SUBARU LEGACY TOURING WAGON 2.0i (4AT) 2004年1月

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GIFで黒い車を描くとこんなことに…ナローバンドは辛い!

  少ない差別化
1年1ヶ月ほどを空けて2度目の追突を喰らってしまった悲運のBH9。今回の損傷は前回より大きそう。そこで万が一,十分な修復がきかず,走行性や使い勝手(ドアの開け閉めとかね)に支障がでるようなら買い替えも検討しなければ,ということでそれなりに真剣に試乗してきました。ただ,2.0iの試乗車って案外レアな存在のようで,遠いディーラーまで代車のストリームを走らせることになりました。その2.0i,BHまでのブライトンにほぼ相当するグレードのようですね。外観は2.0Rとくらべて大差なく,ホイールが16inと小さいくらいかな?と思ったら,なんとエキゾーストパイプが1本でした。内装も2.0Rとほとんど一緒。BHのブライトンやTXと違って,シートはGT系や2.0Rと同じ左右のサポートが張り出した形状だし,ステアリングも革巻だし,はっきりした差別化はオーディオくらいでしょうか。となると,違いはエンジンと足回りの設定ということに…

  不満の少ないSOHC 140PS
エンジン・スペックは2.0Rとかなりの差。2.0RのDOHC190〜180PS/20kgmに対して2.0iはSOHC140PS/19kgm。2.0iの重量は1,350kgありますから,数値上はかなりしょぼいことになります。でも乗ってみるとこれがなかなかいいんですね。軽快な感じは2.0Rと同様ですが,街乗り程度では40〜50PSの馬力の差はあまり感じられず,一方トルクは1kgm少ないだけだから,発進でもそんなに不満は出ません。もちろんBG9/BH9の2.5gエンジンと較べてしまえば,絶対的なトルク感はなく,回転数も上昇しがちですが,実用上は問題にならない範囲でしょう。アクセルの踏込みに対して素直に回転を上げ,BHより少ないシフトショックで思ったよりはるかに滑らかに加速しました。エキゾーストシステム変更の恩恵か,排気音も静かになったことだし,日常の足としては十分以上でしょう。高速道路に持ち込んだら…こればかりは試してみないことには何ともいえません。

  GOOD BALANCE
足回りのバネやダンパーのセッティングも2.0Rと違うとの事でしたが,これも予想に反して適度に引き締められたスポーティーなものでした。回頭の遅れやだらしのないアンダーステア,また過大なロールもなく,きびきび感を伴って走ります。田舎道のゆるいカーブなんか,ほんとうに気持ち良く回っていきました。快感! 快感といえば,この前に乗ったB4の2.0R同様,パワーステアリングの不自然な重さの変化は感じられませんでした。あれは初期の生産型に見られる不具合だったのかも…早速改善されたのなら◎です。乗り心地はタイヤのハイトが高い分(205/55R16),条件としては有利になるのでしょう。路面の荒れを上手にいなします。舗装の継ぎ目をタンッ,タンッと乗り越え,一発で収束するのですが,ブライトンの後継だからもっとフワフワしているのかと思っていただけに,意外に感じました。

ツーリングワゴンに2.5gの設定がない現在,かえって一番安い2.0iのコスト・パフォーマンスが光り,侮りがたいと感じた次第です。おまけにプレーキが15inだから,手元に残っているBG9の純正アルミホイールにスタッドレスをはめて履かせることも可能だし…いや,話がだんだんケチ臭くなってきました。(Test:2004/01/31)