鉛筆とクマ 駒ヶ岳 (1998年 7月 4日 ・ 晴れ→曇り→晴れ)


  はじめに (今回のスケジュール)

叔父のお誘い 前回の「富良野西岳」に引き続き、今回の「駒ヶ岳」も 叔父 Kの「駒ヶ岳に行かないかい?」というお誘いを受けての山行です。

 「道南かぁー・・・、ちょっと遠いなぁ 」と思いましたが、まぁ、そうそう行ける場所でもないですし、思いきって行くにはとても良い機会です。 そしてそして何よりも私達は叔父想いの姪っ子ですから(??)うそつけ〜 今度は姉の車で行く事にしました。 ガソリン代もくれるしね!

 しかし、せっかく道南まで行くのに「駒ケ岳」一つではちょっともったいないぞ。
・・と、言うことで姉が付近の山をリサーチ。 さてさて、今回のスケジュールは?


姉のスケジュール は〜い、スケジュール係の姉です! まず、出発当日は・・
    「駒ヶ岳」まで直行そこの駐車場でお昼を済ませ登山。

 下山後は、
    少し戻って、温泉宿 「美利河(ぴりか)温泉」泊。

 翌日(2日目)は、
    温泉近くの「カニカン岳」登山そして下山後そのまま帰宅。
 ・・という感じですが、いかがでしょう?

              書記係と父

 基本的に宿に泊まると言うのは、お金が掛かるし、姉妹そろって温泉好きってわけでもないし、少々気が重いものがあります。 が、しかし、今回の「美利河温泉」と言うのは、山奥の麓にある静かな温泉で「秘湯中の秘湯」だと言う話を聞きました。これはちょっと楽しみだ!

 宿の予約もバッチリとれたし、あとは天気のみです。 じつは6月に計画を立てて天候不順のため今回に延期になっていたので、今度は絶対に晴れて欲しい。 天気予報では曇り時々晴れと出ています。

せっかくの道南だもの、お願いしますよっ、おてんと様ぁ〜!



その1. おてんと様のいぢわる

 出発当日の朝、雨こそ降ったものの、それ以降はピーカンのお天気です。やったぁ!貧乏人の私達はいつものように高速は使わず、中山峠を通って豊浦の方へ抜けました。
 ずずーっと海岸線を走って行くと 「おおーーーーーっ!」 見えました見えました、「駒ヶ岳」の姿がクッキリと! 天気はバッチリ、早く着いて登りたい気持ちが風船のように一気に膨らんできます。

 し・かーし、着くまでがそりゃ長かった! 姿が見えているだけに近くに感じてしまいますが、実際はまだまだ遠かったのですね。青空の下で 「はやくおいでよー 」と、駒ヶ岳も言っているようです。
 しかも、「やれやれ、ようやっと着いた 」と思ったら、噴火のせいでしょうか?ガイドブック (92年発行版)に載っていた登山口への道は「通行止め」になっていました。

 人に聞いて良く分からないながらも、どうにか登山口に到着。予定よりもすっかり遅くなってしまいました。
 時計は12時40分を過ぎています。お腹もグーグー鳴っています。さっそく私達は大沼を眼下に眺めながら、駐車場で昼食をとる事にしました。

 でも、あれあれあれ? さっきまでスッキリと晴れ上がっていた駒ヶ岳に、みるみる雲が掛かってきました。 (ガーーン!) どどど、どおいうこと!?

駒ヶ岳は雲の中 さっきまで晴れていたのだから、登っているうちにまた晴れるかもしれないと少しは期待したのですが、一向に晴れる気配はありません。 時間と天気が良ければ「砂原岳」の方まで足を延ばすつもりでしたが、結局「馬の背」で下山。展望はゼロでした。

 しかし、あれあれあれ? 登山口近くまで下りてきた所で山頂がまた晴れ出してきたのです。 (ガガーーン!) くぅー、まったくツイていない、おてんと様は本当に意地悪です。

顔を出した駒ヶ岳 せっかくの駒ヶ岳は展望ゼロでしたが、まあまあ気を取り直して出発しましょう。 なんたって今夜の宿は秘湯中の秘湯なのですから。

 ・・ふふふ、どんな宿なのか楽しみですな。




駒ヶ岳地図



その2. あぁ、ピリカ違い・・・

 駒ヶ岳を出て2時間ほど北上した所に、「美利河(ぴりか)温泉」があります。 車は順調に進んで行ったのですが、美利河温泉への曲がり角に「美利河温泉、通行止め」のカンバンがありました。 「・・通行止め? だって、ちゃんと予約もしてあるのに?」
 きっと何かの間違いだろうとそのまま先へ進みましたが、やはり通行止めのゲートがしてありました。 ??? さっぱり訳が分かりません。

 この時はまだケータイを持っていなかったので、近くの民家にお願いして電話させてもらったのですが、なんと!「ぴりか」「ぴりか」でもあの「美利河」「美利河温泉」ではなく、こっちの「ピリカ」「クアプラザピリカ」の方だったのです。うーん、わかりますか?

 最初は姉が電話番号を間違えて予約したのかと思いましたが、美利河温泉の予約および連絡先はクアプラザピリカがすべて行っているのだそうです。ややこしいなぁ
 そして肝心の美利河温泉は昨年(97年)の9月に土砂崩れがおき、それ以来通行止めとなっていました。 (ガガガーーン!)

ダメ押しのピリカ違い 民家のご主人に場所を聞いて、来た道を戻って行きましたが、目の前に現れたクアプラザピリカは良く言えば西洋風デザインの白い建物、悪く言えばどこぞの○○ホテルのようでした。

 一帯はスキー場やキャンプ場にもなっていて思い切り人工的。楽しみだった美利河温泉も当てが外れ、残すは明日のカニカン岳のみとなってしまいました。
 も〜、お願いだから晴れてチョーダイね〜。


※美利河温泉の正式名称は「奥美利河温泉山の家」です。川縁には混浴の露天風呂もあるそうですよ。 (ウヒ?)


その3. フンフンフン♪熊のフン♪

 夕食時、叔父が温泉で情報を仕入れてきたのか、「今日、遊楽部(ゆうらっぷ)岳に登った人の話では、そこら中熊のフンだらけだったとか。 偶然にも明日はカニカン岳の山開きでバスも出るらしいので、その人達と一緒に登れば熊の心配も無いのではないか・・?」との事でした。

 熊は全道的に生息していますが、道南は特に多い地域です。きっと日高のように奥深くないので目撃率もひときわ多いのでしょう。人が襲われた話も耳にしますので、叔父の言葉通り、明日は山開きの人達と一緒に登る事にしました。大人数で登れば熊もビックリして出てこないはず!

 夜になるにつれ厚い雲が出てきてしまい、どうやら明日の天気は期待できそうもありません。 私達は明日熊に会わないことを祈りつつ、寝床に就きました。

グ――――――――――――――

明日はカニカン、ムニャムニャ・・
皆さん、おやすみなさい・・


くま 翌日の 「カニカン岳登山編」 へ続く!




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