(1) GT 管九球、短波モノバンド・シングルスーパー受信機
(2) GT 管四球、短波プラグイン式オートダイン (1V2) 受信機
(3) 6C6 単球中波イヤフォン式セミレス・オートダイン (0V0) 受信機
(4) 7W7 二球100kHz〜1MHz 周波数マーカ
(5) メーカ製 6 バンド HF テストオッシレータ 2台
スター(富士製作所)TO-1、および リーダー電子 LSG-16
その局長さんは「もう歳なのでイジるのが億劫だから廃棄しようとしたのだが、宇多さんなら活用してくれるかな?と思ったので、もしよければ適当に遊んで下さい。」とおっしゃいます。 お断りしたら不燃ゴミになるのでは、私には耐えられません。 黙って見過ごす筈がありましょうか! 有難く頂戴し、車に積んで持ち帰りました。(1999/10)
(1) 短波モノバンドスーパー | メイン・バリコンなし | バリコンを復旧、動態保存 |
(2) 短波オートダイン (1V2) | 外部電源あるもケーブル不備 | コネクタ変更、動態保存、改造可 |
(3) 中波オートダイン (0V0) | 球なし、試験不要と判定 | (下記参照) |
(4) 周波数マーカー | 100/1000kHz 水晶なし | (3)(4)を並四に合成、動態保存 |
(5) HF テストオッシレータ | ヤエス FRG 7 で点検、完動 | 現状のまま、動態保存 |
とりあえずの動態保存計画にしたがった修理・改造の後、上記の「(2) 短波オートダイン (1V2)」については、一年掛かりで実装計画を練って、初期計画どおりにスーパー機に改造しました。(2001/03)
RFA 高周波増幅 | 6SK7GT→6SH7GT →6SD7GT |
MIX 混合 | 6SA7(GT)→6AC7(GT) |
LOC.OSC 局部発振 | 6SA7(GT)(三結) |
IFA1/IFA2 中間周波増幅二段 | 6SK7(GT) - 6SK7(GT) |
DET/AFA 検波・低周波増幅 | 6SQ7(GT) |
BFO ビート発振 | 6C5GT/6J5GT →6SJ7 |
PA 電力増幅 | 6F6GT/6V6GT |
RECT 整流 | 5Y3GT |
本機が作られたと同時期の 1957 年に、私はそれまでに 2 バンド五球スーパーを数台組んだ経験に立って、スター (株式会社富士製作所) のバラの RF1 段コイルを使用した 3 バンドの RF1/IF2 スーパーをメタル管/GT 管にて製作しました。 しかも中波帯は高周波増幅は不要と考えスキップしたものでした。 これが短波マルチバンド・スーパーの一号機で、数年後に SWL の友人にプレゼントしました。 1970年頃に再度後述の二号機の 4バンドスーパー受信機を自作しました。 また 1980 年頃に、ある別の先輩局長さんから菊水の組み立て済み RF1/IF1 (多分?) S-4 キットで球なし不動品を頂戴し、一部をミニチュア管に変更し RF1/IF2 に強化オーバホールして、これも若い BCL の友人にプレゼントしました。
一号機、二号機、S-4?と、いずれも本機とほぼ同時代の主要部品にて組み立てられたものなので、共通点が多く本機は簡単に復元できました。
RFA 高周波増幅 | 6SK7GT |
REG.DET 再生検波 | 6SJ7 |
AFA 低周波増幅 | 6C5GT/6J5GT |
PA 電力増幅 | 6F6GT/6V6GT |
4.4.1 電源接続ケーブルとコネクタ
オリジナルの構造では外部電源および受信機の両方に UY ジャッグがあり、接続ケープルの両端には UY プラグが付いていたものと思われますが、誤ってケープルを電源部に接続し、受信機本体に接続しないまま ON すると B 電圧がプラグに裸で出るので感電の危険があります。 もし接続ケープルとコネクタを改造して電源部 ON プロテクションのための AC ジャンパー線を受信機側に設けても AC 100V がプラグに裸で出ることになり、感電の危険は減りません。
本当は接続ケープルの受信機側のコネクタをメスにし、受信機本体にオスのプラグを用意するところですが、接続ケーブルが見当たらなかったので、取り敢えず外部電源側には UY より抜けにくい US ジャッグを取りつけ、 受信機本体から US プラグ付き接続ケープルを直接 1m 程度引き出して「カンベンな」としました。
4.4.2 操作性、安定度、ノイズ等の課題
電源の問題が片付き、パワーオンすると直ちに動作を開始したのですが、下記の課題が残されていました。
(1) 操作性の課題
予想どおり同調操作が大変繁雑です。 再生検波のメイン VC を同調して、高周波増幅のメイン VC で追いかけ、再生検波のスプレッド VC を動かした場合にも、さらに同様に追いかけます。 この他に再生の発振状態を加減します。 というわけで特定の周波数帯を端からナメて行く場合には三つのダイアル操作を交互に頻繁に行う事になり、実用機としては辛いものになります。 解決法は多連 VC によるトラッキング式しかありません。
(2) 引き込み現象と再生発振の異常 (安定度)
高周波増幅側の同調をとると再生検波側の周波数が一緒にかなり動きます。 勿論同調を戻せば信号も戻ってきますが、これでは同調が正しく取れません。 また同調をとると再生検波管の再生発振が、より低いスクリーン電圧で開始します。 これは高周波増幅と再生発振が結合している証拠でもあります。
VC が独立で同調回路どうしに相互干渉がない筈なのに引き込みと再生に誘導があるのはコイル同士のシールド不良が考えられますが、かなりシッカリとシールド板が立てられて防いでいます。 そこで配線を点検した結果、前記のスーパーと同様に、高周波増幅段と再生検波段のベタアースが入り組んでおり、どうやら共通した部分のわずかなインダクタンスで結合しているな、とニラミました。
(3) ボディ・エフェクト現象 (安定度)
本機に手を近づけると受信周波数がズレます。 これでは CW 受信時にトーンのピッチが変わり辛いものです。 何故かというと受信時に CW が三〜四局混信している場合に、特定の局のメッセージを聞き取るには「この音の局」を「耳フィルタ」のチューニングで集中して聴き、他の混信を排除するのです。 この方法なら、混信している信号の方が強いような場合でも、完全に周波数が一致していなければ、ナントカ受信できるのです。 但し、この場合に音調が変化してしまうと折角固定した「耳フィルタ」が再度チューニング・モードになってしまい大変まずいのです。
(4) ハム
再生検波段からは常時若干耳に付くハムが出て CW の音調が濁りました。
(5) 再生発振に伴うノイズ
再生がかかると、ザラザラしたノイズが大幅に増加して CW の受信に支障がありました。
4.4.3 操作性の改善
上記の要改修点に対しては、上記 (1) は VC の多連化によって、まず操作性の改善を先に行い、(2)(3)(4) についても、(1) と一緒に、もとの配線をとりのぞき、アースまわりを再配線して改善することにしました。 (5) については別途処置しました。
昔むかし私が学生の頃、三年掛かりで数台の短波 1V1/1V2 を執拗に作っては改造し壊しました。 その過程で独立同調とか、外づけのプリアンプ等を色々実験した結果、いずれにしても実運用では戦力にならないことを知り、最後にやっと連動 VC による操作性のよいオートダインを完成しました。 それを SWL 用に使い、14MHz で100 カントリーをログできました。 確か1955 年 のことです。
オートダインは、うまくやれば相当の性能があるのですね。 短波付きの五球スーパーでは、どんなに手を尽くしても感度の点で比較になりませんでした。
その経験を思い出して、本機の同調機構には高周波増幅/再生検波の二組みの同調回路のメイン VC、スプレッド VC ともに中央のユニットはシールド代用の三連 VC に変更しメイン VC、スプレッド VC ともにダイアル位置に拘わらず常時トラッキング状態を保つことにしました。
このような短波オートダインの課題をすべて解決するに私の場合は数年かかった訳ですから、もし本機を当該局長さんが持て余したとしてもやむを得ないことでしょう。
● VC の取りつけ方法
○アース対策
昔、連動 VC による短波の高周波増幅段は発振しやすいといわれていました。 それは VC のアース側のローテータ(可動翼) のシャフトが共通だからで、アースの配線が不適当だと緩い結合を起こすわけです。 高周波増幅なしのスーパーでは、受信同調側と局部発振側で取り扱う周波数が異なるので、少々インチキなアースでも勘弁して貰えたのですが、高周波増幅付きスーパーでも厳しいアース処置が必要でした。
また、ラジオ受信機ではキャビネットにスピーカとシャーシを同居させるので VC が FM のハウリングを起こす可能性があり、その防止のためにゴム足付きのマウント金具を使うのが一般的でした。 そこで VC 取りつけはゴム足マウントと思い込んで、そのまま通信型受信機に持ち込んだようです。 そうした場合に VC のアースを一本で済ますなどの不完全配線だと発振等の障害になり、よく雑誌等では VC のアースには編組線〜いわゆるシールド線の外被〜や銅のリボンを使って、セクション毎にローターに接触している接触バネのアースをシッカリ取るように注意していました。
○バックラッシュ対策
更にゴム足マウントでは固定マウントに比べてフニャフニャなのでダイアルにバックラッシュ=機械的な遊び=ガタを起こす原因になっていました。 ラジオ受信機ならばさほどのダイアル精度は要求されませんが、バーニア・ダイアル使用の受信機ではバックラッシュが残ると正確な同調を取ろうとしてもダイアルの読みが右回しと左回しで一致せず、イライラして甚だ気分の悪い状態になります。 車を運転される方ならご存じかもしれませんが、バイアス・タイヤの FR 車では直進時のハンドル角に幅があって FF 車みたいにピシッとこないのと近い感じです。
私は、受信機として使う前提ならばハウリングの問題はないので、始めからゴム足を無視して VC のフレームに合う直接取りつけ金具を自作するか、VC の底面にビスネジ穴が切ってあるものはそれを使って直接シャーシに複数箇所にてビス止めした上別途に太いアース配線を加えていました。 このようにすればアースは確実にとれ、ダイアルのバックラッシュも防げます。 当時の雑誌記事にも一例だけ直づけを強く勧めている例がありました。
● 新しい VC の取りつけとトラッキング
メイン VC はアルプスでは最後の頃の製品らしい三連 C635 のトリマーを外したもの、スプレッド VC は少し容量が大きいけれどアルプス製の FM 受信機用の三連 C632C (C5358) を使いました。 それぞれを自作のアルミ板マウント金具に取りつけて、シャーシにベタ付けでビス止めしました。 C635 の最大容量は 426pF で大きすぎて周波数の低端では感度が低下し再生もかからない状態になるため、直列に400pF のマイカコンを挿入し実質 200pF 強に減らしてカバー周波数の比率を少なくしました。
さらに高周波増幅側の同調回路には、接続するアンテナの特性によっては若干同調がズレてトラッキングが狂います。 そのような場合に補正するための 15pF 程度の小型 VC を並列にしました。 この小型 VC はコンペンセータ (=Compensator) と言われ、高級な高周波増幅付きスーパーの受信機では標準的な装備です。 本機の場合はコンペンセータの機能とあわせて、高周波増幅/再生検波間の各プラグイン・コイルの若干の誤差も吸収しようとの意図です。
コンペンセータとの整合のために再生検波側には 20pF 程度のセラミック・トリマーを追加して、メイン VC を抜いた位置でコンペンセータの回転位置が 90度となるように調整しました。 この状態でメイン VC を容量の大きい側に入れてもコンペンセータを動かす必要がなければ高周波増幅/再生検波の各同調回路のトラッキングは完全と言えます。 そこでコイルの巻き数をボビンの中で足に至る通路部分でヒネッたりして1/4 回程度わずかに調整して、ほぼトラッキング状態に持ち込みました。 このようにすれば、あるバンドを上から下へまたは下から上へナメてワッチする場合には繁雑な操作から解放され、殆どスプレッド・ダイアル一つで済みまるでスーパーで「かき回す」のと同じ感覚で運用できます。
4.4.4 配線のやり直し(1)〜同調回路、ボティ・エフェクト対策
まず同調回路関係は、各段ごとのアースを 2〜3 箇所に限定して最短に太い線で引き直しました。
ボティ・エフェクトの除去には、K に接続されていた検波管 6SJ7 の G3 を直接アースして解決しました。 実に簡単なこの処置方法は、大分後になって私が 4極管ではボティ・エフェクトが起きないので不思議に思い、5極管で色々試行錯誤した結果発見したものです。
当時、同調コイルにタップを立て、カソードに接続する三極管のハートレイ発振回路を K-G1-G2 で構成し、G3 と P とがそのバッファとなる ECO (Electron Coupled Oscillator) と呼ばれる回路が、再生検波および送信機の VFO (Variable Frequency Oscillator) に広く使われていました。 原理的には
G3 がアースされてなお潜り抜けた電子が P に到達するので ECO の名前が付いている訳で、G3 が浮いていると完全なバッファとはならず、P やシャーシも同調回路の一部となり、人体のもつキャパシティにも反応するもので、良く考えれば簡単なのですがね。
G3 電位=カソード電位の K-G3 が内部接続された 6SH7, 6AK5 等の球を使うと、アースすべき G3 が K に接続され、シャーシや P が同調回路の一部を構成して、シャーシ電位を本物の大地アースに接続しないと解決しません。 しかもアース線が長いと不安定になりました。 所が、実は G3 をシャーシアースできれば同調回路に対して同じ効果が得られるので G3 が独立な 6C6, 6SJ7, 6AU6 等なら問題ありません。
オートダイン式受信機が華やかなりし頃は、私に限らず結構皆さん受信機でも送信機でもボティ・エフェクトには悩まされたものです。 一般に K-G3 は接続して使う・・・増幅の場合は・・・という固定概念があり、再生検波や VFO にもそのようにした回路が誤って通用していたのですが、当時この課題について処置法を明確に言及した雑誌の記事や解説は発見できませんでした。
G3 対策を知らない人は、カソード・タップ式のハートレイ回路をやめて、カソードと同調コイルのコールド側をアースし、その下に結合コイルを巻き足して G2 から C を通して帰還するグリッド同調回路に変更するなど工夫して逃げました。
私は実験の結果 4極管を使えば問題が起きないことを発見して UY36 をもっぱら愛用していましたが、実は厳密には ECO ではなく、G2 が発振担当プレートで P が信号処理担当プレートに相当したのですね。(5極管の 4極管接続による追試験の余地がありますね。)
一方「オートダインは使い物にならない」と捨て台詞を残して諦めた人達はスーパーヘテロダイン方式にシフトしました。 ところが局部発振回路とそのバッファ回路をシッカリ作れば問題はないのですが、「引っ込み〜(同調すると局部発振の周波数がズレる現象)」を防止するために ECO を不用意に使うと、前記のボティ・エフェクトが付いて回ったのです!!。
4.4.5 配線のやり直し(2)〜ヒーター配線
もとの配線では、ヒータ配線の片側をベタアースと共通にアースに落していました。 この方法はヒータ回路経由の結合の予防には有効ですが、一方ではヒータハムが取り切れない原因にもなります。 それで、全部アースから浮かせた代りに高周波増幅管/再生検波管の各ヒータの両側を 0.01μFにてアースに落して結合を防ぎ、なおかつ出力管のカソードの自己バイアス電圧を加えてヒータハム防止措置としました。
4.4.6 配線のやり直し結果
全部の配線がおわり再度動作させると、再生検波段のハムはヒータハムおよびヒータの片側アース兼用による誘導ハムの両方だったらしく、解決していました。
高周波関係の動作は初期にくらべ遥かに安定しました。 高周波増幅段を完全に同調し周波数が一致した場合に、結合が残っていると発生する「再生発振に高周波増幅段を巻き込んだ発振が加わって発振状態に入りやすくなる現象」が解消されて、高周波増幅管の Cpg が原因の再生検波段への引き込みによる周波数のズレが最大数 KHz 程度、信号を聴き逃がさない範囲に留まり、また同時に引き込みにより却って再生発振が抑制される位に改善されました。
4.4.7 疑問のチョーク負荷
再生がかかると増えるザラザラ・ノイズでは、まず疑ったのが贅沢な再生検波のプレート負荷チョークです。 これを 50kΩの抵抗に置き換えて解決しました。
昔から再生検波のプレート負荷には 100H 以上のチョークが感度確保のために不可欠と語り伝えられてきたものです。 これは感度の低い電池管では有効な方法らしいのですが、高い電圧をかける近代管ではむしろ低めの電圧に落せる抵抗負荷の方が、再生検波管で発生するノイズは遥かに少ないのですね。
抵抗値が少ないプレート負荷チョークによってプレート電圧を確保すると再生の発振を開始するスクリーングリッド電圧が低くてすみ、より大きい検波出力が得られるのですが、抵抗負荷ではスクリーングリッド電圧を上げる必要があり、そうするとプレート電流が減ってしまい、検波出力が出なくなる現象が起きます。 その詳細は「無線と実験」1951年 2月号に宮地 浩 氏の有名な実験報告「各種真空管の検波能率を比較する」に記載されています。
実際はこの抵抗負荷の値が大変に問題であり、普通のグリッド検波で慣習的に使われる飢餓回路の 250kΩ・・・では余りにも高すぎるのです。 50kΩ程度ならチョークでなくても適正との製作記事があり、私はそれを採用しました。 抵抗負荷による電圧低下およびゲイン低下分は低周波段で補っても総合 S/N が改善されて聴きやすくなります。
以前からの実験テーマとして、手持ちの旧型 6.3V ST管、UY39〜UY36〜UY37〜UY38 のラインナップを 1V2 で試して見たかったので、オリジナルの GT 管ソケットを UY に交換して球を入れ替えました。 その結果は、一応正常に動作はしたものの、さすがに一世代前の球では GT 管ラインナップの総合感度が得られず、残念ながら元の GT 管に戻し、旧型管は中波の高一ラジオに使うことにしました。
ある日、何台かの短波スーパー受信機と本機を「虫干し」的に火を入れて定期動作試験を行い、完動を確認しました。 判り切っていることですが、やはりオートダインの安定度と選択度、操作性の不足が大変気になり、折角のシャーシとケースが揃っているからには「スーパーにするぞ」と決心しました。 そこで、前記「4.6 秘密?の大改造計画」に本気で掛かりました。(2001/03)
その詳細は本文の目的である、初期的な修理・整備の範囲を大幅に超えるので、別ページ「自作通信型受信機の整備 (2)」 に移動しました。 そちらをご参照ください。(2001/08)
6C6 単球中波 0V0 は当該局長さんがイヤフォンで深夜放送を静かに楽しむために作ったものと想定されます。 6C6 の点火はヒータトランスですが、B 電源は何と AC100V を直接セレン整流器で半波整流しています。 セレン整流器はその昔、無理して電流を取ると暖まって特有の臭がした奴でした。 使用している3mm のビスがマイナス・タイプでありセレンが入手できたとすれば、1955 年前後に製作されたものと推定されます。
一方、周波数マーカにはロックイン管の 7W7 (6SH7GT
相当) が二本使われていましたが、今や貴重な球なので保管することにし、シャーシはソックリ再利用しました。
球なし「感電型」トランスレスの中波単球オートダインと、水晶なし周波数マーカの組み合わせはまさに「割れ鍋に破れ蓋」のたとえ通りですが、素晴しいことに中波オートダインには入手困難な正統派の単連 VC、並四コイル、再生用 VC 〜豆コン が揃っており、周波数マーカの電源にはこれまた正統派の並四用パワートランスが使われていました。
そこで思いついたのが UZ6C6〜UY76〜6ZP1〜KX12F のラインナップで正統派バリバリの並四を構成することでした。 すでに同様な ST 管による並四を自作コイルで組んではありましたが、球一式を本機に転用し、旧機は高一に改造することにしました。(1999/10)
新しく組み直した並四の詳細は、別ページ「並四、高一、スーパー の再現」 に記しましたので、そちらをご参照ください。(2001/08)
RFA 高周波増幅 | 6BA6/6BZ6 |
MIX 混合 | 6AH6/6CB6 |
LOC.OSC 局部発振 | 6AU6(ECO) |
IFA1/IFA2 中間周波増幅二段 | 6BA6 - 6BA6 |
DET 検波 | 6AL5 |
BFO ビート発振 | 12AU7/12AT7 |
AFA/PA 低周波増幅/電力増幅 | 6BM8 |