとかあんな風にしたいとかって思わないみたいで・・・」と、ちょっと不満げ。 ―21世紀歌舞伎組のみなさん、本当に歌舞伎が大好きなら すばらしい師匠を見習って、もっと欲を出して頑張って下さい!― テープとか持っていかなかった(持っていない・・・)ので記憶だけでのほんの少しの再現です。 それにしても猿之助さん。25日に千穐楽。28日は京都で先生。29日は「紫の会」。来月は博多で『新・三国志』。さらには来年の『新・三国志U』のお稽古と・・・。芳賀先生が「役者、演出家、大学の副学長と3足のわらじをはいて、足がもつれないようにしてください」とおっしゃっているそうですが、3足くらいでは猿之助さんの足はもつれませんね。 ほんとにエネルギーの満ちあふれる素晴らしい人です。 この人のファンでよかった! |
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岩藤と又助 今度の「加賀見山再岩藤」は特に美しく、そして凄かったと思います。平成7年の上演の時よりもです。 どうしてこんなに感動したのか、ずーと考えていました。 結果、岩藤と又助、特に又助。これはもう、絶品でした。今回は、又助のくだりは、より真っ直ぐかつシンプルに上演されていたと思います。これが、この悲劇性を純化させたのではないでしょうか、役者は、もちろん、役者としての計算と冷静さもって演じているのでしょうけど、見ているほうはまさしく又助がそこにいるようで、猿之助丈の、ここの芝居がよかったという感想すら持つ余裕なく、見入っていまいました。 岩藤については、玉三郎丈の影響が大きいと思います。尾上の玉三郎丈によって、相乗効果があって、お互いの美しさ数千倍。まあ、亡霊の岩藤に美しいもなんですが、恐ろしいほどに美しく、おどろおどろしいほどに美しかったと思います。 ところで、弾正は。実は弾正で一番印象深いのは、荒御殿が元の奥殿に戻った時の憑き物が落ちたような姿。もともとこの場面とても劇的な瞬間なのですが、その時の姿が印象的です。 これは、いろいろ考えさせられました。例えば、自ら妖気を求めた仁木弾正と、乗り移られた望月弾正の違いだとか(考えすぎ?)、または、より大敵の出現によって相対的に小さくなってしまった敵、おりしも当月国立劇場の小栗判官における横山大膳のように(もっと考えすぎ?)。 いやあ、望月弾正、ほんとうに難しいですね。序幕で、ちょこっと顔みせて欲しかったかも。大敵→さらに強力に→もとの大敵→かっこ良い散りざまという風に。 望月弾正への深入りは、さておき、あの立ち回り!。猿之助丈のかっこ良さにほれぼれと、小気味良い思いでありました。 それから猿之助丈がカーテンコールで岩藤の姿で現れた時、その姿があまりにも澄みきっていて、一ヶ月猛威を振るった岩藤の霊が昇華されたのだなあ、と言う思いを持ちました。良いお芝居、ありがとうございました。 |
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千秋楽見てきました こん**は。千秋楽見てきました 歌舞伎座で一日中過ごして、疲れも気にせず感動に酔いしれてきました。 朝から小雨降る中仕事を休んで観劇に出かけ、昼の部はチケットがないので一幕見に並び、通しで席を確保。仁・玉コンビは相変わらず大人気で、特に三幕目(与話情浮名横櫛)からは平日なのに物凄い人でした。 仁左衛門さん、玉三郎さんのお二人は絵のようで素敵だし、寿猿さんが玉三郎さん相手にとても好演していらっしゃいました。隣りの席が大向こうさんで、千秋楽らしく賑やかにお声をかけていました。いつか私も声を掛けてみたいと憧れますが、そう簡単に声は出せるものではありませんね。 さて、夜の部はチケットを確保していたので余裕で観劇することができました。猿之助さんのお客様へのサービス振りは本当に感心します。いつも私たちを目いっぱい喜ばせてくださいます。 歌舞伎座のカーテンコールは毎度のことで、拍手が鳴り止まず、三階席は立ち上がっての拍手でした。カテンコールでの早変わりは、遺恨などない晴れ晴れとした岩藤の姿でした。1ヶ月の公演を無事に終えておめでとうございます。そしてご苦労様でした。 また、次への公演に向かって即走り出していらっしゃるエネルギーの凄さにも感動。 来年の新・三国志のお稽古もなさっていたとか、素晴らしいですね。それから12月のチラシを見てまたまた嬉しくなりました。団十郎さんとの共演で「勧進帳」と「身替座禅」とは。それから数年前に京都の夏の大学の講義でアンケートを書いた「西遊記」が若手の皆さんで上演されることになり、配役まで同じようなのに驚いたり嬉しくなったりで、12月も相当歌舞伎座に通いそうです 20世紀最後の年も、残り少なくなりましたが、色々な舞台を見て感動と元気をもらいました。21世紀も同様に沢山の舞台を観劇して行きたいと思っています。 先ずは12月のチケット頑張って取らなくては。12月は本当に大変。歌舞伎座のほかにも新之助さんの源氏物語。それから玉三郎さんの相手役段治郎さんで、このチケットも取れるかしら。それから一月、二月は八十助さんの三津五郎襲名公演もあるし、来年も早々からもう目が離せません。 お仕事中の美翠でした |
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千秋楽、すばらしかったです! 地下鉄丸の内線で銀座に着いたのが、午後4時ころ。ここから歌舞伎座までスキップして行きたい気分。しっかりお弁当も買って、幕が上がるのを待つ。そして、夢のような世界が現れて…。 観るたびに(と言っても3回だけですが)、感動が鮮やかに深くなる「加賀見山再岩藤」。 今さら言うまでもないことでしょうが、猿之助さんのお芝居の魅力は底知れませんね。3階席からだと、パノラマのように舞台の美しさが見渡せて、役者さんたちの動きも全体の中で見ることができて、また違った楽しさと迫力があります。 今日は千秋楽、猿之助さん、御一門の皆さんの気合も3階席までビンビン伝わってきます。客席の拍手の反応が早いこと、早いこと。とくに2列前にいた男性の方がすぐさま力いっぱい拍手をされるので、一拍子遅れながらも私も負けじと拍手してきました。 大向こうさんの掛け声も、背後から降り注いでくる感じです。ついつい首を前に突き出す前傾姿勢になってしまうのですが、気が付いたら周囲の方々も皆同じような姿勢で舞台に見入っていました。 幸せな時は早く過ぎていくように、ああこの場面、この科白、この姿とかき抱くような思いでいるうちに、お芝居はどんどん進行していきます(また滂沱の涙も流してしまいました)。そして大詰め。岩藤の迫力にひとしおシビレます。弾正の立ち回りで客席がドッと沸いている様子は3階席からのほうがわかるような気がします。 なんでこんなに素敵なんでしょう。お隣の若い女性の方は、だんだん熱中されていってここでヒートアップされている様子がジンジン伝わってきました。そのあとも、とどめをさすように早変わりの連続。万雷の拍手のなかで幕が下りていきます。もちろん拍手は鳴り止みません(2拍子的な感じでした)。 カーテンコールで幕が上がると、何と大領の猿之助さんが岩藤になっている!おぉーというどよめきが。 春猿さんや笑也さんお一人お一人にも大きな拍手、そして玉三郎さんにひときわ大きな拍手(今度のお芝居を観て、玉三郎さんの偉大さもよくわかったような気がします)。割れるような拍手と「おもだかや !」「やまとや !」の掛け声のなかで再び幕が下りてきます(もう一度カーテンコールにならないかなと密かに期待していたのですが…)。 さようなら、岩藤様。また、絶対お会いしたいと願っています。 劇場を出て行く人の波から「面白かったねぇ」「楽しかったねぇ」「早変わり、すごいねぇ」「さすがねぇ」といった会話が次々耳に飛び込んできます。どの人も本当に嬉しそう。 猿之助さんのすばらしいお芝居は、「人間でよかった」みたいな根源的な喜びに到達する至福を与えてくれると、しみじみ思っています。 |
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ついに千秋楽 ! 十月大歌舞伎の千秋楽、おめでとうございます ! ! ! ああ〜ァ、ついに25日、千秋楽になってしまいましたぁ〜〜。 何とかしてもう一度行けないかな…と昨日の夜もしつこく考えていました。 今朝になってもまだ心のどこかで、「今からでも間に合う…」なんて思っていて、いま昼休みの時間になって、ようやく本当に諦めがつきました。 行けないけど、皆さんと一緒に熱い観客となり熱くて温かな客席を作り出す一員にはなれないけど、心はすっかり歌舞伎座ですからねェ〜。千秋楽の舞台の様子、お知らせください。お腹をすかせたヒナ鳥が餌を待つみたいに口をいっぱいに開けて待ってまーーす。 さて、初カキコお待ちしてましたよ、U.Tさん。 Ikuko.Uさんの心がほんわかしてくるようなカキコに続いて紫野さんの嬉しくなるようなカキコがあったでしょ。 と来ると、「あとはU.Tさんのカキコが揃って完結やな…」って密かに期待してたんです。 こちらこそよろしく。一人でファンするのも楽しいけれど、皆でやれば百倍楽しいし、何より変な方向に入り込んだりしないから健康的ですよね。 ( ←ヘンな方向ってどんなんや ? ? って(笑)) そうそう、Mihokoさん、20日の夜は隣席になった母の面倒をよくみて頂いたそうで、ありがとうございました。母からいろいろとお世話になったと聞いています。ご迷惑をおかけしちゃいました。 それにしても本当にねェ、確かにどんどん広がるファンの輪ですねェ〜。 |
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初カキコ です 皆さま、はじめまして。 Ikuko.Uさんと紫野さんのカキコにつられて?出て参りました(笑)。U.Tです。先日は思いがけなく『翔』本誌の中心スタッフでいらっしゃるIkuko.Uさんにお会いできて、本当にびっくりしました。 去年の「新・三国志」と「先代萩」を観て以来、すっかり歌舞伎の面白さにハマってしまい、関西で観られる歌舞伎は全部観よう!と決心して1年が経ちました。 関西に住んでいると、遠征しないかぎり毎月歌舞伎を観ることができないのが残念なのですが、それでも観たいと思って、歌舞伎がない月には東京まで行ったりしました。 どの舞台を観ても楽しくて、感動的で、面白い!のですが、"もう1回観たい!”と"何度も”思えるのは、やっぱり猿之助さんの舞台ばかりです。 紫野さんもカキコしておられるように、私もお友達の輪がどんどん広がっています。それも、フツーに学生生活を送っているだけでは出会えないような方達です。年齢、職業、地域を越えても輪が広がり続けるのは、皆、猿之助さんの舞台でつながっているからなんですよね。 劇場やHPで知り合ったお友達には、歌舞伎以外のこと(着物の着こなしや大人のマナー等)も色々教えて頂いているので、本当に感謝しています。 みんなにお友達の輪を広げてくださった猿之助さま、十月歌舞伎座千秋楽、おめでとうございます。続く11月には、博多座に再び、"人の和”が広がることを楽しみにしています。 |
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絶対に松竹座でもやってほしい ! 九月に引き続き10月の舞台も最高によかったです。 昼の部も夜の部もすっごく充実していました。今、歌舞伎座が日本で一番燃えている!幕見のお客さまが朝早くから列を作るのも納得です。 お昼の部、「御浜御殿綱豊卿」。見る前にF.Y代さんに「すごくよかったよ」 と感想を聞きましたが、「ほんとうに? 難しくない? 退屈そう」 と思っていました。でも、泣かされました。全然退屈ではありませんでした。 品がよく頭脳明晰そうな仁左衛門さんの綱豊卿と実直、素朴な段四郎さんの助右衛門の丁々発止のやりとり、お互いの胸の内のさぐり合いは迫力満点、朝一番から本当に熱っぽい舞台でした。 冷静なそして心暖かい綱豊卿めちゃくちゃカッコイイ! 段四郎さんもバッチリ当たり役です。 (宗十郎さん、7月よりお元気そうで大安心です)。 「英執着獅子」 福助さんは本当に綺麗なお姫さま。華やかな歌舞伎舞踊を楽しみました。 三幕目からは「待ってました」の仁左衛門、玉三郎のゴールデンコンビ。 こんなに美しいカップルがいていいのかしらと思わずため息。ツーショットの舞台写真はもちろん買いました。玉三郎さんの完璧な美しさに完敗です。お二人を見て、「いい男」「いい女」とはこういうものかと・・・。 そしていよいよ夜の部。 「芸術祭参加」 と銘打つにふさわしい最高の舞台です。 「市川猿之助」 という歌舞伎俳優を堪能しました。 なんかいい言葉はないかと色々捜しますが口では言い表せないほどおもしろい、素晴らしい大舞台でした。 7月に奮闘記念の奮闘公演、8月は大学。9月は大阪で「千本桜」。そして「新・三国志U」のお稽古をすすめながら今月の舞台でのあの大活躍。いったい猿之助さんはどこまでやるの? ストーリーも面白いし、スピード感もある。「花の山」のふわふわでは、客席にいたみんなが岩藤に指さされたと思ったのでは・・・・。あの笑顔がなんとも言えません。2階席、3階席をあがったりおりたりの宙乗りも心にくい演出でした。 猿之助さんの女形。いいですね。大好き! 好き! 好き! すらっと綺麗な女形ではないけれどすごーく「女」を感じます。 二幕目の「又助切腹」。ちょうど食事の後、普通ならちょっと眠くなるころ・・・。 でも、猿之助さんは私を眠らせてはくださいませんでした。 そして又助の弟志賀市のけなげなこと。見えない目で「お師匠さんに誉められた」と一生懸命弾く琴。その音色を聞きながら切腹する又助。悲しすぎます。 亀治郎さんのおつゆちゃんも本当にいい。「つぎのあたった着物をきた貧乏な娘役ばかり誉められて」とおっしゃっているようですが、今回もやっぱりすご〜っくよかったですよ。 大詰めは 「草履打ち」 にはじまり、「大立ち回り」 まで息つくまもないほどの迫力。あんな大立ち回りして大丈夫ですか??? 私なら(私とくらべてはいけませんね)足腰バラバラ、ガタガタになって、2度と立ち上がれなくなってしまいます。 いやもうホントに凄かった。 この「加賀見山再岩藤」って復活狂言なんですね。この作品を見つけだした猿之助さんは凄い!そしてまた、観客を楽しませるように演出する力量も凄い、凄い ! 役者として大奮闘する姿も凄い、凄い、凄い ! ただただ凄い!の連発です。(すみません、ボキャブラリーが少なくて) 絶対大阪へも持ってきてほしい。貯金がなくなっても (元々ないのですが) 絶対通いつめます。 最後に一言 「めでたいめでたい」と扇を振りかざす多賀のお殿様。みんなアンタのせいでしょうに。 しっかりしてね! |
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岩藤の怖いこと、怖いこと!!(1)
20,21日に観劇してきました。 今朝5時半にバスで帰り着いて、さあお風呂に入って早速感想でもと思っていたのに、駅には1台もタクシーが止まってない?! そんな〜〜!! まだドロドロと岩藤が出てきそうなぐらい暗いのに・・・タクシーの会社に電話しても誰も出てくれないし、でもまさかこんな時間に家中を電話でたたき起こす訳にもいかないし・・・(;_;) ノンストップで重〜い荷物を下げて歩くこと15分。鬱蒼とした広い公園の傍を通らなければいけないから恐いんですよ。 昼夜観劇でバス帰宅というだけでも私にとっては荒行なのに、最後の最後で大荒行になってしまいました。 20日の夜は私もRubyさんと同じくK・Hさんのチケットを譲っていただいて崩壊席で観てきました。 初めての「加賀見山再岩藤」、あんなにスゴイと思いませんでした。猿之助さんの見せ場はこれでもかと言うぐらいあるし、趣向もたっぷりで、おまけに又助の話などドラマも盛り上がってぼーぼー泣かされてしまうしで目まぐるしいばかりでした。 まさに猿之助歌舞伎のエッセンスと言える演し物ですね。 序幕「大乗寺花見の場」 幕が開いたとたん門之助さんの梅の方と笑也さんの求女が目に飛び込んできました。 お二人とも「千本桜」とはがらりと変わった役どころだけどしっくりきましたよ。お柳の方のあざといところ、蟹江一角と蟹江主税の何か企みのありそうな悪役ぶり、歌六さんのドスの利いた声が素敵でした。 猿弥さんは赤顔が続いてますね。 多賀大領はもっとお柳の方に色狂いしてる感じがあっても良かったと思います。求女の諫言と梅の方の嘆きがあるから、ああーお柳にいい様にされてるのねとわかりましたが、猿之助さんがカッコ良すぎていい役なのか悪い役なのか分かりにくいんです。 金鶏の香炉を盗まれて求女が追放になり花道で嘆くところも、身分を失墜した割には嘆き方が弱いと思いました。何か落し物でもしたのかな?という感じに聞こえます。 お助けマンの奴伊達平、右近さんだからいかにも頼りになりますぅ〜。 「多賀家下館門前の場」 待ってました。又助登場! 皆さんの書き込みを読んだりして頭の中で勝手にもっと情けない又助をイメージしてたんですけど、とっても忠義者なんですね。求女の為に長谷部帯刀に帰参を頼みに行ったのに、懸念を見せながらも一角にころりと騙されてしまって・・・・おまけに忠義に燃えた又助に手渡されたのが求女の刀! もう、もう思ったとおりに話が進んでいきます。 「浅野川川端の場」「浅野川堤の場」 お家横領の一味、お柳を殺して大役を果たしたとばかり思っている又助。川に飛びこんで抜き手を切って、最後シンクロのように足先だけ見せて沈むところはどうなってるんでしょう?いかにも深い川という感じが出ていて面白いですね。 又助が落とした求女の刀の鞘が帯刀の手に渡って、ああーこれからどんな風に展開していくのかとハラハラしてしまいます。 「八丁畷三昧の場」 さっきからずっと舞台は暗いまま。求女と又助の妹おつゆが登場。 岩藤の亡骸は馬捨場で野ざらしのままとか。気味が悪くて亀ちゃんじゃないけれど「おお、こわぁ」 亀ちゃんはどんどん美しくなってきますね。求女ととってもいい感じ。 まや助の話で「旧岩藤」の話がわかるようになっていて、岩藤は尾上に対する恨みで今だ成仏できてない様子。 尾上が墓参に現れてそこから始まる骨寄せ。おおー!これが話に聞く骨寄せ!だけどもっと恐いのがその後の岩藤の出。ハッと気がついたら、驚きのあまり私は口をあんぐりと開けたままでした。写真では見てたけどこれが猿之助さん扮する岩藤なんだ(3次元だからもっと恐い)という思いでした。1階は列だから扮装も良く見えて髪はザンバラ、口元は骸骨のように歯が長く伸びて胸元も骨が見えている。 でも尾上の持つ朝日の尊像は便利ですね〜。岩藤退治には欠かせない一物。その尊像もだんまりの中、戸田平たちに奪われそうになるけれど、最後に手渡ったのは伊達平で、ああ良かった〜。 岩藤の怖いこと、怖いこと!!(2) 「花の山の場」 ここでいきなりふわふわが始まるとは思いませんでした。 さっきの岩藤とは一転、美しい猿之助さんが夢のようにふわふわと宙に浮いています。かわいい蝶の精も出てきてひらりひらりと舞っていると思ったら、今度はすっぽんから又岩藤のふわふわが始まりました。 サービス満店で、2階にも3階にも高く上がったりスーと下がったりしながらのゆっくりとした宙乗りなので拍手のすごいこと! でもあれって不思議な宙乗りですね。源九郎狐のように吊られてるところが見えないんですもの。猿之助さんは歩くような足取りだし、本当にふわふわとはいい命名ですね。この一幕はまるで夢のようで、きれいな綺麗な舞台でした。 でも筋書きを読むと“悠然と多賀家の御殿へと向かう”って書いてあるんですね。多賀家のことなどすっかり忘れてました。 二幕目「鳥居又助内切腹の場」 仲良くつつましく暮らしている又助とおつゆと志賀市。求女がナゼだか病気になっていざってる。なんだか「オグリ」みたい。 志賀市が健気でかわいくて、その昔亀ちゃんも右近さんもされたとか、観てみたかったなあ。Rubyさん観られたんですね。 求女の薬のために身売りする健気なおつゆ。 かわいい妹が身売りしようと言うのに主人のために誉めてやる又助の切なさ。このあたり、又助の妹に対する思い、求女に対する忠義がよく表れていて胸を打たれます。 そこへとうとうやってきた帯刀によって又助が奈落の底に突き落とされる悲しさ。 お柳殺しに得意でさえあったのに、事もあろうに自分が手にかけたのが奥方だったと知ったときの又助の気持ちは手に取るばかりです。求女の怒り、怒髪天を衝くとはこの事で又助を引き据えて杖で思い切り打擲するところはすごかったですね。 (先月の笑也さんは表情も少なくて感情がほとんど表に現れない役だったのに、求女はとても分かりやすくていいと思いました。お芝居だから観て判るっていうのも大事じゃないかと思います。) 志賀市のお琴にのせた歌声が哀調を帯びていて、又助の狼狽、死への決意が余計鮮やかに浮かび上がります。観ている私達には不条理だけどもう本当に死ぬしかないですよね。 切腹して、苦しい息で志賀市を掻き抱いて、哀れな弟が冥土の触りだと言う。もうこのあたりでは猿之助さんも目がうるうるしてるし、私も涙ぼーぼーです。 一切が裏目に出てしまって、本当に可哀想な又助でした。 岩藤の怖いこと、怖いこと!!(3) 大詰 第一場「多賀家奥殿草履打の場」 ここで颯爽と登場の望月弾正、かっこいい猿之助さんにまた騙されてとっさに誰の役か分からず、馬鹿なワタクシは細川勝元が出てきたかと思ってしまいました。だって悪役にしては涼やかで素敵なんですもの〜。 そんな弾正に求女とつるんでいるのではないかと攻め立てられる尾上。その最中、ふすまがさっと開いて荒れ果てた庭が見えたかと思うと、綺麗な御殿がバッサ、バッサと荒れ御殿に変わり、ドロドロで弾正がいつの間にか岩藤に。 ここからの草履打は「旧岩藤」と同じなのですか? 執念に醜くゆがんだ岩藤と、策略に嵌って打ち据えられる尾上。この場面は絵になりますね。実際見た目もあでやかな玉三郎さんと、怖い作りの猿之助さんの対比が素晴らしく見得が決まります。 執念深い岩藤に打ち殺されるんではないかとさえ思えそうな時に伊達平が尊象を届けてくれてやれやれ。尾上がそれを振りかざすと哀れ岩藤は塩をかけられたナメクジのように小さくなって正体は鼠?と思えるような動きで消えていきますが、あの動きもゾ、ゾーとしてしまいました。 「多賀家下館の場」 20日はここでハプニング。 金鶏の香炉を持って逃げようとする主税を勝平が止めようとして、主税が香炉を落として逃げ去った後、勝平がそれを拾い損ねたんでしょうか? 香炉はそのまま客席に転がったようで、「申し訳ございませぬ、申し訳ございませぬ。」と段治郎さんがアドリブで花道から客席のほうを向いてお辞儀をしていました。(申し訳ございませぬだったよね?タエさん) もちろん客席は受けましたよ〜。 そしてその後はもう、猿之助弾正の独壇場です。 立ち回りのオンパレードで猿之助さんの得意そうな顔ったら!!梯子に乗っかったり登ったりと珍しいものも見せていただきましたし、小金吾と同じ、縄で絡め取られるのもありました。こちらはちょっと重そうでしたけど・・・ 様式的なものではなくチャンバラ映画のようなテンポの速い立ち回りもあって、これはすごかった。あんなことあれだけ動いた後でやってしまえるのが猿之助さんの猿之助さんたる所以だなと思いました。も〜うとにかく、殺すのが惜しいような素敵な悪役でした。 「多賀家下館奥庭の場」 尾上に対する怨念に凝り固まってなかなか成仏しない岩藤も、いつの間にかすり変わった大領に尊像を付きつけられて見事成仏。花園姫の病気もケロッと治って、求女も動き回れるようになってるしで大団円。 でも、岩藤は生き替わり死に替わりなんて知盛のような事言ってたしなぁ。 とにかく怖い、怖い岩藤でした。 1年間いろんな物を観せていただいた中でも「再岩藤」は「新・三国志」に匹敵する娯楽性の高い演目ですね。こんな面白い古典もあるんだとつくづく感心しました。 そうそう、書き忘れるところだった。 「元禄忠臣蔵」もとっても良かったです。 仁左衛門さんと段四郎さんの、胸に一物隠した丁々発止の論争が緊迫感があってぐいぐい引き込まれました。最初から最後まで息をもつかせぬ展開で、お二人とも素敵でした。 猿之助さんのところの忠臣蔵を一度観てみたいです。 |
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こんばんは。三楽亭です。 『義経千本桜』と南座の『鏡山縁勇繪』について詳細をYUKA蔵さんのところにアップしていただいていますが、早速拙文を読んでいただいたようで,恐縮です。 まことに「十人十色」とはよく言ったもので,あちこちのページに寄せられた感想・劇評を読んでいるとほんとに感じ方はさまざまですね。 中でも「四ノ切」に関しては,私はやはり今年七月の所演にとどめをさすように思います。セリフのひとつひとつが地面に水がジワッとしみこむような滋味あふれるものであったように感じました。 今回の「再岩藤」も望月弾正・岩藤の霊の良さにくわえて,やはり鳥居又助が絶品のようですね。これはありがたいことです。ほんとうに。 『鏡山縁勇繪』を見てあらためて猿之助丈の芝居つくりのうまさと演技者としての技量の高さに思いを馳せました。目一杯の熱演なのですが,三幕目の世話場,「再岩藤」でいうと「又助住家」に当たるところが愁嘆場としては弱く,全体の芝居にも大きくかかわってしまいました。初演はとかく難しいもの。再演のたびに練り直しが必要ですね。 ただ,猿之助丈以外の復活物の再演はえてして「改悪」されてしまうことが多く,これまた残念なことです。また,一度上演して「面白くなかったからもうお蔵入り」ではあまりに残念です。本の練り直しによってはあるいはもっと面白くなるでしょう。 とはいえ,序幕はすてきに面白く,橋之助丈の若衆の敵役という異色の人物がみせる妖しい色気と風情の良さは無類です。これを見ただけでも値打ちがあったと思います。ほんまにしたたるような色気でした。 来年の巡業( 二十一世紀歌舞伎組 )も「毛谷村」に端場の「杉坂墓所」,さらに「瓢箪場」までつくとはさすがです。国立の「彦山」の通し上演の時,京極内匠で出演していた猿之助丈ですからね。この「彦山」無茶無茶面白かったそうですね。「瓢箪場」は興味津々なんですが・・・これは私見物は無理なようです。ひょっとしてこれは通し上演の布石でしょうか? 巡業、奄美へも来てくれないかな・・・ |
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21日も泣いてきました 21日の夜は今月2回目の観劇でした。 体調をこわされて行けなくなったH.Kさんの切符をお譲りいただいたものです。H.Kさんの為にもしっかり観てこなくてはと思い、やっぱりハラハラ、ドキドキ、ホロリの感動の舞台でした。 今回はもう又助が出てきただけでウルウル。猿之助さんの又助は愛敬があっていかにも朴訥で善人そのもの。蟹江一角の言葉にすっかりだまされて(歌六さんの蟹江一角がまたいかにも悪そうで最高)、観客はその言葉は嘘だとわかっているから「駄目だよ。蟹江の言葉は嘘だよ。だまされちゃ駄目だよ」と心の中で思わず叫んでしまいました。 でもやっぱりだまされて梅の方を殺害してしまい2幕目の悲劇とつながっていく訳ですが2幕目はもう健気な志賀市が出てきただけで涙腺がドバーっと崩壊。昔観た亀ちゃんの志賀市もすごかったけど今回の伊藤君もうまいですね。7月の宇和島騒動で山辺清兵衛の息子、清之助をやっていた子役さんですね。 そして又助の切腹場面になった時オペラグラスで覗いて見たら猿之助さんの目が真っ赤。顔もはだけた胸のあたりも汗と涙で光っている。先月の権太を思い出すような大熱演でした。 そして大詰めは大好きな弾正さまの大立ち回り。私は猿之助さんの悪役大好き。仁木弾正もそうだけどかっこいいんだもん。 こんなに体を張って我々観客を楽しませてくれる役者さんは他にいませんね。と思っていながら観ていたらまたまた涙が。 今回体調不良の為、舞台を見逃してしまったH.Kさん、地方にお住まいなので今月はもう無理でしょうが早くよくなって猿之助さんの舞台を1日も早く見られますようにとお祈りしています。(猿之助さんの舞台は元気の元とおっしゃっておられました) 今月はあと1回、25日の千秋楽を昼夜通しで観る予定です。昼の部はまだ観ていないのでこちらも楽しみです。 |
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広がるお友だちの輪 今、歌舞伎座に遠征中です。予想どおり猿之助さんの又助に泣かされて大泣き。 ハンカチを顔から離せませんでした。だってハンカチで堰止めないと、目の下と鼻の下が洪水なんです〜。 大詰めではあまりのカッコ良さに、(カッコイイ〜〜カッコイイ〜〜)と思わず声に出して何度もつぶやきながらバシバシ拍手してしまいました。 本当に心底感動しワクワクし、悲しいのとはまた違う涙もこみ上げてきました。 ほんとに猿之助さんはカッコイイっっ! (弾正が悪役だってこと、忘れてました〜、その間は〜) 偶然おとなりの席だった小ざるちゃんと、カッコイイよね〜すごいよね〜と、お芝居に合いの手を入れるようにつぶやきあってしまいました。 ところで先ほど歌舞伎友人からメールがあり、バイト先のお店で歌舞伎の話をされているお客様と知り合い、その方が北前さんのお友だちのikuko.Uさんとのことで、自分は翔のページを読んでいるし、劇場で北前さんのお隣の席になったこともあるし、世間って狭いんですねととっても感激していました。 私は歌舞伎以外にもお芝居を観ますが、こんなにあたたかい人の輪を広げてくれたものは、猿之助さんの歌舞伎しかありません。 昨夜は舞台の余韻に浸りつつ感謝しつつ、「どうぞ夢に出てきてくださいね、猿之助さま〜」なんて感じで眠りました。それに笑也さんも(!)なら最高。(でもニ人がいっぺんに出てきたら、求女、又助を責める、のシーンになってしまうわ〜) さて、その結果は… 崩壊中のメールにて大変失礼いたしました〜 |
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嬉しい偶然 こんばんは。 ちょっとウキウキする偶然に出会ったので報告です。 今夜,姉と映画のあと食事に行って南座の「鏡山・・」の話をしていたら(ほんの一言)係りの若い女性が「ご覧になったんですか?」って話し掛けてきたんです。珍しいでしょ、そんなことって。以下そのときの会話。 私・・・・いえ、友人が。 彼女・・・私、「小笠原・・」も行きました。 私・・・・どなたかのフアン? 彼女・・・いえ、あの、特別には・・・。 私・・・・そう、今度、猿之助さんも観てみてね。 彼女・・・キャッ、私、猿之助さんの大フアンです!! まあ〜!! って手を取らんばかりになったけど彼女は仕事中。 幸い、懐石だったので度々席に来るので待ってましたとばかりに・・・ 私・・・・いつから? 何を観てから? 彼女・・・去年の「三国志」からです。今年の9月松竹座は何度も行きました。 私・・・・まあ・・周りにファンの人っているの? 彼女・・・いいえ、あまり。でもH・Pは毎日見ているしメル友もできました。 7月の歌舞伎座では北前さんの隣でした。 私・・・・えええ〜!! 彼女の名前はU.Tちゃんでした。 びっくりしましたよ。もちろん私も「翔」本誌を作っているスタッフの一員であることも含めて自己紹介しました。U.Tちゃん、今夜帰ったら「翔」のスタッフ紹介のところ見なおしてみようって言っていましたが、まさかあんなところで編集長の名前を聞こうとはね。 「2月、楽しみね。またお会いできるかも」と別れました。 お食事もおいしくて、こんな嬉しい偶然があって、幸せな秋の夜でした。 それにしても、あんな可愛い女子大生をググッと虜にしちゃうんだから、 猿之助さん、まだまだいける!! いえ、ますますバリバリや ! ! って、いまもまだウキウキ嬉しい気分に浸っています。 |
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本日(21日)も素晴らしい舞台でした。 三階から今日は、昼夜通しで観てました。 自分的には、観る度にどんどん離れてった舞台だったのに、距離じゃないですね〜。 今日もまた、客席の拍手も多く、熱気に満ちた素晴らしい舞台を楽しむことが出来ました。MY千穐楽でもあったので、猿之助さんを初めとした出演者の皆さま、本当に感動と、そして元気を貰えてありがとうございましたっっ。 それにしても、昼夜通して充実の十月大歌舞伎でしたネ。 タイトルに「芸術祭」なんて付くのは、だてじゃないです。 昼の「御浜御殿」の好かったこと・好かったこと。前評判かなり高くて、期待でパンパンで行ったのに、それ以上に感動的でした。 綱豊の仁左衛門さんと、助右衛門の段四郎さんの応酬の、なんと奥深いこと。。私は会社人間では、全然ありませんが・笑^^;)、忠臣蔵の世界には、どうしてこんなにも、惹きつけられてしまうのでしょうか。。 悲しくて出てるわけじゃないのに、何度も涙と、ハナをかむ羽目になり、いっしょに観てた友達に「風邪?」なんて言われるほど(苦笑)。かなわないけど、もう一度じっくり観てみたい〜〜〜。 「源氏店」「お祭り」。 久しぶりの艶やかな・あでやかな孝(もう仁左ですね)・玉コンビを観て、風情にうっとり酔いました(*^-^*)。お二人並んだ姿だけで、ガツンと納得するものがあるんですもん。 おもだかや以外の歌舞伎を観に行くと、どこかしら不完全燃焼部分を抱えながら帰ってきがちな最近だったけど、今回ばかりは面白かった〜〜〜♪♪ そして、夜の部では、たっぷりとおもだかや中のおもだかや的な演目「加賀見山再岩藤」をたっぷり楽しめたので、昼夜共に、大満足・大満腹でした(^-^)。 猿之助さんの、お殿様も弾正も岩藤も、そして、今日は自分的には、又助にやられました。切腹の場、悲しいけど、すごぉーく見せてくれて、ああ・好かったです(;▽;)。。 笑也さんの求女は、観る度によくなって行く気がします。又助を追いつめるとこなんて、心底怖かったし^^;)。 そして、段四郎さん。長谷部帯刀のたっぷりとした大きさも、助右衛門の実直さにも胸打たれました。役そのものに見えて、段四郎さんの素晴らしさを、改めてしみじみ感じました。 今日はあまりに泣いたり舞台を凝視したりで、目を酷使したせいか? 頭痛がしてるので^^;)、なんか半端ですが、このへんで失礼します。 ...あと4回の舞台も無事に勤められますよう、祈っております。 でわっ |
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間もなく夜の部の開演 間もなく夜の部の開演です。 今ごろはMy座席を確認した人たちが、それぞれに番付を買いに走ったり夕食の手配に走ったり、いつものことだけど化粧室の前に長々と行列が出来ていたりと、芝居の幕があく前の、あの独特の高揚感が最高に膨れ上がっている頃でしょう。 今日は母が泊まりがけで行ってるんです。他にも○○さんや◇◇さん、××さんに□□さん、思い当たるだけでも顔見知りの濃〜いファンが相当詰めかけているはず。今夜の舞台は、熱く温かな劇場空間の中できっと素晴らしいものになるに違いないと思います。 机の上には書類を山と積み上げているというのに、もう30分以上も前からチラチラ時計が気になって仕方ない私。 ああ〜ァ、いいなァ〜、いいなァ〜、本当にいいなァ〜。 … あ、そんなこと言ってるちに、もう幕があきましたね…。 最近はどの舞台を観ても、一つ一つ仕上げの段階に入ってるんだなァ…という印象が強い私です。 だからこれまでに何度観たかしれないと言うような舞台であってもやっぱり見逃せなくて、貯金は限りなく減りつづけて行く困った状況にも陥ってるんですが。(*^_^*) この不景気な、先行き不透明な時代に、こんな生き方していていいのか ? と、人並みに心が疼く時もあるけれど、すぐに「ええねん、今の楽しみは今やないと。先に送ってエエことと、先ではどうしょうもないことがあるねんから。人間、生きて、元気なうちが華や ! 」なんて声がわぁ〜んと身体の中いっぱいに響きわたるんです。 この“生きて元気なうちが華”という言葉は、もちろん自分に対してであるとともに、舞台に立つ猿之助さんに対する思いでもあるわけですけれど…。 猿之助さんにとってはいよいよこれからの数年が役者として最高の時期 ( それは五年かも知れず十年かも知れずだけど) 、真に迎える豊饒の実りの年月、これまでに蒔いたおびただしい種 ( いまもまだ蒔き続けている、永遠に種蒔く人であり続けそうなところも猿之助さんらしいけど ) が育ち実って、それを一つ一つ収穫して行かれる年月なのだと実感しています。 でもそれは切ないけれど、これまでの三十年、四十年という期間に比べればはるかに短期間であることだけは確かなことでしょ。だから私は「ちょっと気ィ早過ぎるわァ〜」って言われそうだけど、これからの舞台は、毎回カウントダウンのつもりで、( あくまでも、つ・も・りネ ) 一つ一つ瞼に焼き付け、脳裏に刻み込み、五感の全てを総動員して観ていきたいと思ってるんです。 人には、ええ歳からげて役者狂いに芝居狂い。なんと暢気なもんやなァ〜なんて見えるかもしれないけれど、そんなんじゃないんですよね。とってもとっても真剣な、真摯な、一生懸命の崇高な( ←好きなこと言うとり〜〜 ) 行為なんだと思ってるんですけど、やっぱりフツーの人には理解されないことなのでしょうかねェ…。 なら、ちょっとヘンな人でよかった。フツーじゃないとこがあってよかった。 |
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ようこそ同じ日に いつも必ずお邪魔しているのに、書き込むのは随分と久しぶりです。 14日の日は終演後に偶然編集長とバッタリ、最高の一日になりました。その後は居合わせた方々とお茶をして、今観たばかりの舞台の話で盛り上がりとてもとても楽しかったです。本当にようこそ、私と同じ日に観劇してくださいましたこと。 まだまだしゃべり足りなかったのですが、前夜ほとんど寝てない状態という編集長をあれ以上引き留めるわけにもいかず残念でした。 またお江戸にいらした時バッタリとお会いできるといいな…と思っています。 さて「再岩藤」、すっごく面白ろかったです。初めて観たのですが,猿之助さんご自身が岩藤を楽しんで演じておられるように見えたのですが、いかがですか。 私は、岩藤の猿之助さんが好きです。もちろん又助も、実直で優しくて、大好きなのですが、宙を歩く岩藤の、得も言われぬ笑顔は猿之助さんならではのものだと思うのです。 来年2月は、21世紀歌舞伎組の公演もあります。猿之助さんの数ある業績の中でも、若手を育てたということは、他の役者さんに類をみない素晴らしい業績だと思っています。他の方は、せいぜいご自分の息子さんと数名のお弟子さんだけですから。 歌舞伎組の成長を一番願っているのは、猿之助さんご自身ではないでしょうか。若手の方たちも、あの過酷なスケジュールの中、よくぞここまでついてこられたものだなあと、感心いたします。 そういえば今年の右近の会は、ご覧になりましたか。右近さん、なかなかだったと思いませんでしたか。私は古典はまだまだ見る目ができていませんので、ご意見などお聞かせ下さい。 11月は、江戸では、平成中村座が、人気の的になっております。 もちろん私も見に行きますので、感想や様子などをお知らせいたしますね。 それにしても劇場に出かけていつも思うことは… <いつかかけたや 大向こう> ( 笑 ) |
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やや時節はずれ?ですが、千本桜についての文章を送りますので、御一読ください。我ながら、長すぎると思っていますので、そのつもりで、とうぞ。 『義経千本桜・私考』 義経千本桜は不思議な芝居である・・・それぞれの場面に、涙があり笑いがある。視覚的な華やかさに惑わされながらも、そこはかとなくもの哀しさを感じる・・・感動、拍手。熱演、掛け声、また拍手・・・舞台と客席との一体感に巻き込まれ、わけのわからぬ感動に酔いしれて劇場を後にする・・・・ ところが、冷静になって(?)舞台を思い出せば、主人公達は次々と死んでったのである。悲劇の連続ではないか!! あの心地よい感動は何であったのだろうか? 『それが猿之助魔術なのだ』と、言ってしまえば簡単ではある。しかし、この謎を解く鍵は、物語そのものの中に隠されているような気がする。 生意気にも原作者の隠された意図について考えてみた。 義経千本桜は、鎮魂歌として作られた作品であろう・・・この様に考えてもかなりの人の賛同を(消極的にしろ)得られるのではなかろうか。しかし、体制批判の思想劇であると言えば、「えぇ〜っ」となってしまうに違いない。過ぎたるは及ばざるが如しであろう。 「鎮魂歌」とすれば、誰の、どの様な人の魂を鎮めようとしているだろうか? 義経だと思う人もいるであろう。題名になっているし、判官贔屓という言葉もあるではないか・・・確かに、一般論としては理解できる。しかしこの芝居の中の義経は単なる狂言廻しであり、鎮魂の対象者ではないように感じられる。 西海に沈んだ平家の人々の魂を鎮めようとしているのだ。・・・この考えに賛同する人は多いと思われる・・・ 知盛、惟盛、さらに後段の花矢倉、蔵王堂には教経が登場し、それぞれの場で重要な人物として描かれているではないか・・・なるほど知盛に関しては共感を持てるし、芝居のエンタテイメント性も高く、小生の好きなところである。 義経に後事を託して、ある種の安心感を持って死んでいくのだから、鎮魂と言えるであろう。惟盛も仏門に入るのだから救われたのであろう。教経がどうなったのかは、後段は未見であり、怠慢で資料調べもしていないのだが、恐らく、戦いとしては、引き分けであろう。しかし、お互いの力と心を理解し合うところに、なぐさめがあったと推測している。 だからといって、義経千本桜は、平家鎮魂劇だと言い切ることは出来ない。 物語の大半を占めるのは、忠信なのだ。物語の大主人公の忠信は、鎮魂を必要する人物であろうか? 大部分の人は、忠信に悲劇性があるとは思えないであろう。小生が、忠信の悲劇を理解したのは、吉野山の場面を思い出している時だった。この場面では源平合戦の思い出話となり、忠信の兄・継信の戦死が語られていたことを思い出した。これをキッカケととして、鳥居前の「御名、着背長を賜る」の真意を理解し、佐藤兄弟は義経の影武者だったと思うようになったのだ。 (乞参照・お便り集・No5の一番下の文章) 影武者として身代わりになって死ぬ・・・これは悲劇であるに違いない。忠信も鎮魂の対象者だったのだ。その鎮魂の方法は?? 初音の鼓を子狐に与えるところに暗示・象徴されているのではなかろうか。宙乗りの子狐の姿を見て、心をなぐさめられるべきは、観客ではなかったのである。 さて、平家鎮魂・忠信鎮魂を是として、なぜ芝居の外題を「義経千本桜」としたのであろうか? 平家も忠信も義経と深い関係・因縁があるからだ。芝居にフクラミを持たせられるし、さらに、庶民に人気のある義経を題名に入れれば、観客動員を期待できるからだ・・・多分、このような説明が主流ではなかったかと、推測している。 しかし、またも、しかしである。実は【義経】には、深い意味があったのである。鎮魂劇であるからには、【義経】という題名が必要不可欠なのだ。或いは、題名に【義経】という文字が入っているからこそ、鎮魂劇と断定できるというべきであろう。 この芝居の主人公達は、【義経】によって鎮魂されていたのである。即ち、【義経】は、<守護神>だったのである。 多くの人は、「そんな馬鹿な!」と、思われるに違いない。芝居の中では何の説明もされていないので、もっともなことである。太郎のトンチンカンな与太話が始まったと思われる方も多いと思われるが、これは小生の独断や冗談ではない。 直接には、井沢元彦氏の考えの流用であり、さかのぼれば梅原先生の考え方がもとになっているのである。怨霊信仰、怨霊封じの代表例なのである。 <参考文献> 井沢元彦著 義経はここにいる(講談社文庫) 逆説の日本史1〜4巻(小学館文庫) 梅原猛著 神々の流ザン、隠された十字架、塔など 「怨霊」といっても、岩藤の亡霊と同類ではない。宇和島騒動の筋書きでは御霊と書かれていたが、山辺清兵衛が神として祀られていることと類似の考えだと言えるであろう。 怨霊=祟り神の元祖は、オオクニヌシ(出雲大社)であり、知名度としては菅原道真が高い。(菅公は天神様として、全国各地に祀られている。) 古い時代の人々は、怨みを残して死んだ人を神として祀ることにより、その怨みや災難を避けようとしたとのことである。時の権力者が自分でほろぼした政敵を神とするのだから、現代感覚からすれば、随分と虫の良い話だと思う。 時代が移ると、祟り封じは忘れられ、善意の神として定着してきたのだとのことである。(大国主命は農業・婚姻の神。天神様は学問の神)それだけではなく、怨霊をもって怨霊を封じ込めようとするようなことも出てきたとのことだから、ヤヤコシイことである。 さて、【義経】も、大国主命や天神様と同一線上に並ぶ<神>であると考えれば、義経千本桜は、マギレもない鎮魂劇ということになるのであるが・・・ 【義経】を祀った神社はないとの疑問・反論を解決しなければならない。 その答は、「勧進帳」である。正確に言えば、「能楽」の安宅である。能が鎮魂劇だと、小生が知ったのは、隠された十字架を読んだときである。義経は能楽に取り上げられているのだから神となりうると思われる。また、大物浦のを傍証とすることができる。弁慶が数珠を持って知盛に立ち向かうところは船弁慶を意識しているとは、良く言われてる。船弁慶も能樂である。もっとも義経は能楽のシテになっているわけではないので、自分でも説得力に欠けると思ってはいる。詳しくは、井沢元彦氏の著書を参照して頂きたい。 義経千本桜は鎮魂劇だと、知ったかぶりをして長々と書き連ねてきたもののどうにも納得出来ないことがある。 一体全体、「権太の死」を、どのように位置づければ良いのであろうか? この物語の中で死んでいった人々、権太以外の人々は、勝者、敗者は別として武士=支配者階級の人々である。ただ一人、権太だけが庶民なのである・・・ 堅苦しい芝居に変化をつけるために世話場を入れ込むのは、芝居作りの定法だとの意見はモットモだと思うが、それだけでは、他の場面との統一性に欠ける点についての疑問は解消しない・・・いろいろと想像をたくまして、あれやこれやと考えた挙げ句の、小生の独断的な結論は・・・ 義経千本桜は、「愛する人のために」死を賭して「戦った」人々の物語だということになった。「愛する人」とは、恋人だけではない。親子、兄弟、友人同志を含めてのことである。 堀川館で、郷の君は父と夫の板挟みとなり死んでいった。追いつめられての 死ではなく、両者を共に救うための意志を持った死であったと思う。 知盛、典侍の局の死は、忠義ではないのかとの御意見もあろうが、実際に芝居を観た印象としては、子供を守る、或いは、子供を世に出すために苦労をした両親の姿のように思われた。渡海屋の銀平とお柳は仲の良い夫婦そのものであった。勿論、帝を中にした主従の間柄には違いないが、忠義だけで死を決意するとは考えにくい。少なくとも現代人には理解しにくいことであろう。 特に、典侍の局の死は、唐突な感じがするであろう。初めて、テレビでこの芝居を見た時には理解が出来なかった。しかし、2年前に通しで観たときには納得できた。自害したのは、典侍の局ではなく、お柳=母親であったのだ。 子供の将来の見通しが立ったのに、まだ亭主は暴れている・・・おまいさんもう、いいんだよ。楽におなりよ・・おとなしくしろってんだよっ。んっもういい加減におしっ。義経様の気が変わっちまったらどうすんだい。あたいっちがいたんじゃあ、お安の身のためにならねぇんだよっ。あたいは先に逝くからおまいさんも、ついてきておくんなさいよぉ〜・・・ わかった、わかったよぉ。おめえがそう言うんなら、もうヤメにすらぁ・・おいらあ、不甲斐ねぇおやじだったよなあ。済まなかったなあ、お安ぅ。達者でな〜・・・お柳ぅ〜、待ってろよお。今、逝くからなぁ〜〜 小金吾も忠義の臣であったには違いないが、若葉の内侍や六代の君に対して 家族的な愛情を感じていたのでは無かろうか?若葉の典侍に対して、ほのかな慕情を抱いたと考えられないことはない・・・ ところが、そんな小金吾に比べて、今回の若葉の内侍=笑也の内侍は冷た過ぎると感じた人もいた様である。しかし、亭主の行方をたどって、子供を守りながら旅をする女性が、頼りにしていた弟の死に際して、嘆き悲しんでいる余裕があるとは思えない。子供や親の重大事になったときには、極度の緊張感のために、他人には無表情に見えることを経験した人も多いはずだ。 もっとも、観劇後に読んだ番付には、高貴の人は、他人の心情には鈍感な一面があるという主旨の笑也のコメントがあった。小生の感じ方と違っていたのだ。???いずれにしろ、若葉の内侍も愛する人のために戦った人であろう。 忠信と義経の間柄は、主従というより、兄弟 OR 盟友と言うべきであろう。 愛する人の影武者となり、死を賭して戦った人に間違いはないと考える。 さてと、やっとのことで、権太である・・・権太の「愛する人」とは、誰なのであろうか?女房子供を犠牲にまでして助けようとしたのは、惟盛なのであろうか?小生としては、「否」としか言いようがない。 権太の「愛する人」は、父母と妹であったのだろうと、小生は推測してみたのだが・・・犠牲にした女房子供は、愛する人ではなかったのであろうか?? それが親孝行なのだ。現代とその時代とは価値観が違うのだと、割り切ってしまえば、それまでのことかもしれない。しかし、再三再四のしかし、である。 椎の木の場を観るかぎり、権太が女房子供を犠牲に出来るような非情な人物とは考えられない・・・芝居の統一テーマにこだわり過ぎて、迷路に入ってしまったようだ・・・ 普段、何事もないときに、一番大切にしなくてはならないのが女房であり、特別な事情=家族のピンチ=病気、事故、経済難などが発生したときに、最大の無理を押しつけられるのが、女房ではなかろうか?「夫婦は一心同体」だと考えれば、権太のしたことは充分理解できるであろう。 (とは言え、我が家でどうであったかは、曰く、言い難しではあるのだが) 余談ながら?、権太の「戻り」説は、忠孝にこだわりすぎているなような気がする。権太は、悪たれで、ノーテンキなヤツだが、もともと甘えん坊ながら親思いのヤツだったのではなかろうか。間違えた桶の中の首を見て、家族の危機と親父の決意を知り、自然な気持ちとして、事を企てたのではなかろうか? それにしても、鮓屋の場は強烈である。率直に言って、「大嫌い」である。 話の組立が、うまく出来ていて、出演者それぞれが、好演すればするほどに、御大の演技が、真にせまればせまるほどに、胸が苦しくなってくる。顔が熱くほてってくるが、涙が流れてこないほど緊張してしまうのだ。 まあ、権太は、自分の意志を通したのだから、救いもあるだろうが、父親の弥左衛門は、どうすればよいのであろか?まったく救いがない。数年前まではカンシャク親父であった小生は、身につまされて同情する気にもならない・・・こんな気持ちが冒頭に「体制批判の思想劇」と書かせたのだが、少々、的外れであろう。 義経千本桜の中で一番好きな場面として、四の切をあげる人が多いと思れるが、小生の一番好きな場面は吉野山である。『猿之助の吉野山』なのである。 華やかな舞台、優雅で歯切れの良い踊りではあるが、ときに冷たく感じるほど抑えた表情に、忠信の心の底の哀しさを感じさせられる。それとともに静との心の通いあいも感じさせられる。正に、名場面、名演技である。 観客にそれと気付かせることなく、「愛」「人間愛」を伝えているところに猿之助歌舞伎の秘密があるのではなかろうか。恐らく、御大御自身は意識していないとは思われるが・・・大きな愛、ゆったりとした暖かさが、悲劇を観たにもかかわらず、心地よい感動をもたらすのであろう。 市川猿之助こそ、現代の【義経】なのだ。 〔完〕 |
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皆でコンニャクを食べようー !! みなさん、こんなの知ってましたあァ〜? これからいよいよ“おでん”〃のシーズン。コンニャクをせっせと食べて猿之助を観に行こう!!です。 『秋のこんにゃく祭り』で600名を二月の松竹座に招待ってのをやってます。但し《大阪府こんにゃく協同組合》の企画だから奈良の業者や、京都の業者などが作ったコンニャクは駄目なんじゃないのかなぁ〜。 しか〜し、新聞で見たキャンペーンの広告。大きく写真が挿入されてるのはいいけど、なんで死神なの〜?! こぼれそうなバッチィ出っ歯の歯をニィッと見せて「ヒッヒッヒィ〜」と笑ってる死神の顔の横に“市川猿之助”なんて書いてある! 死神載せるんなら、すっきり江戸前の二枚目、梅吉と並べて載せてよ〜〜。 カッコイイ鳶の勢揃いの場なんかと並べて載せてよ〜〜。 友達に「あんたの熱上げてる猿之助って、この人〜?」って言われるやないですか。 キャンペーンの詳しいことはまた後ほど情報BOXに書き込みますので、皆でコンニャク食べましょうね。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥上記のお便りに対して‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ その広告見たいっ!!! /幸せごはん 大笑いです。モニタの前で吹き出してしまいました。(←会社なのにー^_^;) 一枚だけ売られてた、死神姿のブロマイド(ニッて笑って指さしてるヤツ)を思い出して、あれこれレイアウトを、想像してしまいました(笑)。 >友達に「あんたの熱上げてる猿之助って、この人〜?」って言われるやないですか。 って、ほんとう。。これは困ります- -;;)。第一印象は大切なんですよっ。 《大阪府こんにゃく協同組合》さん、なんでそれだけを載せるのー? 梅吉があったからこその死神なのに(←大好きですけどね^_^;)。 今月も、岩藤の歯を見たときに、思い出してました(笑)。 しかし、その写真が載るってことは、演目は、やっぱりアレなんでしょうね?。 こんにゃくはダイエットにもいいし、関西な方、たくさん食べて、どんどん当ててくださーい。でわっ そう、そう、あの写真なんですよ〜。 /北前 私も見ました! 『翔』のスタッフの一人から広告のコピーがFAXされてきたんですけど、正しく、幸せごはんさんのいうあのプロマイドと同じ写真なんですよね〜。さらに何人かの人にFAXしましたが、全員が先ず電話口で「プーッ」って吹き出してました。そして次に口にするのはこれまた全員が「なんでこれやねん ! 」「笑い事とちがうで ! 」でした。 でもなんで死神なんだ…と考えて、そういえばコンニャクと幽霊やお化けって深い縁があるってことに気付きました。 だってお化け屋敷には付き物じゃないですか、コンニャクって。 でも、、…ってことは二月の松竹座の少なくとも一本は決まりってことですよね ! ! 『加賀鳶』か…。これ、春秋会で観て、メッチャクチャ面白くて、絶対に本興行で観たい! !って声が圧倒的だったけど、こんなに早く実現するなんてね。 ったく〜、貯金引き出してばっかりで、貯める間がありませ〜〜ん。 |
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「あー」「あー」「あー」 皆さまこんにちは〜。もうもう大阪はまぶしいような“猿さま晴れ”です。 十四日と十五日、歌舞伎座に行ってきました。エミーさんの書き込みのあちこちに出てくる感動、感嘆の「あーー」って表現。分かる、分かる、分かりますわァ〜。 私も今は「あ〜〜」「あ〜〜」「あ〜〜」状態です。 十四日の地震、本当にピッタリの場で ( 絢爛の御殿が一瞬にして破れ御殿となりそこに岩藤の霊が蘇るという ) グラグラ〜ッ。ビックリしたけど効果的でしたねェ。(;^_^A 相当の揺れにも拘らず猿之助さん玉三郎さんの声、表情には微塵の変化もなく、さすが ! 本当に、猿之助さん、最高 ! ! 岩藤の凄さ、憎憎しさ、怖さ、そして美しさ、色っぽさに酔いしれました。 ああするより他なかった又助の絶体絶命に心かきむしられほど泣かされて、 悪の華・弾正のかっこよさにノックダウン ! ! ! テンポがあって、変化があって、見所は五分に一回用意されているというような舞台なのに、じっくり観せて芝居の醍醐味を堪能させる又助住家の場の重さ。玉三郎さんを迎えての草履打ちの場の火花散る対決の濃さ。 本当に「これは復活通し狂言の大傑作だわ ! 」と改めて思いました。 通し狂言ばやりの昨今だけど、猿之助さんが手がけたもの以外は大抵一回か二回の上演で終ってしまうことが多いみたいですよね。理由は簡単、結局のところ観客動員がおもわしくないから ( ってことは、ま、ハッキリいってあまり面白くないってことなんでしょう ) 再演したくても再演出来ないというのが本当のところなんだろうと想像しています。 面白い舞台を作りたいなら、ゴチャゴチャ難しいこというより猿之助歌舞伎を観ましょう、ノウハウを盗みましょう、姿勢を見習いましょう、なんてホント言いたいくらいのものですわ〜。 その上、歌舞伎座の稽古場では連日… ところで、みなさんご存知 ですか? 連日四時間半出ずっぱりの舞台を勤めるためには、( ましてあのパワー全開、オーラ溢れまくりの舞台ですもん ) おそらく出演者のみなさんは十時間労働でも足りないくらいのエネルギーを消耗しちゃってるはずだと思いますよね。 なのに、いま、歌舞伎座の稽古場では、あのもの凄〜い舞台を勤めている役者さんたちが連日何をしていると思います ? 舞台が始まるのは四時半だけど、猿之助さんを筆頭に皆さん十一時前には集まって、『新三国志』のお稽古が繰り広げられているのです。 「ああ、博多座公演が近いから…」って思うでしょ。 違うんです。連日熱心に繰り広げられているお稽古は、何と、来年の『新三国志パートU』 ! ! ! ! ! 観客に感動を与えるような新しい舞台を生み出すのって、本当に強固な意思と真摯な姿勢と長〜い長い大変な努力があって初めて可能になることなんですよね。 それを知った時は、「ありがたい…」なんて、思わず拝みたくなってしまいました。 |
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岩藤さま o(*^^*)o その1 こんにちわっ。5日にMY初日を迎え、昨日14日に2回目を観て来ました。 来週あと三階席で観たら(この日は昼夜通しです)今月の観劇はオシマイ。 テンション落ちてる?...なぁんてことは、決してナイですよ。 北前さんは、未だ先月の燃え残り(笑)が熱そうですねー。蘇る良門様(by「御贔屓繋馬」)ように、立ち上る煙と残り火が見えるようですもん。 私も権太の姿をアタマに映して、未だ余韻に浸るときありますけどね〜 。 でもって「加賀見山再岩藤」。 MY初日→かぶりつき、昨日→二階席最前列と、来週→三階と、どんどん離れてってます^^;)。 MY初日は素晴らしかったー(でもこれは、かぶりつきマジックで、よく見えすぎてるんでわ?)って、ちょっと冷静になって、昨日は時間もおいたし、舞台全体が観やすい席だし、落ち着いて(←ホンマか?^^;) 観てました。 しっかし、さらにさらに、猿之助さんもご一門の方々も大熱演で、素晴らしい舞台になってましたっ。 地震等のアクシデントもあったのに、それには動じず見事にさばくプロ根性も見せて貰って、お得な気分もアップ(笑^^;)。 91年・95年(共に歌舞伎座)と、三度目の岩藤との対面になります。 5日に観たときは、さっぱり整理され過ぎてるような印象を受けましたが、昨日見直した筋書きと比べたら、舞台の流れは、95年とはさほど変わってはいなかった。 ふわふわから宙乗りへの繋ぎ(胡蝶の二人が可愛いくて、ファンの方はウレシイ)、まや助と求女&おつゆとの場が違って(これはあとの岩藤蘇生がやりやすかった為?とは思うけど、そのせいかドキドキシーンが物足りない気が←なんて・ちょっと赤面^_^*)、...その二点ぐらいしか、私にはわかりませんでした。 あと岩藤もちょっと薄味かな?って5日には思ったけど、昨日はバッチリ・こってりしてました♪ 最後の尾上との対決からの繋ぎ方、早くなったような気がします。 発端の序幕。 多賀のお殿様の、お柳の方へのぞっこんぶり、正室梅の方の無念さ、お柳の方のあざとさ(いるよな〜・こういう女^〜^;;)とか、求女の融通の利かないくらいの真面目さ(はイイんだけどさー、間抜けすぎ。あそこであの絵はナイでしょう〜)とか、大変分かりやすく 事は進んで行きます。 岩藤が蘇生して飛んでくふわふわの優美で怪しいこと。いやぁ〜〜もうウットリします(*^^*)。 二階席は好かったですよぉー。ああ、あのまとわりついていっしょに飛んでる蝶になりたい。 なんか蛾みたいにぷくっとしてやたら可愛かった・笑^^;) 。三階に行ってしまった後も、大きなシルエットが舞台側に映っているのが、またまた怪しくて面白い〜〜。 岩藤さま o(*^^*)o その2 そして二幕目。 志賀市、花道の登場のシチュエーションだけで泣けてきますT_T)。又助は、ホントに主人思いの心の底からのイイ人だし、おつゆも可愛いくて健気だし、志賀市もまだ小さくて、もらったお菓子だって、自分ひとりで食べたい年頃だろうに。みんな一生懸命働いて、支え合って暮らしてた、いいひと一家なのに...。 それだからこそ、その後の展開のカナシサときたら。。 又助が、帯刀に真実を知らされたときの驚愕、こちらまでも震えがビリビリ伝わってくるようでした;_;) 。。もう悲しい。ホントに悲しすぎる。。どうしてこんなボタンの掛け違いが。 七月・九月と、こういう役が続いてて、それをずーっと見てるこちらも毎回毎回ツライ。。 昨日の猿之助さんは、実際に目が真っ赤のようにみえ、大熱演で、切腹されてました;_;) 。志賀市の弾く「妹背川」のおさらいを聴きながら、又助が切腹する演出って、「水天宮」の発狂シーンをちょっと彷彿。...悲しい場面での美しい音楽、歌舞伎の粋な演出だなぁ。 ラスト、一応みんなの身の振り方の目処もたち、安心して死んでいく又助の、最後の場面での死に顔が穏やかで安らかで、本当に綺麗だったのが、悲しいながらもせめてもの救い。 その前に、胸の前で組もうとした手のひらが、なかなか合わないところまでは、見てるこっちも、心臓にギューッと力が入ってるので、ホントに心底ホッとします。。 さらに、また志賀市を見ながら、ああ・この役を亀治郎さん、猿弥さん・右近さんもやったんだなーなぁんて、アレコレ考えてしまって、感慨にふけりました。まだ筋書き買ってないのでお名前が分からないけど、今回の子役さんも、上手くてとっても好かったです。 三幕目は、悪の二人。望月弾正と岩藤が大活躍。 みなさんも書かれてるように、望月弾正の捕物の立ち廻りの、カッコ好さときたらナイですわぁ。猿之助さんのあの動き・あの見栄の切り方! 漲ぎるパワー!!(^-^)v そして、一座が一丸となって統制されてしかも、熱気あふれた美しい立ち廻り!! 小金吾討ち死の時にもあった、縄を使って蜘蛛の巣みたくなった中心で見栄切るのって、猿之助さんぐらいのボリューム感・笑^^;)の方が、しっかりと見ばえしますねぇ。 一昨年の通し狂言「義経千本桜」の時は、花矢倉の場のカットで、立ち廻りが見られなかった憂さを、「国姓爺」の年末まで待たなきゃいけなかったのが、今回はすぐで、スッキリ(^-^)。 でも私的に、一番カタルシスを感じてしまうのが、ボロボロになった御殿での亡霊・岩藤の尾上の草履打ち。眉なし女方の猿之助さんで、悪役。いいですわぁ〜〜(*^^*)。 しかも最後まで往生際の悪いのが、却ってユーモラスで^^;)、面白い・面白い♪♪ どろどろ〜〜って出てきたのに、声のトーンが、急に高く猫なで声に変わっての「おのえどのっ!」ってあの調子。どんどん責めてくトコなんて、見惚れてしまう(#。#)。 また、尊像を突きつけらて逃げていく、あの人間離れした動きもカワイイ〜〜(*^^*)。 大詰めで、成仏を促された尾上に向かってほざく、ふてぶてしい台詞にも痺れますぅ。。 やっぱタイトルに、岩藤って名前入ってるくらいだから、主役なんですよね? (...って、違うだろ〜〜f^^;)>「義経千本桜」) とにかく私は、イチバン岩藤さまが好きでする〜〜o(*^^*)o。もっと出番あって欲しいくらい。 あと、いいなって思ったのは、 腰元たちが並ぶ姿の美しいこと。特に段之さん・芝のぶさんの並びに、つい目が。 笑三郎さんのお柳の方の驕慢さ、もう手練れてる感もある情の深そうな門之助さんの梅の方。 意外にヒットだったのは、笑也さんの求女(何故こんな名前?)。美女は(当たり前だけど)美男なのねーって納得。スラッっとした立ち姿も好かったし。風情的にはちょっと憂いが足りない気もしないではないけど、男っぽくて素敵でした。 亀治郎さんとの初のカップリングも、なかなかお似合だったと思います。 その亀治郎さんのおつゆは、もう可愛過ぎ・イイ子過ぎに、メラメラ(笑)するほど。先月のお里とはうってかわった、哀れないたいけな風情がいっぱいで、すごく好かったです(*^^*)。 以前に観た、笑也さんのお柳の方もクールな魔性の女で好かったねって、この前友達とも言ってたし、笑三郎さんの尾上も一生懸命な感じで好かったし、そういや「オグリ」での立役素敵だったから、求女もイケそうだなぁ〜〜なんて、勝手にアタマの中で再配役してたりする(笑)。 性別越えて、皆さんいろんな役をやってほしいです。それも、歌舞伎の醍醐味。 なんか毎度の事ながら、ダラダラ長くて、しつこくてスミマセン。 なんで、こうまとめ下手なんでしょうf^^;)。 それでわっ |
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あー「加賀見山再岩藤」 その2 連続して登場してしまい、すみません。 七役の猿之助さん、さぞすばらしかったんでしょうね(観たかった!)。でも、私はこの舞台に感激しきっています。 「鳥居又助内切腹の場」−求女とおつゆはますますしっとりとした情と哀感を漂わせていきます。又助は登場してくる花道で、志賀市をかばい励まし、その優しさが身にしみてたまりません(あー、志賀市になりたい!)。又助・おつゆ・求女がお互いに思いやる場面にグッと胸にくるものが。 長谷部帯刀が登場して、予感されていた悲劇の展開へ。又助の驚愕、観客はわかっていることなのに、すごい衝撃を受けてしまう。それほど迫真の演技の猿之助さん、驚き・怖れ・悔み・嘆きなどがうねりのように猿之助さんの又助から伝わって、私も又助と一体化してしまいました。 それまで穏やかだった求女が激昂して又助を責める場面で、ついにこらえていた涙が溢れ出し止まりません。震える又助、それはもう所作を超えていて猿之助さんご自身が本当に震えていらっしゃって、総毛立ちました。 志賀市の帰宅で、悲しみをとりつくろう又助が、あー何と言ったらいいのでしょう、たまらなく素敵なのです。又助の1つ1つの動きから悲しみが胸に突き刺さってくるのですが、琴の音にあったその姿はまた絵のように美しく、陶然ともしてしまうのです。 切腹の場面は、眼が釘づけになるのだけれど正視するのが辛くなるほどのクライマックス(この矛盾わかってください!)。心の片隅に、又助の膝にしがみついてる志賀市をうらやましがり「あー、志賀市になりたい!」とまたも思っている気持ちもありましたが。書いていてまた興奮してしまいました。再びちょっと休ませてもらいます あー「加賀見山再岩藤」 その3 厚かましく、また出てきました。やはり、なかなか言い尽くせませんが、最後まで書かないと夕食の支度とか何も手につかない有様なので、拙文、ご容赦ください。 いよいよ「大詰」−小気味よい展開のうち、ひたすら「わぁー!」「わぁー!」と感嘆しているうちに、大団円を迎えたような気がします。 ここで初めて登場する猿之助さんの望月弾正。悪の魅力を満載してます。 弾正から責められる尾上は、毅然としたなかにも理不尽なことを言われて動揺する様が見事で、この善悪対決の構図は、尾上と岩藤の対決となって増幅されます。 この岩藤(弾正からの早変わりも見事ですが)が吸引力をもったような迫力で、圧倒されます。声にこもった憎々しさ、だけどその底に何か人間臭さも感じさせます。草履で打たれる尾上に味方しながらも、自分も岩藤の力に押され、岩藤を憎めない(もちろん、猿之助さんが演じられているからでしょうが)。そして、この対決構図が、表情まで含めてやはり美しい絵になるのですね。 その岩藤の猿之助さんがあっという間に弾正に。 この弾正の立ち回りが圧巻で、観客席はまたもやどよめきと拍手の渦。梯子をタッタッタと登ってしまう猿之助さん、激しい殺陣もド迫力で、メチャクチャかっこいい! 最後はどうなるのかと思っていたら、猿之助さんは大領として颯爽と登場(序幕の時より一層きりっとして晴れやかな男前)。花園姫(春猿さん)の憂いも晴れ、大きな働きをした伊達平も含め、善側の勝利で落着。最後はついつい猿之助さんばかり見とれてしまいました。 あー、これから日常の精神構造に戻るのがハッキリ言ってツライデス。 |
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あ〜、「加賀見山再岩藤」 その1 13日に行ってきました。初めてなのです。「加賀見山再岩藤」。 何と言う面白さ ! 舞台に没入しきってしまい、ハラハラしたり驚いたり泣いたり笑ったり喜んだり、あらゆる感情が噴出し、至福の時はあっという間に過ぎてしまいました。( あまりに感情が高ぶったせいか、家に帰って鏡をみたら目が落ち窪んでいました ) 。 アドレナリンが分泌しているこの状態で、拙いながら感想を書こうと思いますが、すべての思いは言い尽くせないでしょうから、できるところまで。 ともかく見せ場が連続する息もつかせぬ展開の中で、それぞれの人物像がくっきりと際立ち、全体を通じて、善と悪とのコントラストが美の造形となってバーンと目に飛び込み、心情面でドーンと胸に迫ってきて、まさに猿之助さんが追求された3Sが完璧なまでに実現した珠玉の作品なのですね。 「大乗寺花見の場」――華やかな舞台と対比的な多賀家の暗雲。貫禄ある梅の方の門之助さんにびっくり。( 小金吾のイメージが残っていたもので ) 。 多賀大領の猿之助さん、かっこよい ! だけど妖艶な雰囲気を発散させている笑三郎さんのお柳の方にメロメロなのよというところを、ほんのわずかな仕種や目線であらわして、さすが ! ここで早くも善と悪の対決、挫折する善側の求女( 笑也 ) の悲壮、悪側の蟹江一角( 歌六 ) の凄みの迫力。なお、右近さんの伊達平は、これから何かやってくれそう〜と一抹の期待を抱かせる。 「多賀家下館門前の場」――鳥居又助の猿之助さん、あ〜、好きです。実直で主思いで素直な人柄が、勝平( 段治郎 ) さんとの短い会話から、そして全身からすぐ伝わってくる。そんな又助が一角に「あ〜、だまされてしまって」とハラハラしつつ、一角の重低音のような悪の凄みにも惹かれて、気持が二重構造のようになって舞台にのめり込んでいきます。 「浅野川川端〜堤の場」――又助のひたむきさ、何も疑わない一生懸命さが胸に痛い。そう思いつつ、猿之助さんの姿の良さにも見惚れてしまう。 ここで登場する段四郎さんの長谷部帯刀、時間は短いのだけれども、なぜかホッとする安心感を与えてくれます。( この人、ゴタゴタを解決してくりる力量がありそう…みたいな) 。 「八丁畷三昧の場」――笑也さんの求女には現代青年と重なる香りがあり、言葉の端に優しさがにじみます。それに対し亀治郎さんのおつゆは、古典的情感が漂い、いじらしさがいっぱい。このご両人が上手く調和して見え、美しく自然な感じがしました。 そして玉三郎さんの二代目尾上、花道を登場してくる時からオーラのようなモノをやはり感じますね。凛とした気配、美しい面影ににじませる意思の強さ、そこでの優しさから岩藤の亡霊が出るとは( 骨寄せは上手く出来ていますねぇ。ちょっとコミカルなので、岩藤の迫力がさらに増す効果があるかも ) 。 善と悪、その対決が何故か造形的には美しく、心情的には善の尾上を着遣いながらも、猿之助・岩藤の怨念に満ちた怪しさに心奪われて、眼が吸い寄せられてしまうよ。 「花の山の場」――暗から一転して明の舞台に驚く暇もないうちに、美しい岩藤の宙乗りが始まり( ここで宙乗りになるとは全く知らなかったもので ) 、宙を優雅に歩き舞う猿之助さんに「わあー」と言う叫びをここの中で上げながら、ただただ見とれるばかり。あーー。 今回は丁寧に書こうとしたら、長くなってしまいすみません。 このあとは後日書きます。 本当はこの後の「又助切腹の場」を精魂込めて書きたかった( 感動し涙が止まらす、顔がむくみ、あとでロビーに出るのが恥かしかった ) のですが、ひとまずここで。 |
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岩藤の鮮やかな登場に感動です 北前さま、皆さま、こんばんわ。 あんな素敵な岩藤の亡霊を見せて貰って幸せな観客としては、たとえお目汚しの拙文だろうと何か書かずにいられません。 だから、やっぱり感想を書いちゃいました。 松竹座に舞った桜の残影も瞼から去りやらぬ心地のなか歌舞伎座へ行ってきました。 「加賀見山再岩藤」またまた酔わせて頂きました。 一方に大上段に構えたような悪役達の格好良さ。 片一方に又助を初めとする忠義に生きる人達の格好良さ。 そして骨寄せ、宙乗りなどのローテクSFXの面白さを芸術として見せる役者達の演技の格好良さ。 これまた三拍子揃って面白い舞台でした。 なんといっても岩藤の格好良さが目に残ります。 舞台上に不自然に張られた幕、「あっ、何かが始まる!。」と、ドキドキ。 バサッと幕が落ちた瞬間、目の前にふわふわ浮かぶ岩藤の内掛け姿の美しさには意表を突かれました。 ゆらゆら気持ちよさそうに空を行くお局様の亡霊があまりにも鮮やかで息がつまりました。 まるで春の眺めを楽しむように客席を眺めながらの岩藤の不敵な笑みが堪らなく格好良い。 狐忠信の宙乗りの美しさとは雰囲気のまるで違う宙乗り、なんていったら良いのか解りませんが素晴らしかったです。 それに尋常ならざる執念で祟りを為さんとする悪霊の登場に美しい姿で満開の桜のなかをふわりふわりと宙を歩かせる。意表をついた鮮やかな演出には思わず「う〜ん、まいったぁ!。」嘗て権勢を誇った、お局様の亡霊に相応しい登場です。 歌舞伎の美意識にも酔う一時でした。 暴れまわる弾正の立ち回りも格好良くて気持が良いです。 狭い花道で梯子に駆け登るのは、登る方と支える方、総ての息が揃ってこそ綺麗に格好良く見えるのだと思います。これも舞踊の一種のようだと見惚れました。 他にも花見の場での生真面目な本妻にたいする色っぽい愛人との対決の華やかな場面も楽しいし。主を助けんとの必死の思いが仇になってしまったと知って自害をする又助の哀れさに涙がこぼれるし。「鏡山旧錦絵」を踏まえた草履打ちの趣向も面白いし。 どれも歌舞伎らしいと感じながら楽しみました。 是非、この芝居の前日談というお芝居「鏡山旧錦絵」も見たいと思いました |
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南座・国立・歌舞伎座(その1) 先日の3連休。猿華はしっかりとカブいておりました。 南座:夜→国立:昼→歌舞伎座:夜→歌舞伎座:昼夜。 んふ〜体力勝負ですわ。(笑) 南座「鏡山縁勇繪」(7日) ん〜期待していっただけに、う〜ん。。。3階で見たのですが、まだまだお席に余裕があるようで。 ほとんど初演&企画もの2年目というのは色々難しいのでしょうか? 私的には「シンプル・イズ・ベスト」かなと。たとえ、仕掛けが見えようとも、黒子さんがいようとも。それとモ○ラとラー○ンマンのお髭が気になって気になって。(笑) 上村吉弥さん@岩藤が暗くて見にくい…。誰だかわからない…。好きなのにぃ…。(笑) ネタバレにならないようにと思うと、こうなってしまいますが、なんだかわらない感想ですね。(笑) 国立劇場「小栗判官譚」(8日) 面白い!このお話は私、初見でした。「オグリ」さえも見ていない…。(TT) 筋書きには「おもだかやさんの「小栗」しか見たことがない」とのコメントもあり、じゃ、皆さん猿様の「小栗」をご覧になったんのね〜とちょっとうれしい。(何で?>自分(笑)) 猿様の時とお話の筋は違うようですが、どう違うのか私にはわかりません。 これも繰り返し、練り直しされると、もっとよくなるのでしょう。いや、決して今がよくないという訳じゃなくて。 楽ぐらいにもう一度見てみたい! 時蔵丈(小栗)が荒馬を諌めるところから始まりました。小栗判官のいっぱい女性と別れた、とかのお話は無かったです。(ん?それは「オグリ」のほうでしたっけ?) 秀太郎丈(横山太郎)&竹三郎丈(その妻浅黄)、かわいらしいし、後で泣かせてくれます。愛之助丈(照手姫)の出番も多くてうれしい♪ 9月でとっても好きになった板東吉弥さん。今回も楽しいです。秀太郎丈(浪七の妻)と吉弥丈(その兄)のからみもいい♪ そうそう“こういう”(←見てのお楽しみ)お役の竹三郎丈(橋蔵)初めて見ました。吉弥丈と竹三郎丈のお二人のやり取りもとってもたのしくて。 鴈治郎丈がちょと立役(風間とか)だと弱いかな〜と思うところもありましたが、お駒は死んでも強かった。(笑) 今回鴈治郎丈は4役にて奮闘中! 愛之助上(小萩(実は照手姫))のこしらえ、どこかで見た?とおもったら前日に見た橋之助丈(たより後に由縁丞)とよく似てる…。 時蔵丈(判官)の立役って初めて拝見したかも。 そういえば秀太郎丈2役とも死なはります。命は大事に致しましょう。(笑) 大ゼリ(っていうのですか?)を使った2階建式舞台変換(?)も初めてで楽しめました。関西でやってくれたらもっと通うのにな。(このメンバーでなぜに東京…。) 黒子さんならぬ「波」子さん(?)綺麗かも。(笑) 南座・国立・歌舞伎座(その2) 歌舞伎座 夜の部 ( 8日 ) 「鏡山再岩藤」(これまた初めてです) 国立が終演したあと(4:50予定より少し前に終わりました)ダッシュで地下鉄へ。(の前に階段でこけました。(笑)) 5:10には席に座ることができました。(でも貧血&呼吸困難で倒れそう…。) 小栗判官も面白かったけど、何度も練り直し、再演されてるだけあって、面白いです!! やっぱり!! ! 何て言うんでしょうか場のつなぎとかが。ハラハラさせて、泣かせて、スッキリして。決して退屈させない。 そして思わせる「もう一回みたい ! 」。(笑) 笑也さんの求女、掲示板とかでいろいろ聞いてて(見てて)ちょと怖いもの見たさ感もあったのですが、(ごめんなさい変な意味じゃなく)綺麗だし(♪)、哀れだし(おつゆよりも?)、出番がいっぱいあるし、(最初から最後まで♪)ずっと顔がニヤついてました。(笑)(その日の夜の夢にご登場。即効性アリです。(笑)) 一番のお気に入りはふわふわの時の春猿さん@蝶々です。(笑) 権太の死に納得いかなかった先月ですが、(先月だけでなく切腹全般かも。あ、権太は切腹じゃない…。) なぜか又助の切腹には「こうするしかない」という納得を得ました。それが悲しいけれども唯一求女を助け、疑いを晴らす方法だと。(なぜ?) 志賀市にも泣かされました。(号泣)「妹背川」のうたと演奏、葵太夫とも慎治さんのお三味線ともよくあってて、すごい〜。 大詰めの彈正様(悪役だけどあえて「様」♪)もう楽しそうで、かっこよくて、きゃ〜♪ 2回とも花道に近かったので、梯子のときはドキドキでしたが、いやもう、「かっこい〜♪」が声に出ました。はい。(笑) 忘れてはいけない久々に待ってました!の猿四郎さん!瞬きをしてはいけません。短いですがあの「瞬間」にこれでもか〜!と見せてくれます。特攻隊長お帰り〜!(?)の気分です。(笑) 夜の部で一緒だった母&叔母は9月では昼の部のみの観劇だったので、見ることのできなかった猿様の宙乗りにご満悦でした。 弾正様の立回りもキャ〜キャ〜言いながら見てました。 笑三郎さんのお肌が一番きれい!つるつる!笑也さんの求女きれい!春猿さんかわいい!岩藤が夢にでてきそう〜。 悪役の猿様、ほんとにいいねぇ〜などなど。(そうでしょ、そうでしょ〜♪と頷く私…。) “ミーハー”の母はやっぱりミーハーでした。(笑) 色々感想を聞きましたが「楽しかった〜♪おもしろかった〜♪」と言われるのが、一番うれしかったです。(ん?なぜに勝手に身内意識?<自分) 昼の部 (9日)(すべて初見でした。) 「元禄忠臣蔵」 蔵之介も吉良も出てこないけど、忠臣蔵かぁ〜と思いながら、綱豊(仁左衛門丈)と助右衛門(段四郎さん)の話(問答)に引きこまれ涙してる自分…。 ここで出演中の宗十郎丈(江島)、この後国立に移動してお駒の母親で掛け持ち出演です。(大変だ。毎日行ったり来たり?) 「英執着獅子」 優雅な姫さま、足踏ん張って毛振りです。 初めて見る芝のぶさん@後見をまじまじと…。 (確か研修所で段治郎さんと春猿さんと同期だったはずだなと思いながら。) 「切られ与三」 仁左様、玉様、もうため息。。。 一緒に見ていた母に、「いい男だね、いい男だね〜」と何度言ったことやら。(笑) 玉様、鯛をもらっての「ありがと。」この一言に、クラクラ〜ときました。(またまたなぜ?) 「お祭り」 お二人に見せつけられました。なんでかみてるこっちが恥ずかしい。(笑) もう一度夜の部を見て、東京を22時発の夜行列車で帰るつもりが鳥取の地震の余震で運休!気が付いたのは出発する10分前。 一泊するよりは安いということで、他の寝台&新幹線で帰り、9時の出社に無事間に合いました。 連休歌舞伎を堪能したシメが、このオチかい!と一人で笑ってました。(爆) (いえいえ、不謹慎。お見舞い申し上げます<被害に合われた皆様) 長々と、ごめんなされてくださりませ〜。 猿華でした。 |
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行ってきました!歌舞伎座 私の中では九月の松竹座の余韻がまだ残っているのですが、そのままの気分で東京まで行くことが出来ました! 二ヶ月連続して澤潟屋さんの古典が観られるなんて、関西在住&古典大好き人間の私にはなんと素晴らしいこと! 他の人の連休とはとは少しずれていたのですが、私も三日間の連休利用して行ってきました。 今朝夜行バスで帰ってきまして、そのまま仕事しております。 再岩藤。代表作というのに今回が初めてだったのですが、本当によくできた作品ですよね。 早朝に家を出て、夜の部まで遊びまくっての観劇でしたので正直なところ「観劇万全体勢」ではなく、少し心配だったのですが、そんなの全然杞憂でした。寝るなんて・・・あり得ませんでした。どんどん舞台に引き込まれてしまって。夢中になっていました。 休憩入れて四時間半。全く疲れを感じないままに終わりました。あんまり頑張って観ましたので、終わった瞬間に急に疲れがどっと出て来ましたが・・・・ 夜の部だけでももう一度観たかったのですが、色々予定を入れていたのでそれも叶わず、最終日に三幕だけ幕見をして帰ってきました。 まさかもう一度今月東京に遠征するわけには・・・いかない。でも、本当にもう一度観たいと心から思ってしまいました。 うまく言葉に出来ませんが、本当に東京行きで「元気」もらって帰ってきたような気がします。 元気を沢山下さった猿之助さんはじめ一座の皆さん、素晴らしい舞台をありがとうございました。 東京でお会いした皆様、色々御世話になりました。楽しかったです。また東京に行きました折りにはおつきあい下さいませ。 |
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奴と若党について / 上田寿三子 三省堂出版、新明解古語辞典より 奴・・・江戸時代、武家の下僕。多く頭髪を撥鬢(ばちびん)にし、鎌髭をはやし、木刀をさした。 若党・・・1,若い「郎党」。若侍の家来。2,若い侍。 (郎党・・・1,所領を持たない従者。2,武家では、血縁関係がなく、代代その家に仕える家臣。3,一般に武家の家臣。家来。) 堅苦しく言うとこういうことになるのですが、若党は一応武士の端くれだけど、奴さんは召使いっていうことになるようですね。 私の感覚から言うと古い時代劇映画で大名行列の一番前で毛槍を振っているのが奴さんっていうイメージがあるんだけど、スズマ様の聞きたかったことってこれで良かったんでしょうか?それともちょっと違うかな? スズマさんの宿題 / ヒナ子 1:「奴」と「若党」の違いって何?? どちらも武士の家の家来とか下働きをする下男、召使、と言う風に解釈してるので、同じようなものだと思ってました。両者の違いをハッキリご存知の方、教えてください。私も知りたい〜。 2:弥陀の尊像は、なぜ大望成就のために必要なのか?(尾上が持っていると都合が悪いってだけの理由?) 単にそういう理由の他に、あるとしたら「金鶏の香炉」とともに「弥陀の尊像」が多賀家の重宝だからじゃないのかなァ…。 あの尊像は『再岩藤』の前のお話『鏡山旧錦絵』の中に出てくるもので、たしか多賀家の息女・花園姫に許嫁の家より贈られたものだったはずなんです。それ以外の理由は ? ? ? 私も思い当たらないのですが…。 3:岩藤と望月弾正との関係。(岩藤って、弾正に乗り移っているんですか?それとも一心同体なの?) これは乗り移っているんだと思います。中日劇場で十年前に観た『鏡山岩藤諍』(かがみやまいわふじそうどう)は、『鏡山旧錦絵』と『再岩藤』を一挙に通して観せるというもので、それはもう最高に面白かったんです。 『千本桜』を通しで観るとバラバラで観るより数倍面白く感動も大きかったことを思えばわかってもらえると思いますが。 で、『鏡山旧錦絵』に当たる部分では、岩藤が多賀家乗っ取りを企て、それが中老の尾上の忠義と、尾上の下女お初の働きで未遂となり、殺されて弔われることもなく八丁畷に遺骨が捨てられるまでをやったんです。 それで岩藤を殺して中老の尾上の仇をとった下女お初は、その功で二代目の中老・尾上として多賀家に重用されているというのが今回の『再岩藤』というわけです。 だから岩藤としては大望が果たせなかった怨みと二代目尾上に対する怨みと、二つの怨みが重なって、怨念の固まりのようになってるんですね。死んで尚七代までも祟ってやるというわけで、弾正にとりつき弾正をあやつって多賀家と尾上の両方を滅ぼそうとするわけです。 というように私は思ってるんですが…。 |
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観劇記パート1 元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿を観て 段四郎さんが出る幕は第2幕からの登場でした。 段四郎さんが出てこられた途端、大向こうから「おもだかやぁ」の掛け声。第2幕までで一番の大きな掛け声で、おもわず、私の顔はにんやりとしました。 それと同時に、会場からは段四郎さん演じる富森助右衛門の剽軽さに会場の緊張が一気に解かれました。 後半の見せ場とも言える、片岡仁左衛門さんの演じる綱豊と富森助右衛門の問答は聞いてて気持ちいいものでした。 また、片岡孝太郎さんの演じるお喜世。お喜世は仮兄の富森助右衛門が綱豊に失礼なことを言わないかと心配する様子がひしひしと伝わってきてすばらしいものでした。 また、時間が経過していく様を照明によって微妙にコントロールしているのも味わったことのない演出でした。 番付の木挽町楽屋探訪によると片岡仁左衛門さんも段四郎さんのファンということ。いち段四郎ファンとしてはうれしいものです。 その他、笑子さん、喜昇さん、笑羽さんの奥女中、毎度ながら素敵でしたよ。まだ、観ていない方も是非観て下さい。 第2弾 加賀見山再岩藤を観て 序幕 猿之助さんは三階席へ入った途端、「さようなら」を言うかのように、扇子で左右に1階席へ向かって振ってくれました。それはちょっと嬉しいサービスでした。 2幕目 又助が「さて、奥で飯でも食おうか」といいながら、妹と目を合わせるところの猿之助さんの目に潤んだ涙…。 とんだ過ちを犯してしまった又助が「どうしょ、どうしょ、どうしょ、どうしょ〜」といいながら真っ赤にした目。とても印象的でした。 ◇一緒に行った、友人(田中君)の感想◇ はじめは、またお家騒動の話かと思っていたのですが、話が進むにつれ芝居に引き込まれていきました。特に八丁畷三昧の場の骨寄せや大詰の演出はすばらしく、さすが猿之助さんだなとあらためて思いました。また、鳥居又助内切腹の場で子供(志賀市)が琴を弾いているのにも感心しました。 ◇ ちょうど、右お隣にお座りになられた、おばあさまも猿之助さんファンらしくいろいろとお話しました。その時、ギネス認定の大きいお写真を、突然、バッグからだされて私に見せて下さいました。その後その写真を大事そうにまた、バッグへ直されて。なんか見ていて少女のような感じの方でした。 |
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いざ歌舞伎座へ あーやっぱり歌舞伎は面白い!そしてやっぱり役者は猿之助!! ここ1年半なかなか上京できず、生歌舞伎はひさびさでした。 売り切れと聞き諦めていたところが運良く当日券を手に入れることが出来、初めて見た「加賀美山再岩藤」。 日曜日に観劇したのですが、大向こうの方も多く華やかな雰囲気でした。私の隣の席のおじさんも良い声でかけるのですが、時々「おっ、ここが一番の見せ場だな」とか「大詰めだ、大詰め」とか大きな独り言が… 宙乗りも骨寄せも立ち回りも良かったけれど、私は又助切腹の場が一番好きでした。 この場は身を乗り出してずっとウルウル。志賀市役の伊藤友寿くんは随分とお琴を練習したのでしょうね。 ほんとに猿之助さんって何であんなに素敵なんでしょう。お芝居とわかっていても切腹の場面では「うっ」とこちらも力が入ってしまう。 休憩の時、階段を降りる私の後ろの女性が「夏に比べるとまだまだ。だって夏は8回きたんだもの」と言う会話。もしかして、翔の常連の方かしら… |
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救急車に乗りたいほど、こわれてる私 いやあ、かぶりつきはいいものですね・・ふわふわの時、岩藤様に指差されて(別に私だけじゃないんだけどさ)うれしかった! 1F最前列から見て、又助の震えがひしと伝わり、たまらなかった。興奮して、眠れなかったです。 宙乗りの時、ふと御簾内を見たら、崇光さんや、杵屋勝彦さんたちがすごく楽しそうに唄ってらして、とても素敵でした。 又、御殿が荒れ果てる場面の前では、大道具さんがちらっとみえちゃったりして、緊張感が伝わってきましたよ。 1F最前列、しかも上手寄りだとしても(センターじゃなくても)楽しみがありますよ〜。 右近さんの奴伊達平かっこよかった! 志のぶちゃんも美しかった!必見ですよ、皆さん! それからNHK演劇人祭の件ですが、NHKへ問合せメールをしてみたのですよ。再放送とかあるのかな?やるのか、やらないのか...どっち?って。 昨日歌舞伎座から帰って、ビデオみたら ( 『連獅子』 ) がなくてがっかり。 |
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The Return of Iwafuji 初日から一週間ほどの間に「再岩藤」を3回みてきましたが、ちょっと 分からないところがあるので、質問させていただきます。 1:「奴」と「若党」の違いって何?? 2:弥陀の尊像は、なぜ大望成就のために必要なのか?(尾上が持っていると都合が悪いってだけの理由?) 3:岩藤と望月弾正との関係。(岩藤って、弾正に乗り移っているんですか? それとも一心同体なの?) どなたかご存知でしたら教えてください〜!! 私も、別にいろいろ論理的に考えてお芝居をみているわけではないんですが、何度も同じお芝居みていると、一回一回違うところに注目しますし、新しい発見や疑問が生じてきて、(といっても、今月はまだ3回。あと2回観劇予定) 気になりだすと、止まらないタイプなので質問させていただきました。 で、特に今回気になったのが段治郎さん演じる若党勝平なんです。 ご覧になられた方はお分かりとおもいますが、1幕目では人の良いお兄さん系の人(時代劇にでてくる足軽みたいな感じ)で又助のお友達。しかし、大詰めは超二枚目(もちろん白塗り)の色奴となるんです。 奴といえば、右近さん演じる伊達平がいますけど、まったく同じような扮装となっているんですよ。しかも、伊達平も勝平も同じ長谷部帯刀の家来。猿弥さん演じる蟹江主税には「奴」と呼ばれてました。それで、アラ?若党と奴って何が違いなのかしら??と思ったわけです。 2の質問は3の質問と連動しているんですが… 確か、猿十郎さん(弾正の部下役)の科白に「朝日の弥陀の尊像が弾正様の大望成就のために必要」というようなものがあったのですが、その後お芝居をみていてもどこにどうやって使うのか用途がよく分からなかったのです。 そして、仮説ですが、もし、岩藤と弾正が一心同体なら、尊像が弾正の弱み(向けられると威徳で近寄れなくなってしまう)となっているので、まず尊像を奪うことが必要なのかな?と思ったわけです。 乗り移っているのかな?と思った理由は岩藤の科白に「守護なし〜〜〜〜」とあったからなのですが、岩藤の打掛も藤の模様で弾正の裃も藤の模様であったことにも理由があります。 一人何役もやると、とっても面白いんですが、却って話がわかりづらい事って私にはよくあるんです。 |
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南座行ってきましたよ ・・・ 上田 寿三子 北前さんは食欲の秋を満喫されてこられたようですが、私は今日9日の昼の部の南座行ってきました。なんと3階はガラガラでした。 「鏡山縁勇繪」ですが、そんなに悪くは無かったと思います。ただ、ちょっと初心者向けのような感じはしましたが。 橋之助さんは去年と同様大車輪で頑張っているし、染五郎さんとの「草履打ち」対決は見応えもあったし、普段は脇役で頑張っている中堅クラスも良い芝居を見せてくれてるし。 ただ分かり易いのは良いんだけれど、泣かせる場面まで軽かったりとか(去年の徳三郎さん・芝喜松さん・永田晃子ちゃんの愁嘆場は良かったですもんね)ちょっと気になることもありましたが。今年の入りがこんなんだと来年はどうなることやら?って感じでした。 私も南座 ・・・ 康子.S 歌舞伎座の観劇日まで2週間ほどあるので、南座へ行ってきました。8日の夜の部です。この日も3階はけっこう空き席がありましたよ。 去年の「小笠原騒動」の評判でお見えになっているお客さんが多そうでした。 今年の「鏡山縁勇繪」は・・・。蝶々を使ったイリュージョンがあったりと色々見せ場はあるし、出演の役者さんも頑張っていらしゃるんですが、話に盛り上がり、山場がないせいか少々退屈。 つくづく、新しい試みの2回目というのは大切だと思いました。 8日の3階では、出番の終わった幸右衛門さんがパイプ椅子に座って、とっても熱心にご覧になってました。 ベテランの役者さんでも、こうしてお客さんと一緒の目線で観劇したり客席の反応を見たりしてお勉強されるんだなと感心しました。 |
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こんにちは〜。やっぱり仕事です みなさまこんにちは〜。今日は三連休の最終日ですね。 ても、やっぱり私は仕事てす…。ククーッ…。結局私の休みは昨日一日のみ。 三連休で、芝居三昧ができるみなさん、いいな、うらやましいな。 昨日は丹波の笹山の味まつりに車ぶっ飛ばして(高速で1.5時間)行ってきました。 黒豆の枝豆やら、ねぎや栗などを山盛り買って、栗ぜんざい食べて、ヤマメの塩焼き食べて、しし汁を食べて、黒豆のソフトクリーム食べて(何とまあ、食べてばっかりやん ! )帰ってきました。 南座の花形公演『鏡山縁勇繪(かがみやまゆかりのおとこえ)』に出かける予定がコロッと変心。やっぱり食欲の秋ですもんね。 それにしても昨年の『小笠原騒動』の時は面白い、面白いとエライ話題になっていたし、私も実際に観に行って、感涙にむせぶ橋之助さんたちの姿勢に感動したのだけれど、今年は何だか静かなんですね。あちこちのHP覗いてもあまり話題にもなってないみたいで、どうしちゃったのかなァ〜。今回も当てなくちゃ ! と、ある意味では昨年以上に一生懸命に取り組んでいるに違いないと思うんですけどねェ。 ま、昨年の『小笠原騒動』は、一から創ったとはいっても、猿之助さんが全く何も無い状態のところから奈河氏と組んで作り上げた台本が下敷きになっていたわけですよね。そういうことを考えると今回の『鏡山縁勇繪(かがみやまゆかりのおとこえ)』が本当の意味での彼らの創造した舞台と言えるのかもしれなくて、だからこそ当たればいいな…と願っているんですけどねェ…。 だってせっかく芽生えかけた意欲なのに、ぽしゃったりしてはもったいないじゃありませんか。 |
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■初日見てきました ・・・ 美翠 芸術祭10月大歌舞伎、10月1日初日昼夜を見てきました 与話情浮名横櫛、源氏店の与三郎とお富み、お祭りも待ってましたで、ご両人のコンビは絵になる美しさです。ただただうっとりしてを見てしまいました 初日は時間どうり終わらず、夜の部の時間が推していよいよ加賀見山再岩藤(骨寄せの岩藤)です 土手に散乱していた骸骨が合体して岩藤の姿になり、花の山をふわりと飛んで、さらに客席を宙乗りしていく猿之助さん。傘をさして優雅に宙を舞う岩藤がとても魅力的でした。 今回は4役の早変わり、玉三郎さんの中老尾上との絡みも見物です。 鳥居又助がお梅の方を殺害して、水に飛び込む所はオリンピックの水泳競技・シンクロのようで楽しませて貰いました。 カッコイイ弾正もいいけれど恐い岩藤も猿之助さんのお得意な役所で大好きです。骸骨もなかなかでした。 それにしてもあんなに凄い大立ち回りしてだいじょうかしら、心配です。 もう何回も見たいー。でもチケット3階席は土日、平日も完売状態。昼も夜も人気は凄いです。 ■ かっこいい ! ・・・ MAMI 旦那、かっこいい!もう、それしかありません。 あの立ち廻りの追い込みのスピードといったら、あなたもう、失神しまっせ。 宙乗りの時、3F鳥屋口のホント脇でしたので、歌舞伎初めての友人も「すごい!」を 連発してました。猿之助さんは劇空間を支配するからなあ。 ああ、ため息がでます。今度は最前列だもんね。 かぶりつきます! ■☆・:*:・゜★祝・ヽ(^o^)丿岩藤初日★,。・:*:・゜☆ ・・・ YASUKO.W 松竹座楽から5日、実際の舞台稽古は歌舞伎座の楽以降でしょうから、千本桜通しというあれほどの舞台を勤めた後、わずか数日で、四役!のこの舞台の幕を開ける・・・ 本当に、驚異としかいいようがない! 華やかで美しく趣向も凝っていて・・・ 玉三郎さんを得て、より華やかな彩りが加味された、たっぷりと楽しい舞台です。そして権太の件にも負けずとも劣らない又助切腹の場では、またまた涙、涙。 ところで、手許に85年の<初代猿翁三代目段四郎追善七月大歌舞伎>の筋書があるのですが、この時は亀ちゃんが志賀市で、なんと?右近さんが花園姫なんですよね〜〜。猿之助さんはこのとき七役早替り!(+梅の方・奴伊達平・長谷部帯刀) 91年、95年と最近では上演されてますね。このあたりになると記憶に残っている方も多いでしょうね。 忠信編ならともかく、通しではいろいろな制約で上演の難しい花矢倉の代わりに、今回、猿之助さんの大立ち廻りも堪能できます〜〜。 PS.花の山の場の大薩摩では、舞台映えする若手実力派杵屋崇光・裕光ご兄弟がご出演です。 (こちらの掲示板にもご声援を〜〜!!>【杵屋崇光ごひいき倶楽部】) |
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古典歌舞伎初体験の義経千本桜・夜の部 今頃になってしまいましたが、通し狂言義経千本桜・夜の部の感想書かせてください。 四幕目は、昼の部のイメージが残っていたので、いきなりすごく威勢の良い権太を観て本当に同じ役者さんかとびっくりしました。 観ている側が頭の整理出来ていないのに、、、と思うと、三役をこなされることが本当にすごいことなんだと思いました。でも私の頭もちゃんとすぐに切り替わりましたよ。瞬く間に引き込まれましたから。 小金吾かわいそう。追われる身で自分の事はさておき奥方や若君を守らなくてはと不安な気持ちもあったかもしれないのに踏んだり蹴ったり。悔しかっただろうなー。ここで権太が容赦無く腹立つ人だから、次の場面で、小金吾がたくさんの追っ手に囲まれて最期を遂げる所より悲しく感じたんだと思います。 でも小金吾は後で自分の死(首)が主君の役に立って良かった。 縄を使っての立ち回りはすごいなーと思って注目してしまいました。 前後しますが、椎の木の場面では、善太郎の手を握って「冷たい手だな」と言うところが印象に残っています。そんな気が有るならいつもちゃんとしてあげてヨ!!と思ってしまいました。 五幕目の前半お母さんをだます所。悪いことしてるのになんだかちょっと笑いながら観てしまいました。わかるとこあるからかなー。 権太悪い奴と思っても、似たようなこと私も親にしてしまうもの。お母さんごめんなさい。 お里すごく可愛かったです。あの水の中での大立ち回りをされた方とはとても思えないです。 権太が改心したのは良かったけれど、結局権太のしたことは意味の無い事になったみたいで、なんだかなーと思ってしまいました。 小せんと善太郎が権太と帰る所がとても幸せそうだったのと、引き立てられて行くとき善太郎が振り返るけど小せんが促す場面があまりにも対照的すぎて。 あまり悲しすぎるので、私はかってにあの後の事を、全てお見通しだったのだから、二人も替え玉と分かっていて、解放してもらえて、で、すし屋をお米、お里とで切り盛りする。と想像して、気分を落ち着ける事にしました。 一度も孫として対面しないままなんて、だましてお金をとるより親不孝かも。 そしてとうとう大詰。これが四の切なのですね。 すごいーの一言です。 本物のの忠信は堅物みたいで素敵でした。 狐の力で惑わされている方々の立ち回りもすごかった。 狐の衣装がすごかった。どうしてあんなに動きに合わせてサラサラしているの。たまらなくきれい! その時の早変わり。隣の母は絶対違う役者さんと言っていた。 欄間から一回転して出てこられたときも。私には出来ないあんな高いとから、、、 それから鼓とじゃれる場面。我が家のワンコ( 犬 ) 思い出してしまいました。仕草が同じ!!(ごめんなさい失礼ですよね。) そんなふうにテンション上がりっぱなしで観ていて私は恥ずかしい事に、「あの鼓くれたらいいのに!」と声に出して言ってしまったのです。 予習が出来ていないの分かってしまいますよね。でもそれぐらいの入り込んでいたのです。だから本当の大詰めで空に上って行かれる所、あの鼓をしっかり持って、すごく嬉しそうな顔なのがこちらまで嬉くなって、ほっこりした気分にさせていただきました。 本当に観に行って良かった!ありがとうございます! それから観劇感想と少し違うのですが、客席が明るいので感動したり。せりふで同じ言葉を3回くり返す(念押しみたいに) と言うのを、これか!と見つけて喜んだり、楽しい発見がいっぱいで、終わってみたらとても短い時間でした。 あと、皆様のアドバイスでイヤホンガイドを利用させていただきましたが、その中で教えていただいたことで、二幕目の知盛が最初に着ていたアイヌの衣装や幼い帝が座る熊の毛皮について、「この歌舞伎が上演された江戸時代のお客様には大変エキゾチックに映った事でしょう。」と言うような感じの解説が有りました。心に残っていて、帰ってからも、テレビや映画の無かった時代の人が、 その日を心待ちにして歌舞伎を楽しんだ様子を思い浮かべていました。 そして、何年も後の世の私も同じように心待ちにし、たくさんの感動をいただいて、、、と言うことに、どういったらいいのか、感動しています。 一緒に行った母に帰ってから「行きの電車の中で、すごいニコニコしてたなー。」と言われてしまいました。私はいつも無愛想な顔しているらしいです。だから母は私がよっぽど嬉しがっていると思ったみたいです。その通りだよ。待ちにに待った日ですもの。 でもそんなにニコニコしていたのかとびっくりしました。 もう一つ、あの声を掛けて居られる方(大向こうさんておっしゃるんですよね)うらやましかったです。 ホームルームでいつも発言出来なくて先生に怒られていたわたしには、、、。 少し前まで、どうやって福岡へ行こうかと考えていましたが、今は、その前に、どうやって東京へ行こうかと、考えています。 |
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今さら...ですが もうすっかり秋。歌舞伎座では「再岩藤」もかかってるっていうのに、 実は、いまだ「いがみの権太」を引きずってます。大いに余韻が残ってるっていうか。。 さっ・気を取り直して、九月松竹座、通し狂言『義経千本桜』、まずは昼の部から。。 昼は、今回楽日だけ・一回だけの観劇でした。 ◎「鳥居前」 弁慶を庇った代わりに静のことも取りなして...ってのが、カットされてスッキリ運んで、こっちの方が好かったと思いました。 右近さんの忠信、活力があって序幕にうってつけ。春猿さんの静も、いかにも愛妾らしさが出てて好かったです。最近の春猿さん、表情がちょっと優しくなってきたような...美貌がアップしますね^^)。 ◎「碇知盛」 ...は、有名な話だし上演階数も多いけど、実を言えば、私はあまり納得できない話です。(生意気なことを言ってスイマセン^^;) ただ、厚司姿の銀平と白装束の知盛の、猿之助さんの二通りの格好いい姿を、ひたすら堪能するのみ(ポッ・*^^*)。 よくブロマイドにもなる銀平の戸口にたってる姿、また、手追いになってからの血まみれな壮絶な知盛が、ホントにホントに、すご〜〜くカッコ好くて大好きです!!! ◎「吉野山」 これまで、いろんな方と踊られるのを拝見してきましたが、今回の雁治郎さんとのが、一番好かったんじゃないでしょうかー(^_^)。 雁治郎さんの静御前は、登場した瞬間から、もう静そのものでした。すっごく可愛らしい(#^.^#)。 ナイトとしての忠信の役割・ヒロインとしての静の役割が、過分になることもなく、猿之助さん・雁治郎さんって役者が、互いを照らし合わせ、自分も光り輝く、素晴らしい舞台だと思いました。はんなり・ゆったりと進行していく見た目の水面下で、二人の技量の力がどれだけ拮抗してはるんでしょうね。 最後、あたりが妖しくなって、本性が出た忠信の、もう辛抱たまらんぜっ(笑^^;)的な顔・様子のウレしそうなこと。(後ろだけど)花横席だったので、たっぷり観ることができました。ホントに好かったなぁ。フワフワするような余韻が残りました。 ...って、これで終わりじゃないんですよね。 後半・夜の部へと続く。。 あのあと、どうなっちゃったんだろうかー? あのあとの、あの鮨屋は・弥左衛門一家は、どうなちゃったんだろうかー...とか、いくらその時は不忠者と思ったとはいえ、実の息子を殺しちゃった弥左衛門はどうするんだろうかー...とか、身代わりとなった小せんと善太郎は、どうなったんだろうかー...とか、考えてます。 考えることは他にもあって、例えば権太のお母さが、可愛がりすぎたせいもあって、あんな・なんでも人のせいにするような息子に育ったのかなー...とか、いがんだ兄を横で見て育ったので、逆ブラザーコンプレックスで、楚々とした維盛に一目惚れしちゃったのかなー、お里ちゃん...とか、いろいろ。 夫に息子を殺された妻、息子を殺した父親、父親に兄を殺されてしまった妹。 これからその家を任されて守るように、言われてもねねぇ〜〜。みんなそれぞれがそれぞれの後悔を抱えて、同じ家で暮らして行けるのかなー。 それにしても、そうやって親子に命がけで助けてもらってるのに、憎い敵の陣羽織に八つ当たりして(これも小っちゃいなーって思ったけど^.^;)、数珠と袈裟を見たら、コロっと「敵ながらあっぱれ」になって(オイオイ)、自分だけ、さっさと出家していくお上の人。考え方・世界観が違うと言っても、無情なものを感じました。 今だったら、差詰め自殺しちゃう会社役員みたいなのに、感覚的に近いのかなー。 梶原平三は「誉石切」以外では悪役だって聞いたから、あの陣羽織を維盛に渡しても、小せんたちみたいな下々の人は、やっぱ殺されちゃうのかな? いざっていう覚悟はあっただろうけど、せっかく一世一代の大博打の心持ちで改心したのに、結局は無駄死にで死んでいった権太。 ...あの世で親子三人仲良く暮らせるから、却ってヨイのかなぁ;_;)。 役人に小せんたちが牽かれてくとき、振り返る(それも二度も)善太郎の目に、父親はどう見えていたんだろう。。善太郎に見られてるのにハッとなり、それを振り切るように、すぐ「褒美の金を忘れちゃいけませんぜー」と、何度も何度もつぶやく権太。その口にする言葉とは裏腹に、なんとも言えない深い哀しさに満ちてました。 ...ああ・この声の調子に、弥左衛門がおかしいって、気づいてくれてたなら。。 吉弥さんの弥左衛門がホントに素晴らしかった。昔ワルだった面影をちらっと見せながらも、お主を助ける腐心する様が、すごく出てました。 お里ちゃんの亀治郎さんは、以前観たのと同じ様に可愛くてキラキラしてたし(*^^*)。あんな顔で「お月さんも寝やしゃった」なんて言われたら堪らないです。...維盛の朴念仁っ(笑^^;)。 そして権太。一番好きなのは、母親からお金をせびりとって、とっとと帰るときの戸口での変わり身。キャァア〜〜〜〜!!!(*^。^*)ノ もうクラクラっ(@。@*)にカッコいい〜〜。 生きた演劇 「いがみの権太」は、古典を超えて、まさしく生きた演劇として、私には訴えるものがありました。だからこそ、今でもまだ余韻を感じてるんだと思います。 ...この演目だけ、またじっくり観てみたい。。だって・だって、贅沢な悩みだけど、そのあとに「四の切」が続いちゃうんだもん。 これって、たらふくお寿司を食べた後に、ステーキを出されるようなモノでしょう。 (↑桶に、生首入れるのは止してね^^;) 結局は食べちゃうけど、贅沢。満腹すぎて、胃拡張になりますよぉ(笑)。別々に食べたい。 で・その「四の切」ですが、しみじみ好かったですー。 今だから言うけど、7月奮闘公演初日に二年ぶりのこの演目を観たとき、立ち回りもあれれ?だったし、なんか全体的にテンポが噛みあってないような気が。 でも、日を追うごとに、どんどん好くなってって、楽日は大満足でしたが。 松竹座ではそれ以上、その5倍は満足しましたです(笑)。すっごく安心しましたー。 (その節は、いろいろとご迷惑をかけた方々、失礼しました<(_ _)>) やっぱ定期的に(少なくとも一年にいっぺんは)やっていただきたいと思います(^^)。 そうそう、今回の松竹座の番附は、読み物的なページがたくさんあって面白かったです。 今までの上演・一覧表を見たけど、私が見てきた約十年間なんて、ほんとに最近のこと。去る9/2に「四の切」上演回数千二百回を迎えたそうですが、以前(92年/1月)に「四の切」上演千回記念のでパーティ(後援会主催)に参加したことがありました。 演出に宙乗りを取り入れたのはあとになってからだから...と聞いても、ピンとこなかったけど、この8年間の間にも、しょっちゅう上演されてる人気演目なのに、200回しかカウント上がらない。 「しか」なんて書いちゃいまいしたが、モチロンそんなこと思っていません。 それだけ数字の記録ってのは、端的に書いてはあっても大変なことなんだって思いました。 8年間で、200回かぁあーー。 それを千二百回、宙乗りを「四の切」だけで千回、全部で五千回もされてる猿之助さん、あのスゴイ事を淡々とされてるさま。。...ほんと、言葉になりません(;_;)。 現実世界は楽しいことも楽しくないことも、いろいろなことあるけれどー、猿之助さんからパワーもらって、頑張ろう〜〜っと!!!\(^◇^)ノ。 |