ビスクドールのページ 2

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JUMEAU (FRANCE ・1842−1899年)

日本人がフランス人形と聞いて、まず頭に思い浮かべるのは、
金髪の縦ロール・青くパッチリとした目・フリフリのドレス
ではないでしょうか?

その印象の顔が、このジュモウという工房の作品(人形)です。

前の年、1987年の冬に、このシモン・ハルビックを購入しておりましたが
やはりジュモウが欲しい〜!!
と、バタバタしていた、当時の私は
花も恥じらい、箸がころげても可笑しい22才!

人形を買いにフランスに行きたかったから、結婚したワケではないんです。
偶然!ホントに偶然!<強調しておこう
そうだっ!新婚旅行でパリに行ってジュモウを買おう!
と、23才でサッサと結婚しました。


もともと団体旅行の苦手な、この夫婦ですが、
ロンドンのアンティークショップやパリのクリニャンクールの蚤の市に行くツアーなどは、当時はありませんでした。
ですので、ヨーロッパは殆どフリーで周りました。

まずロンドンをフラフラして大英博物館なんか見ちゃったり〜
で、パリです。


パリで一番、有名なクリニャンクールは、サクレクール寺院よりもっと上にあり
パリ市内からは、やや遠い位置になります。
ここで、土・日・月に開催されているのが
クリニャンクールの蚤の市ですが、
手始めに市内の店を訪ねてみることにしました。

まずはギャラリー・ベロ・ドダにあるカピアの店。

「やぁやぁ!カピアだよ!これね、お店のカード♪ボクの店の前の通路にボクの人形を並べて写真を撮ったのさ!
日本でもカメラの広告に使われたんだよ、知ってる?」
(と、フランス語で言っていたと思う)
と、その写真が使われているお店のカードをいただきました。

ニコンの広告に使われていました

早速、
「青目のジュモウが欲しいです〜♪」
「はいはい!いいゴーティエがあるよ!茶目だよ!」

ううむっ!あかん!

結局、予算にも希望にも合うジュモウがなく、
色々と見せていただいて何も買わないのも失礼なので、このカードを買ってきました。


翌日。
行くぞ!クリニャンクール!

こういった場所は、モノを買いにきた人と、ソレを狙う人が多く集まります。
お財布とパスポートだけは取られない様に握り締め、
あまりお金持ちに見られるとマケてくれないかも、と(笑)普段着で数軒回りました。
↑いらぬ心配か?

当時、私の知り得ていた情報はクリニャンクールには
マルシェ・ベルネゾンという一画があり、その近辺に人形屋が多いという事でした。

マルシェ・ベルネゾンには、話に聞いていた通り
人形専門店から、人形と一緒に、雑貨・ぬいぐるみ・レース・を売る店などもありました。

あちこちのお店でいただいたカードや名刺


大抵の店は1階にドイツ人形や雑貨的な物を置き、
フランス人形や自分のコレクションは店の2階に置いてある雰囲気でした。
(後で、耳にした話ですが、本当の素晴らしいコレクションは自宅に置いてあって、
クリニャンクールに持って来ているレベルのコレクションは言えば、高いけど売るらしいです)

ステネールとドイツ人形 ブリュ(R)とステネールだったかな?

で・・・。
いくつかの店を見て回り怪しいフランス語と英語と数字だけの筆談とボディランゲージを駆使しながら、
絶対譲歩出来ない青目であり、なおかつ予算に合ったのがこのジュモウでした。

顔アップ オープンマウス6枚歯 全身 48cm
あまり見る機会のない横から 目は石膏で固定されています ヘッドマーク
TETE JUMEAU
首の木栓とらせん金具 肘の関節 腰に貼ってあるシール
下着 帽子

いわゆる初期のプルミエ・ポートレート、E・Jポートレート、アーモンドアイ、E・Jなどと比較してしまうと
いかにも量産品的な印象のテート・ジュモウ(TETEはフランス語で頭の意)のレッドスタンプですが
予算の都合ばかりは仕方ありませんでした。

今、見ると顔は赤いし、歯の付け方も上手くないですね。
時代は1895年位でしょう。
でも、その時はもう興奮状態だったと思います。
人形がこんなにある!日本より安い!

人形の値段について非常におおまかに言いますと、
ヘッドに傷、ヒビのある物は、マイナス
(それを承知で購入する分には構いませんが、避けた方が無難でしょう)
人形の大きさと価格は関係ない−大きければ高い、またその逆はない−
目の色、髪の色と価格は関係ない−目の色は好み、髪はカツラなので変えられる−
口を閉じている方が(クローズドマウス)口を開いている方(オープンマウス)より高価
−技術がないと口を開ける事はできない。つまり口を開いている方が時代が新しい(そうでない人形もあります)−
という事になります。

他にはボディや手の差し替えはないか等、アンティークビスクのチェックポイントはいくらでもあります。

私の予算ではクローズドは無理でした。
大きさは8号の48cm。
子供が抱くのに丁度良い大きさなのか、一番ある大きさです。

ツイていたのはジュモウのオリジナルの服と靴とカツラだった事です。

ジュモウの小花模様のプリントドレス プリーツが見事! でも・・・
後ろは裁ちっぱなしなの (^_^;)
このドレスには
赤い小花バージョンもあります
当時のカタログより オリジナルのコルクです
オリジナルの靴下 オリジナルの靴 蜂マークと「8」

この時代のジュモウオリジナルの靴は、裏に蜂マークがあり、先端には人形と同じ号数の数字が刻まれています。


ウィッグをとると・・・ こんな感じです

この日はこの人形を抱えてそのまま電車で片道1時間ほどのシャンティーに行き、
駅からシャンティ城まで往復40分程歩きました。

その後、ローマとフィレンツェを回って帰国しましたが、
右手にスーツケース、左手に割れない様にグルグル巻きにした人形を抱えてのアンカレッジ、ソウル経由(笑)
イヤ、ホント (^_^;)
若かったです。

クリニャンクールは、この翌年などにも行きましたが
今から、数年前に大規模工事があって、随分と様変わりしたそうです。
また、機会があれば行ってみたい場所です!


おまけ

アンティック・ビスクドール
華やかなりし時代。
その時代の子供と人形が一緒に撮影されている写真というものがあります。
オリジナルは高価ですので、パリのお土産モノ屋さんなどでは、
1枚数フランのポストカードとして販売しています。

少女とドイツ人形の組み合わせが多いのですが
少女と(明らかに)ジュモウという組み合わせが、ありましたので掲載しました。

女の子は、もう、この世には存在しないでしょう
ジュモウは、ヨーロッパのふたつの大戦をくぐり抜けて
今もどこかのおたくにあるのかもしれませんね。


1988年・5月
フランス(クリニャンクール)にて購入
作成年月日1998年10月6日
2002年4月22日 全面改訂

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