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キイロスズメバチ  Vespa simillima xanthoptera Cameron,1903


体長は女王バチ25〜28mm,働きバチ17〜24mm,オスバチ28mm前後で,5種の中では最も小型です.北海道,本州,四国,九州,佐渡島,対馬,屋久島の平地から低山地にかけて普通に見られます.コガタスズメバチと共に,近年都市部で多発し問題となっています.

北海道産は原名亜種 Vespa simillima simillima Smith, 1868 で、ケブカスズメバチと呼ばれています.キイロスズメバチはケブカスズメバチの本土産亜種になりますが,長年キイロスズメバチとして扱われてきたため,現在もキイロスズメバチの名称が多く使われています.

営巣場所は軒下や木の枝などの開放的な場所や,天井裏,床下,樹洞などの閉鎖的な場所までさまざまです.巣は大きなものでは直径50cmを越え,本市産のスズメバチでは最大です.巣盤数は5〜10層,育房数は5,000〜10,000房位になります.

活動期間は5種の中で最も長く,5月上旬には営巣を開始し11月一杯まで活動します.働きバチは6月より羽化し,活動の最盛期には1000頭を越えます.オスバチ,新女王バチは9〜11月に羽化します.新女王バチの羽化数は営巣規模により異なりますが,200〜800頭です.

本種は働きバチの羽化後営巣空間が狭くなると、より広い場所を求めて引っ越しする性質があります.引っ越しの時期は7〜8月で,働きバチが建物内に入り込んだり,営巣候補地に集団を作ったりして相談が寄せられることがあります.働きバチは全ての幼虫が羽化するまで(引っ越し後1ヶ月ほど)は新しい巣と旧い巣の間を行き来して子育てを行います.

幼虫の餌としてはハエ,アブ,その他の昆虫類やクモなどを狩る何でも屋です.攻撃性,威嚇性ともに強く,巣に近づいただけで被害にあうことがあるので注意が必要です.

天井裏に作られた営巣初期の巣 天井裏に作られた営巣中期の巣 2階軒下に作られた最盛期の巣 庭に置いてある家具の内部に作られた巣(駆除後)
小屋の壁間に作られた巣の出入口(←)付近の様子 ヤブガラシの花で吸蜜する働きバチ 壁間に作られた巣の入り口に止まる働きバチ 朽ち木内で越冬する新女王バチ