片草の薬師堂 (瀬戸市片草町) ▲瀬戸MENU
舟形高(推定)38cm 三面八臂 坐像 持物(宝珠・水瓶・独鈷杵・鉞斧)
八幡神社横の薬師堂
白岩のさらに東,片草の集落を国道から見下ろすと,森を背に八幡神社の大きな石の鳥居を見ることができます。鳥居をくぐって右に折れてゆるい坂道を登って行くと,いかにも里山らしい風景の中に,ちょっと見には洋風な,簡素な造りのお堂がありました。瀬戸市の指定文化財である石造りの薬師如来坐像(享保12年1726)を納めた薬師堂です。中には薬師如来像のほか,地蔵菩薩(一体は市指定文化財)や青面金剛の庚申塔など6体の石仏が棚の上に並んでいます。そのうち一番右に置かれているのが馬頭観音です。舟形の高さは40cm足らずと比較的小ぶりですが,尊像自体はさらに小さく,光背が大きく見えます。光背に銘を彫るためかとも思えますが,確認できません。また,馬頭観音の坐像では片膝を立てている(輪王坐)のが普通ですが,これは両膝ともあぐらをかくように下げています。顔にはネズミ男(by水木しげる)の髭のような筋が見えます。彫りは浅めですが,腕や持物もはっきり見え,非常に繊細な造りです。
残念…鎖と錠前が
この薬師堂の戸口には鎖を回し,南京錠がかかっていました。市指定文化財を納めているだけにやむをえない措置なのでしょう。お願いして開けてもらえばよいのですが,「いつでも誰でも見られるもの」が本Webページの原則(笑)ですので,外から拝見するだけにしました。上左の写真は扉の格子の間から撮影したものです。さすがにスナップ向けのデジカメでは歯が立たず,ひさびさに銀塩フィルムのカメラの登場となりました。
撮影データ:Nikon FA+Tokina AT-X828(80-200oF2.8) 200oで使用 フィルムISO400 絞りF2.8 シャッター速度1/15秒