福田昌範の吹奏楽講座

第10章 選曲の方法

 

 コンクールでもコンサートでも悩むのはやはり「選曲」。

ここでは、選曲についてのアドヴァイス(方法と問題点)をいくつかあげてみたいと思います。

 


♪選曲の手順

 

顧問(指導者)のやってみたい曲の中から選曲する。

良い点:顧問(指導者)の思い入れや情報収集能力が大きな力になる。

悪い点:生徒(団員)の実情やコンクールに適しているかどうか、指導者の客観的な判断が必要。

 

生徒(団員)のやってみたい曲の中から選曲する。

良い点:生徒(団員)が力を発揮できる。

悪い点:生徒(団員)のやってみたい曲がコンクールの実情に適しているかどうか疑問であるとともに、
     生徒(団員)の楽曲情報能力には偏りがあることも多い。

 


♪いろいろな考え方

 

以前に聞いたのコンクールやコンサートまたはCDを聴いて好印象の曲を選曲する。

問題点:印象はたいへん良かったが、いざ楽譜を取り寄せてみると、
     「難しくて吹けない。良い音がしない。バンドの実情に合っていない。」などの問題が発生する可能性がある。

 

現在のバンドの状況に合わせて選曲する。

問題点:バンドは絶えず進化しているため、以前は吹けなかった生徒(団員)が吹けるようになったりする。
     「ああ、こんなことなら、あの曲をやっておくんだった・・・。」と後悔する事もしばしば・・・??

 

コンクールで上位入賞している曲を選曲する。

問題点:上記とは逆に生徒(団員)に背伸びをさせすぎてしまい、最後までまとまらなかった例も多い。
     その反面、テープやCDなどの資料も多く、研究しやすいことも事実。

 

自分のバンドのカラーにあった曲を選曲する。

問題点:明るいバンドなのに、暗い曲・・・・。でも、意外にそれがはまったりする事も・・・・?
     (また、スクールバンドなどでは、生徒が入れ替わる為バンドのカラー自体も毎年不変とはいえないかも?)

 


♪選曲の成功例

(その1)

CD・コンクール・コンサートで、印象の良い曲を選ぶ。

              ↓

それらの楽譜をゲットし、数週間練習する。(コンサートなどでそれらがすべてできると尚良い。)

              ↓

それらの中から、1曲選曲する。

 

(その2)

(部員(団員)の楽曲情報収集の能力に偏りがある場合は)顧問(指導者)に一任する。

 


♪選曲のポイント

 

そのT よく響く曲であること。(オーケストレーションなども含む)

そのU ソリスティックな要素が含まれていると尚良い。

そのV ♯系よりも♭系の方が、取り掛かりやすい?

そのW 音域も加味して考える。(特に金管楽器のハイトーン)

そのX テンポが一定しているものよりも、(急―緩―急などの)変化があるものの方がよい事もある。

そのY 困った時の打楽器・鍵盤楽器(ピアノも含む)!

 


♪ベストな選曲方法

顧問(指導者)の好きな曲で、

生徒(団員)も好きな曲で、

バンドの実情にも適していて、

バンドのカラーに合っている曲。

(でも、そんな都合の良い曲あるんでしょうか?)そんな曲がたくさんあったらいいなぁ・・・・・・・・・・。

 

(C)2017 Masanori Fukuda

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