福田昌範の吹奏楽講座

第28章 「祈りとファンファーレ」について

 

この章では「祈りとファンファーレ」の演奏上のヒントについて述べてべてみたいと思います。 

 


この曲は、境町立境第一中学校吹奏楽部(茨城県)顧問の鈴木勉先生の委嘱により、
2010年に作曲され、同校によって茨城県アンサンブルコンテストにて初演されました。

曲は、主に様々な教会旋法を基に作曲されており、音域も初心者でも演奏しやすいように制限してあります。
「祈りとファンファーレ」というタイトルが示してある様に、
祈り(歌う部分)とファンファーレの部分の音色を感じ取りながら演奏していただければ幸いです。

 曲は、タイトルとは逆にファンファーレの部分から始まります。
様々なファンファーレが重なり合い、教会のような響きの中で中間部の祈りの部分に入ります。
祈りは前半に出てきたテーマのヴァリエーションを経て、後半のファンファーレの部分に入ります。
後半は前半のファンファーレを
変化させたものですが、長2度高い設定となっており前半よりも明るい響きに
変化して、壮大に曲を閉じます。

オリジナルヴァージョンは、Tp4HrnTbEuphTubaという編成になっています。
配置(並び方)を研究したり、ファンファーレの部分でトランペットなどのベルの向きを工夫するなどすると、
さらに立体的な演奏になると思います。

(初演は舞台下手から、Tp1Tp2HrnEuphTubaTrbTrp4、Trp3、でした。)

※作曲者によって編曲された、Tp3ヴァージョンはTp3,Hrn,Trb2,Euph,Tubaとなっています。

皆さんの立体感と想像力あふれる演奏を期待しています。

 

 

 

(C)2012 Masanori Fukuda