第33話
たそがれに弔鐘は鳴る

(シナリオ仮題・わが道を)

いきなり (^_^;)

何でセーヌは濁っちまったんだろ
花のパリは、どこへ行っちまったんだ
ひとっかけらのパンの為に誰もが目の色を変える
花を歌い、恋を語ったあのセーヌはどこへ流れて行くんだ

ベルナールの街頭演説を聞くアンドレ
会わせたい人がいる
そう言ってベルナールは自分の家へアンドレを招く
そこに、いたのはロザリーだった
ベルナールとロザリーは結婚していたのだ

1789年1月
ルイ16世は三部会を召集し開会することを布告した
三部会を開く事は国王の独裁権力に制限を加えることになるが
時代の趨勢はルイ16世にも止めようがなかったのである


病弱なルイ・ジョゼフ(声・松尾 佳子)の為に王妃たちはムードン城に移り住んでいた

泣き崩れるアントワネット
「まだ七つになったばかりだと言うのに」
ジョセフの病気は脊髄カリエス
あと半年もつか、どうか

「お馬に乗せて下さい!ぼく乗りたいんだ!馬に、オスカルと一緒に!」

「この子の願いをかなえてあげて・・・」

「いよいよ三部会が開かれるそうですね
その時は僕もベルサイユ宮へ帰ります
きっと我がフランスの歴史に残る日になるでしょうから
やがて僕が治めるはずのフランス・・・」
「そうです、やがて殿下がルイ17世となられて」
オスカルの頬に軽くキスするジョゼフ
「あなたが・・・好き
今度、生まれてきたらきっと病気なんかしないで
元気で大きくなって、立派な青年になって・・・
だから、その時まで待って」
あう〜。

三部会が開かれる前日
ジョゼフもムードンからベルサイユへ戻ってきていた
窓越しにオスカルを想うジョゼフ
「ふふ・・・アンドレ。私は王妃になりそこなった」
(同日、ジョゼフ容態悪化の為、ムードンへ戻るが約一ヵ月後、死去・・・合掌)

三部会が開かれた
ルイ15世には起こる拍手も、アントワネットには起こらなかった

フランスの全国民が攻撃し憎悪していたのは
国王でもなく王室そのものでもなく
ただひとり王妃マリー・アントワネットなのだということを
この時、王妃はその凍りつく沈黙の中ではっきりと悟ったのである。
「戦いが始まる・・・もはや逃げも隠れもしない・・・
だって私はフランスの王妃なのだから」


ワンポイント講座

ン年前のアニメの作画について言うのも、非常〜に!心苦しいけど
アンドレと再会したロザリー・・・
ここ!ここ!良くない〜(泣)

たまには勉強
三部会は
第一身分・僧侶
第二身分・貴族
第三身分・平民
から、なる身分制議会
1302年フィリップ4世によって始められたが
1614年を最後に175年間、開かれずにいた
んだそうです。
日本だと
1302年は鎌倉時代
1614年は大阪・冬の陣ですね〜。
1789年は、江戸時代・・・何かあったかしら〜?

教会でジョゼフの為に祈るアントワネット
それを見て、お側へ行こうとするフェルゼン
そこへ来たルイ15世は
フェルゼンの前を「前を失礼しますよ」と通る
微妙〜な「間」です

「オスカル、フェルゼン伯がスウェーデンに帰国したそうだ
お前によろしくとの伝言が陸軍から届いている」とアンドレ
11話「フェルゼン北国へ去る」
20話「フェルゼン名残の輪舞」と
サブタイトルになる位、過去2回、
仰々しく(笑)フランスを離れていったフェルゼン
今回は、あっさり帰国

ディアンヌの死後、母親も亡くなり海の見える田舎で墓を守って暮らそうとしていたアラン
三部会が開かれるとあって復帰
「平民から選ばれた議員たちが貴族どもをどうとっちめるのか
じっくり見てえと思ってな
なぁ、アンドレ、おめえの見えねぇ方の目の分まで俺は見てやるぜ」


第三身分議員代表にはフランスの未来の支配者
ロベスピエールの姿もあった
この時、31才・・・苦労が絶えないのね

オスカル愛用のナイフはジャルジェ家代々伝わる1612年製

ジョゼフの年齢が、うちの子供と近いためか、見ていてツライ!
この頃、涙脆くてダメだわ



庶民の熱い期待を集める三部会に拍手を送るオスカル
だが、平民議員の力を恐れる貴族、王室は
三部会閉鎖の命令を
オスカルに下す
深まるオスカルの苦悩
次回
ベルサイユのばら
今‘テニス・コートの誓い‘
おたのしみに


第34話
今‘テニス・コートの誓い‘

(シナリオ仮題・オスカル逮捕さる!)

三部会は荒れたまま、休みなしに続けられていた
一部の貴族、僧侶議員の合流に力を得た
平民部会は独自に国民議会と名乗ることを決議

困った国王は三部会の入り口を閉鎖

ジュー・ド・ポームへ行く平民議員
「われら国民の為の国民による国民議会は
国民の為の憲法が制定されるその日まで決して解散をしない!」
1789年6月20日
これこそフランス大革命の、のろしともなった
有名なテニスコートの誓いであった

困った国王は、再び三つの身分の議員を集める
が・・・
開けられた扉は1枚だけ
貴族・僧侶議員は正面玄関から
平民議員は裏口から

原作だと、事態に気づいたアランが、議員入場の指揮官に
「ぶった切ってやる!」と向かい、止めに行ったオスカルと思わずキス
アンドレに殴られそうに

アニメだとオスカルが指揮官を投げ飛ばし
衛兵隊に扉を全開させる

ルイ15世
三部会を召集したのであって、国民議会を開いた覚えはない
国民議会を解散し、会議場から退場するよう告げる

ブイエ将軍に呼ばれるオスカルと衛兵隊員
扉を勝手に開けた事は命令違反である
現在の任務、会議場の警備の任を解かれ
新たに議場にいる国民議会派を排除する命が下る
「抵抗する者には強硬手段を取れ!場合によっては発砲し、死に至らしめても止むを得ん!」

断ったオスカル
反逆罪で逮捕

ブイエ将軍、自ら衛兵隊に任務を伝えに行くも
「俺たちに命令できるのは俺たちの隊長だけだ!」とアラン、それを拒否
アラン以下11名も逮捕
アベイ牢獄へ入れられる
ブイエ将軍12人に銃殺を求刑

その、やり取りを部屋から見るオスカル
(この回はAパートの中頃から降り始めた雨がラストまで延々、降り続きます)

国民議会派の排除を近衛(ジェロ)にやらせると言うブイエ将軍
アンドレに助けられ部屋を抜け出したオスカル
「急げ!アンドレ!近衛連隊が会議場へ突入する!
防ぐんだ!何としても!何としても!」


ワンポイント講座
森さん<ロベスピエールだってばよ!
の演説が、長い!
出演カットも多い!
「ケン!その人はあなたのお父さんなのよ!」とか言いたくなるね。

オルレアン公のグループ、平民に合流

アニメでは第23話「ずる賢くてたくましく!」で早々と登場
第30話「お前は光 俺は影」でも暗躍していたサン・ジュスト
この頃、原作に登場

また原作ではナポレオン・ボナパルトとオスカルがすれ違うシーンも!
この時ナポレオン20才!

オスカル・吐血!ひょっ!



反逆罪のオスカルを成敗しようと
ジャルジェは立ちはだかる
手塩にかけた娘を軍人に育て上げた父
父を敬愛しながら心ならずも離れていく娘
今、二人の間に愛と憎しみが渦巻いて
次回
ベルサイユのばら
オスカル、今、巣離れの時
おたのしみに



第35話
オスカル、今、巣離れの時

(シナリオ仮題・父との別れ)

議場には、ジェローデル指揮する近衛連隊
今、まさに議場への武力介入が始まろうとした、その時
「さあ!撃て!武器を持たない平民議員にその銃口を向けるというなら
まず、私の屍を越えてから行くが良い!」

「マドモアゼル・・・どうか剣をお収めください
前の我々の隊長であった、あなたを私達がどうして撃つ事が出来ましょう
あなたの前で武器を持たない者に銃を向けるような卑怯者にどうしてなれましょうか・・・
彼らが武器を取るその日まで私達は待ちましょう
君が為、たとえ我が身謀反人になるとても・・・」

オスカルの反逆はジャルジェ家の反逆
ルイ15世の判断を仰ぐまでもなく
ジャルジェ将軍は
「謀反人は、この手で処分いたします」と<フルフルするジャルジェ将軍

剣を抜き
「安心しろ!お前を神のもとに送り届け、すぐにワシも行く!」
「ならば、なおさら私はご成敗を受けるわけにはまいりません」
「優しい事を言う・・・だが、もはやこれまでだ」
二人、ダ〜っと涙

剣を振り上げた瞬間!来るアンドレ
ジャルジェ将軍を押え
「放しません!オスカル様をお斬りになるというのならば!
どうしてもとおっしゃるならば、あなたを撃ちオスカルを連れて逃げます」
アンドレ!天晴れじゃ〜

「ふたりとも許せん・・・」フルフルするジャルジェ将軍
こりゃ、この話もジャルジェ将軍編か (^_^;)

「では、まず私からお斬り下さい・・・
一瞬とはいえ私があとでは愛する人の死を見ることになる・・・」
それは、あまりにも哀しい」
アンドレ〜!

ベルサイユからの急便が来る
王妃の言葉により、一切のお咎めなし

一方、アベイ牢獄に捕らえられたアラン達12名は
軍籍がありながら、本人不在のまま軍事法廷が開かれ
銃殺刑が決まっていた

ベルナールの元を訪れ
アベイ牢獄を包囲するよう頼むオスカル
オスカルはパリ市街の治安に責任を持つ衛兵隊の隊長
パリの治安が危険だと判断すれば12名の釈放を国王に要請出来るのだ

「情報により本日、パレ・ロワイヤル広場で集会がある事がわかった・・・全員!騎乗!」
↑だって自分でベルナールに頼んでんだモン

ベルナールの演説は人を呼ぶ
「我々はこれから12名の釈放を求めてアベイ牢獄へ行こうではないか!」
アベイ牢獄を取り囲んだ市民は30000人を越え
暴動を避けたい王妃は12名の釈放を命じるのだった

ガシッ!と手を握り合う(握手という感じではナイ)オスカルとアラン

パリ市民は12名の兵士を取り返した
民衆の民衆自身によるその勝利はやがて沸き起こる、
大きなうねりの前のほんの小さなうねりであったに過ぎない


ワンポイント講座

あぁ!ジェローデル!
ちょっと気障で自信家だけど、こういうタイプも嫌いじゃないの〜
原作だと、このあと
「ああ・・・君は知りたまわずや
御身が血に御身が血に紅くそまらんよりは
よし謀反人となりて断頭台にたたん
わがシルフィード」
と続きます。

シルフィードとは、フランス語で「女性の風の妖精」を意味しますの
じぇろ・・・最期まで気障〜

雷雨の中、ベルサイユからのおンマ(急便)が来るけれど
そうよね〜
この時代、電話もFAXもないのよね〜
少し前のトレンディ・ドラマを見ていたら携帯電話がないのね!
恋愛は、次、いつ会えるかわかんないというトコロが、これまたイイ!と思っているので
あまり便利な今日この頃は、いかがなものか?と思う私

ベルナールに会いに行くオスカル
原作だとロザリーに再会、サン・ジュスト(ベルナールの遠縁と紹介されます)
にも、その場で会いますが
アニメでは「ロザリーにも是非、会いたい」だけで実際は会いません。
で、サン・ジュストには
12名の釈放を求めアベイへ向かう人々の混乱に乗じて襲われたりしております。

この辺の話って原作だと異様な盛り上がりを見せるのだけど
(「私だけを一生涯、愛しぬくと誓うか!」
「千の誓いがいるか、万の誓いがほしいか」の辺りね)
宝塚でも「もちのろん」やりますよね?ちと見たいですわ!

偶然、見た人間のレベルの話で申し訳ないけれど
今まで見た宝塚の配役では
オスカル・涼風 真世
アンドレ・天海 祐希
ジェロ−デル・真矢 みき
が、好きです〜
フェルゼンは、お相撲の寺尾関が仮装大会でやったのが、良かったです。
ハイ。



今や権力の亡者とかしたマリーアントワネット
あの誇り高きオーストリア貴族の血は
どこへ消えたのだろう
オスカルは、今、お互いの心が遠く離れ過ぎてしまったことを
悲しみのうちに感じていた
次回
ベルサイユのばら
合言葉は’サヨナラ’
おたのしみに



第36話
合言葉は’サヨナラ’

(シナリオ仮題・バラの訣れ道)

王妃の温情で処分を免れたオスカルは、お礼を述べに
ベルサイユへ向かう
最近は宮廷に来る貴族も減り
ジョゼフのお葬式を出すお金もなく銀の食器などを処分してしまったと語るアントワネット

この辺のカットのアントワネットは顔がキツイ!

アントワネットは、国民議会を解散させ、民衆の暴動に備える為、
フランス全土から王家の軍隊をベルサイユへ呼び寄せていた

王家の軍隊がパリ市内に到着
あちこちで小競り合いを起こす
街のそこここに、銃を持った兵が市民を威圧

また、10万を越す軍隊がパリに集まった事から
人口増加による極端な食糧不足に、陥った

オルレアン公と一派、機に乗じてルイ16世の退位を要求
あとにはオルレアン公を据えよ!

テロ行為に走りがちなサン・ジュストをベルナールがいさめる
「世の中は、もうすぐ変わる!自然にだ、秋に枯葉が落ちるように、どうして待てないんだ、それまで」
「知っているかい?君は、ロベスピエールの本当の目的を」
「革命だ、国民主権の平等な国家を作るためだ」
「ロベスピエールの本当の狙いは権力さ!民衆を押し立ててそのトップの座に座る・・・
何が革命だ!民衆の為だ!」

「見ていてごらん、ベルナール
先生はね、話し合いだの、議会だの言っているけどね
本当はチャンスを狙っているのさ!
正当な理屈をつけて、今の特権階級を皆殺しにする為のね
そういう意味で言えばね、先生は僕なんか比べ物にならない位のスケールを持ったテロリストさ」

ネッケルの罷免を聞いたロベスピエールは演説する
「私の腕はたった2本だ!
だが祖国を思う情熱と勇気は
ベルサイユ宮を焼き尽くすほど燃え盛っている!
諸君!腕を組もうじゃないか!共に闘おう!」

武器を取って立ち上がり始める市民

演説を聞き思うベルナール
「いやサン・ジュスト・・・
例えロベスピエールがどんな男でも、そんな事は問題じゃない
ようは民衆が自分たちの為に立ち上がれるか、どうかなんだよ」

このあとの名シーンは
こちら

いひひ!


ワンポイント講座

オスカル、2回目の吐血
「やはり、胸をやられていたのか・・・」

オスカル、今まで断っていた肖像画を自分から画家に頼む
その画家は20年前にアントワネットのお輿入れを見ていた画家だった
画家は「相当、お悪いようだ・・・完成を急がねばならんな」とオスカルの病気を見抜いています。

ここの作画はちょっと珍しい!
もし、最初から出崎さんがチーフ・ディレクターだったら
初期のオスカルとアントワネットは、こんな感じだったかも?
というような回想シーンです。

台詞はないけど吟遊詩人がウロチョロしてます

アニメの画家はスリムな老紳士風
原作に出てくる画家は小柄で、ばあやに
「へっぽこ画家・ド近眼のやまあらし」と言われておりますが
これ、また最期が悲しいの〜

大蔵大臣・ネッケルくん♪
ロベスピエールと、秘密裏に話し合う
んで、国民議会の承認と財政危機を乗り切るには王政改革が必要と訴え、またクビに
(前にも王宮の赤字財政を世に公開してクビになったのさ)

原作だと、この頃、フェルゼンがフランスに向かい旅立ちます。
妹・ソフィアの他に、弟・ファビアンも登場
どれみふぁ♪ふぁびあん<ひとコマの男 (^_^;)



ついに市民は武器をとって立ち上がるが
オスカルは血を吐き、アンドレの目も見えない
だが、そんな時だからこそ
二人は限りある命を精一杯生きようとするのだった
もっと光を
そして胸を焦がす愛をと
次回
ベルサイユのばら
熱き誓いの夜に
おたのしみに