『決戦!太陽系戦域』 サマキの心に残ったシーンをご紹介します。 (注)原書でしか読んでいない状態で書いています。 話が違っていてもご容赦下さい。 |
7."We regret to inform you that after careful consideration we are unable..." |
いっきなりニックには辛い展開。士官学校から手紙が届きました。その内容がこれです(↑)。ちなみに回想シーン。
「不合格の通知」でした。
荒鷲のくせに受験に失敗したニックもすごいが、もっとすごいのは、やはりニックパパ。
息子がショックを受けてドアをバーンと乱暴に閉め、自室でベッドに倒れ込んでいるのに、ずかずかとやってきて、「立て!」
「一人にしておいてよ!」と息子が叫ぶと、「ドアはきちんと閉めろ」と来た。……それでいいのか、シーフォート家。
26."It would have been you, Nicky." |
これも回想です。事故が! 28人の新入士官学校生が事故に遭い、死者が出てしまいました。悲惨……。
「君がああなってたかもね、ニッキー」とは、幼なじみジェースンの言葉。そして、ニックは繰り上げ合格で、士官学校に入学することに。いいのか? 荒鷲が補欠合格で……。
28."Give
me a hug, then." "I'm not a gay, Jase. You know that." |
「ねえ、抱きしめてよ」
「僕はゲイじゃない、ジェイス。それは知ってるだろ」って。
はっきり言い切りましたよ、この人(ニック)。ジェースンとの会話でした。
ニック、ゲイって単語知ってたんだね……。びっくりさ。
31.His blue eyes met mine. |
この"His"はニックパパのことです。
お父さん、目が青いんですね。ということはニックも……ふむふむ。mineがmy eyesを指すか、my blue eyesを指すか、気になるところです。
38."Jerence?" |
現代です。士官学校でニックはジェレンスと再会します。
大方の予想に反して、けっこうジェレンスは優秀です。信じられない……。
44."Yes, sir. Adam Tenere." |
4部の小犬キャラ、アダムです。けっこうお気に入りです。
ホープ・ネーション行きで艦隊を組んでいた〈フライハイト〉のアンドルウ・テネア艦長のご子息。泣いて笑ってドジ踏んで、いい子です。
ボライソーといい、シーフォートといい、アダムって名前にはけなげな何かがあるのですか?
おかげで「アダム」という名前から連想していた、ギリシャ系の顎割れ・男性ホルモン多そうな人が、すっかりさわやかな小鳥さん風な容貌に……。いいぞ、アダム!
219."I lied today, when I said I hurt my ankle. I fell on purpose." |
「今日、僕は嘘をつきました。足首が痛いと言った時に。僕はわざと倒れました」
ニック……いいけど、嘘は私が犯したことのない罪であるって、第3部で言ってたじゃないの。嘘つきーっ!! アカデミー時代から、嘘をつきまくってるじゃないのー! んもーぉ。
232."God, I wanted ta hate you ! " |
「神よ! 俺はあんた(ニックのこと?)を憎みたかった!」
生きてたんだね、エディ・ボス。その方がびっくりです。
それがですね、この話ではシーフォート、"I hate you. "と言われまくってます。3人ぐらいに次々と。しかも、けっこう好意を寄せた人から。
エディはまだましかもしれません。「でも、憎めなかった」となりましたので。
ニックが好きになった人は皆、死ぬか彼を憎むかっていう……ヴァクスは両方やってしまいましたね。あーあ……。
314.He pointed to Tolliver, whispered to a crony. |
サマキの英語能力の限界を見た!
ウワサの「石鹸で口を洗われた」シーンのようですが、よくわかりません。トリヴァー、君は、一緒になってやったの? ただ見てただけなの? 君もやられたの? うわあああ。
319."Freak ! Play with it ! Try men ! " |
ニックの呪われた初体験(でも、たぶん未満)。すごいですね、男の子の初体験を惨めなものにするのがお仕事みたいな宗教……なんじゃ、それ。それを知っているアルレーヌ(アリーン?)もすごいですが。
やっぱりAがつく名前の女性でないと、ニックはできないのね、と思ってしまいました。
で、このリネットさん(?)の捨て台詞、これ、どういう意味なんでしょう。「さっ、いらっしゃ〜い」という意味なのか、「男にトライしなさいよ」という意味なのか。「男に行けば!」という意味だとしたら、いきなり初めてでmen複数は辛いよ〜、とわけの分からないことを考えてしまいます(男性一般という意味ですよね、当然)。
403."I'll go. We started together. It's fitting that we end together. I'll meet you at the shuttle." |
トリヴァーのセリフ。皮肉な調子で言ってるのかもしれないけど、なぜかかっこいい。
「一緒に始めたから、終わりも一緒にいるのが自然です」
そろそろクライマックスなんですよね。辛いぞ……クライマックス。
438.Slowly Tolliver drew the laser. "I'm sorry, Nicky. Captain. I have no choi-Ay ! " |
またまたトリヴァー。シーフォートにレーザー向けてます。そしてこの後ジェレンスの椅子の一撃を受ける、と。悲鳴がかわいいですね。「あいっ!」せんぱーい、どうしたんですかー?
けっこう好きなシーンです。
443.My
voice was ragged. "Tolliver, I-" He spat full in my face. |
さらにトリヴァー。シーフォートに……こともあろうに、つばを……。おのれ、トリヴァー許すまじ。行け、ジェレンス。椅子で、も一度攻撃よ!
こんな具合で、この行為により、わたしの中でトリヴァー株は大暴落。ニックが辛い時に、そばにいるくせに、なんで支えてやれないのよ〜!と、なんか泣きそうでした。
でも、これをやられたニックの反応の方がすごかったので、もう文句は言いません。
I hoped he would do it again.
もう一度やってくれないかと思った、って。マジ? 正気? しっかりしてよ、校長!
454."Nick, let him sacrifice himself for you. Don't send him to death with a lie. For the sake of your soul ! " |
で、株の下落したトリヴァーを、けっこう見直したのがこのシーン。トリヴァーが、シーフォートに「貴様の魂にかけて彼(キーン)に真実を言え」と諭す……と言うより、懇願しているシーンかもしれません。
セリフの中のhimとかhimselfとかは、トーマス・キーンのことなんです。しかし、ニックは真実をキーンに告げようとはせず、キーンに命取りな命令を言い放った後、ダッシュでコンピューター室に駆け込みます。
ニックの心の叫び、I had no soul. この一文は、かなり来ましたよ〜。
458."Forgive me, Mr. Keene ! Please ! I only meant-I'm sorry ! Mr. Keene, I'm so sorry ! " |
クライマックスです。
ひどいや、キーン。こんなのってないよ。君、知ってたなんて。なのに、あんなにあっさり、たいした恨み言もなく、鮮やかに死んでいくなんて。ニックの心はずたぼろだよ。できすぎくんな君に、謝っても謝っても気が済まないよ。ひどい。ひどすぎる。
470."Captain Seafort..." The middy's voice was sick with hurt and wonder. "YOU LIED ! " |
これも辛いです。アントン・セイヤー(?)くん。
安全だって言ったじゃないですか! って言われて、泣かれて、そして、死なせて。
次は自分が行くから、必ず行くから。ニックはそう思っていただろうに、待っていたのは死ではなく、またもや……。
471."Come to me when I call you ! I'M THE FISHERMAN ! " |
心が震える叫びでした。あんなにたくさんいた魚が消えてしまっての、ニックの絶望の叫びです。
「呼んだら出てこい! 俺はフィッシャーマンだぞ!」。
この「フィッシャーマン」をなんと訳すのか、非常に興味があります。
480.Lord, why hast Thou forsaken me? |
「主よ、あなたはなぜ私をお見捨てになったのですか」
ここまで読み終えて、もう、苦しかったです。心の中で、「クオ・ヴァディス・ドミネ?」と叫んでいました。意味は「主よ、いずこへ行きたもう」です。「クオ・ヴァディス」というキリスト教の黎明期を描いたお話があるのですよ。
ニックの神様は、いったいどこで何をしているのでしょうか。
死んでもいいよ。誰か、ニックを殺してやってよ。もういいよ。十分だよ。
そう思うぐらい、辛かったです。
ああ。やっと書けました。発売万歳。ネタバレ万歳。
482.Derek, Lord Carr |
最後にロード・カーです。たぶん「カー卿」と訳されるのでしょう。
でも、できれば「カー閣下」にしてほしいです。カタカナで書いて「カーカッカ」。どこぞの悪役の笑い声みたいでグッ。
で、どうやらニックは自伝を書いたようなんですが……。そうなんですか? あれが書けるぐらい、気が落ち着いたのかと思うと、意外です。きっと一生暗〜く、重すぎる荷物を心に抱えて生きていくんだろうなあ、と思っていたので。
そして、やはりAのつく女と……。そして、「ハイバーニア時代が一番よかった」様な発言には、深くうなずいてしまいます。
ほんとうに、あの頃が一番……。