問1 ボラ24巻って何ですか。
ボライソー24巻の略のつもりです。
もっと詳しく言いますと、
「海の勇士/ボライソー・シリーズ<24>提督ボライソーの最期」
ハヤカワ文庫
アレグザンダー・ケント著(原題"SWORD OF HONOUR")
高橋泰邦訳
です。
問2 【2刷】って何のことですか。
ボライソー24巻の巻末にある、奥付を見てください。
2000年11月20日 印刷
2000年11月30日 発行
あるいは、
2000年11月30日 発行
2000年2月28日 2刷
という表記があると思います(ただし、書籍に記載された数字は漢数字)。
ここでいう【2刷】とは、下段の表記がなされた本のことです。
問3 どうして「【2刷】以降で読もう」になるんですか。
余計な心理描写やくどい情景描写がなく、より原作に忠実な邦訳に仕上がっているからです。
問4 よくわからないのですが、その前はどうだったんですか?
その前は、ある箇所について、原作にはない文章が大量に挿入されていました。
問5 大量にって、そんな、大したことないんでしょ?
「原作にはない文章」が挿入されていたのは、24巻の502ページから509ページにかけて、まさにボライソーが死に行く場面でした。
ためしに別表として図を作ってみました。
記号も含め、本文の1文字を"■"や"◆"で表し、原作"SWORD OF
HONOUR"において相当する文章が見当たらなかった箇所について"□"で表しています。
→ 別 表 (もどってくる時は、ブラウザの「もどる」でお願いします)
個人差がありますから、これを大量と見るかどうかは個々人で違うと思います。
私は大量だと思いました。そして、量もですが、挿入された内容についても、それが主に登場人物の内心の告白だったことについて「大したこと」だととらえています。
【2刷】では、これら"□"の部分が削除され、後ろへ回されていた"◆"の部分についても、相応の場所に置き換えられました。
問6 これらの部分は、いったい誰が書き入れたの?
訳者の高橋泰邦先生です。早川書房から、そのようにご回答いただきました。
問7 で、ぶっちゃけた話。嘘でしょ?
ほんとうです。
問8 冗談でしょ?
ほんとうのことです。原作の該当箇所に目を通せば、その分量だけとってみてもすぐにわかります。
問9 でも、あとがきに何も書いてないですけど?
書いていません。書いてほしかったと思います。
問10 ケント先生の許可をとって書き加えたのでは?
許可はとっていなかったと、早川書房の担当の方からご回答いただきました。
問11 【2刷】とそれ以前の本との見分け方はありますか?
コシマキ(帯)がもし付いていましたら、赤が【2刷】、紺なら問題の本です。
コシマキ(帯)がない場合は、奥付で確認するしかないと思います。
問12 ところで、明らかに版が変わっているのにどうして【2刷】なんでしょう? 【2版】ではなく。
わかりません。
問13 どうしてこんな一問一答ページを作ったんですか?
【2刷】が出され、以降手にされる方への被害(と、あえて申し上げます)は激減すると思います。
そのことについては、この件に関し抗議や問い合わせを行った読者の方々、【2刷】発行という形で応えてくださった早川書房の関係者各位に「ありがとうございます」と心の底からお礼申し上げます。
ただ、図書館なりファンの方のご厚意なりで第三者から本を借りて読む場合、あるいは古書店等で古本を入手して読む場合など、問題の本に当たる可能性はまだあると思います。
また、本をなくしたり、保存用にともう1冊新たに買い直した方が、「あれ? 前に読んだのと違うような」と不審に思われることもあると思います。
その時に、訳書を見ても原書を見ても、答は書いてありません。
「なんだかおかしい」と思いながらもなかなか答を得られず、イライラした自分の経験から、少しでも「何があったか」「どうなっているのか」が伝わればと思い、このようなページを作成しました。
願わくば、【2刷】より前になる本を、知らず手にされる方がこれ以上増えませんように。
そして、ボライソーの最期が〈ケート!〉〈ああ、見えない!〉といった、悲痛な叫びに彩られたものではなかったことを、知っていてほしいと思います。
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