楽しい山日記の 暑寒別編 にも書いたように、毎年6月〜7月にかけて大発生するブヨくんには、ほとほと頭を悩まされます。 思い起こせば、私達とブヨとの最初の出会いはいつだったのでしょうか。
それは暑寒別岳と同年(95年)の2ヶ月前(5月)に、姉と2人で登った「春香山」でした。 「土場」と呼ばれる見晴台で、お昼を食べようと腰を降ろしたとたん、体にまとわりついてくる羽の生えた小さな小さな虫がおりました。妹はオカルトやジェットコースター類などは全然平気なのですが、虫だけはどうにもこうにも 「我慢ならん!」 の大大大の大嫌い人間です。(ちなみに姉は、妹とは全くの逆。ゆえに姉は我家の虫退治係りとして妹によく駆り出されます) しかし、虫嫌いの妹でも、その小さな虫に対してはあまり気持ち悪さは感じず、「なんだ?この虫は? うるさいなー、しっしっ あっちにお行き!」ぐらいにしか思いませんでした。
しかし家に帰ってみると、数ヶ所虫に刺されているではあーりませんか。 「あれー? あの山に蚊なんていたかなぁ?」と不思議に思っていたところに父登場。 父が言うには 「それはブヨといって、人の血を吸うんだゾ!」との事。
「ええーーーっ!? あんな小さな虫が、人間の血を吸うのですって!?」と2人はぶったまげーてしまいました。そして2ヶ月後のあの暑寒別岳です。これには本当に参りました。数年前の事なので、もう何ヶ所刺されたのかは記憶に残っておりませんが、ひどい目に会ったのは確かです。
ブヨというのは、刺されると物凄く腫れるうえ、痒さもキョーレツで、しかも完治するまでの期間が非常ーーーに長いのです。痒さが無くなってきたかな?と思ったら、また痒くなってきて、長い間ボリボリボリと血が出るほどかいたりするものだから、シコリとなって痕もなかなか消えません。(これがものすごくカッコ悪い) ・・・まったく、つくづくやっかいなブヨくんなのです。
そこで出てくるのはブヨ対策なのですが、私達が最初に持ち歩いたのは、よくスーパーにも売っている「虫除けスプレー」でした。これは暑寒別岳の時にもすでに使っていたのですが、はっきり言って全くの用無しです。 ・・・おっと、「用無し」などとはっきり言ってしまえば、メーカーさんに申し訳ないので、きちんと説明させてもらいますと、
確かにちゃんと塗っていれば、ブヨがそばに寄って来ても刺さないのかも知れませんが、残念ながらハードな登山では折角の虫除けスプレーも汗ですぐに落ちてしまいます。それに私達はわがままな人間です、体のまわりにすら寄って来て欲しくないのです。 ゆえに、私達にとって虫除けスプレーは「用無し」です。(あ、また書いちゃった)
そしてこれもスーパーで売っていたもので、ビニール製の細長いテープのような「虫除けバンド」
これは、たまたま側にいた店員さんが 「このバンドを手首に巻くだけで、虫は一匹も寄って来ません。とっても効きますよ!」と言う (うそくさーい) 甘い言葉についつい乗せられて買ってしまったものなのですが、これについてコメントは何もありません。山から帰って来てすぐにゴミ箱に投げ捨てました。次に購入したのは、「ハッカ油」でした。 「ハッカの匂いをブヨがイヤがる。」と小耳にはさんだので、さっそく薬局で3cmほどの小瓶に入ったものを購入。
ハッカ油は小さいだけあって、携帯性はバツグンなのですが、中身が液体なのでちょっと扱いづらくもあります。これもさほどの持続性はなく、蒸発しやすいので、その度に襟元や袖口に振りかけたりしますが、誤って大量につけてしまうと肌まで染みてきて 「アイタタター!」と痛いのなんの、たまりません。そこで私達は考えました。 「うーん・・・、 もっと使いやすいものはないのだろうか・・・。」
そこでついに真打登場です! その名も「エアーサロンパス!」 実はこれは薬局でハッカ油を買った時に店の主人が 「エアーサロンパスを使っている人もいるんですよ。」と教えてくれたものでした。 試しに使ってみると、もう最高です。効き目もバッチリです。
ただ、これも虫除けスプレーやハッカ油のように持続性はあまりないのですが、それでも休憩の時や突然ブヨに襲われた時など、ウエストポーチからサッと取り出して、帽子から背中やズボンまで、シューー!っと吹きかければ、みるみるうちにブヨは 「いやよ、いやよ」と、去って行きます。 エアーサロンパスは、携帯性も即効性もまさに合格点なのです。しかし、唯一マイナス点を付けなければならないのは、エアーサロンパスは「蚊」に対しては、全く効き目が無いという点です。一度、2〜3cmはあるのではないかという蚊の大群に襲われた時には、さすがのエアーサロンパスもまったく刃がたちませんでした。
そこで、また私達は考えました。 「うーん、ブヨにも蚊にも効き目があるものといえば、やはり・・・」
結局、今現在私達が使用しているものは、「蚊取り線香」を腰にぶら下げ「エアーサロンパス」をポケットに持ち歩くという格好で落ち着いている次第であります。
ブヨとの戦いは まだ終りそうにありません
てなわけで!
大変申し訳ございません。特に「ブヨ」で検索して入って来られた方達に深くお詫びいたします。 さんざん読ませておいてなんなんですが、今は2002年です。発売される製品も多種多用となり、ブヨ対策の好みもガラっと変わってしまいました。まず、用無しと決定付けた「虫除けスプレー」ですが、これは今や主として使っており山登りに欠かせない一品となっております。 とにかく休憩時はもちろん、登っている最中でもシュシュっとこまめに吹きかければ効果はあります。実証済みです。(2000年に登った暑寒別岳では両腕を出していたのにも関わらず、まったくの無傷でした)
次に、扱いづらいとケチを付けた「ハッカ油」ですが、これは登山用品店でスプレー式のものを購入し、問題はあっけなく解決。虫除けスプレーとW使いで妹が好んで使用しております。一方、姉の方はオーソドックスな「蚊取り線香」派で、虫が多い時などザックにぶらぶらぶら下げています。
そして、真打登場!最高!合格点!効き目バッチリ〜!と褒めに褒めまくった「エアーサロンパス」ですが・・・、ですがですがですがっ!? ああ無情、今ではもう全く使用していないのであります。
止めてしまった理由はなぜでしょう? はて、なぜかちら?・・・結局、持続性はなくその場しのぎ的なもので、長時間山行に向かなくなってしまったのでしょう。虫除けスプレーと違って、臭いが消えてしまえばアッと言う間に刺されてしまいますからね。微香性になれば尚のことです。
詰まるところ、今現在は「虫除けスプレー」と「ハッカ油」を吹きかけ、「蚊取り線香」をぶら下げるという格好で落ち着いている次第であります。
ではブヨとの戦いはもう終ってしまったのか? ・・・いいえ、戦いはまだ続いております。つい最近、「携帯用どこでもベープ」と、究極の最終兵器!かっちょいい「防虫ネット」を購入してしまいました。 どちらもまだ未使用なので、効果のほどはいつかまたこのページに追記したいと思いますが、でも最近ではブヨとの戦いプラス+ダニとの戦いも確実に多くなってきてるんですよね。 (こっちも困ったもんです)
※ ちなみに、姉にお使いを頼んだ「防虫ネット」は、視界が明るいと言うことで「オレンジ色」の物を購入して来ました。 ハデと言えばハデですが、帽子に巻くと何だか南国のバカンスっぽい感じです。 ・・・巻く機会が現れない事を心から祈ります。
2002. 7. 19. 追記 |