麻生山(173m)〜仁寿山(175.2m) 姫路市 25000図=「姫路南部」 |
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麻生山(あさおさん)と仁寿山(じんじゅさん)は、姫路市街地の東、市川の河口近くに並んで立っている。姫路バイパスを走る車の窓からもよく見えるこの二つの小さな山を結んで歩いた。
4人の先客に混じって、裸地の先の岩の上に立った。そこは、海に向かっていた。下は、コブのように盛り上がった岩が幾つも重なりながら急角度で切れ落ちている。 眼下には、白浜の街や海岸の工業地帯。小赤壁から北に伸びる細長い丘は、瑞々しい新緑でおおわれている。にぶく光る播磨灘には、上島やクラ掛島がぽっかりと浮かび、遠くに淡路島や小豆島が霞んでいた。 海から吹き上げてくる緩やかな風は、下を走る車の低い音までいっしょに運んできた。 麻生山を西へ下り、コルからそのまま真っ直ぐ仁寿山へ上った。 仁寿山の植生は極めて貧しい。下草の上に、ツツジやヒサカキなどの低木がまばらに生え、ソヨゴやヤマモモの木も小さい。ふもとから見ても、まばらな草木を透かして地肌が見えている。凝灰岩の風化によって作られた小石混じりの褐色の土壌はやせていて流れやすい。播磨には、このようなやせた土壌に貧しい植生といった山が多く、「播磨のはげ山」と呼ばれている。 仁寿山の山頂には電波塔が林立している。三角点は、NHKの電波塔を囲む金網の中に上面だけを出してコンクリートに埋まっていた。こんな山にも、とある山岳会の登頂プレートが1枚掛かっていた。
山行日:2003年4月27日
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麻生山南麓の麻生八幡神社と2段の池の間を進むと、登山口がある。ここから、地形図破線路に沿って谷間を北に進み、途中で方向を変えて山の東斜面を急登すると山上の華厳寺に達する。華厳寺の境内を海に向かって進むと、麻生山の山頂である。 |
■山頂の岩石■ 流紋岩質凝灰岩 (白亜紀 相生層群伊勢累層) 岩石は、凝灰岩・火山礫凝灰岩・凝灰角礫岩から成り、一部に泥岩や凝灰質砂岩を挟んでいる。凝灰岩がきれいに成層し、層理面がはっきり分かるのが、麻生山の岩石の特徴である。一部で、軽石がレンズ状に引き伸ばされた溶結構造が観察された。 麻生山の山頂付近の凝灰岩中に、コロコロと丸い「火山豆石」が観察された。 麻生山山頂には、明灰色の凝灰岩の地層が露出している。1〜2mm程度の濃緑や白の火山灰の粒が基質の中に多く含まれ、引き伸ばされた軽石のレンズ(最大10mm)を部分的に含んでいる。 地質岩石探訪「麻生山の火山豆石」へ |