
第1番勝負【ユーラシアは本当に広かった】
(今回の貧乏クジ:最高評議会議長)
最高評議会議長(以下議長)「さて本日皆様にお集まり頂いたのは他でもない。
ようやく主席が新企画を書く気になったらしく珍しく最高評議会の開催を要請してきたのですな。」
政務長官「それは結構な事ですな。で、肝心の主席は?姿が見えませんが。」
議長「そろそろお見えになられるのでは?」
国家主席登場。
国家主席(以下主席)「皆お疲れ様。多忙の時に呼び立てて申し訳ない。」
政務長官「いえいえ。1日に10カウントもカウントされないHPの管理業務など
実質仕事ではありませんから楽なものです。」
主席「…長官、それは皮肉か?」
政務長官「いいえ、ただの事実です。」
主席「…(こいつ、いつかしばいたる)」
議長「はは、さて明るくない話題はその辺で切り上げて本題に入りましょうかな?
本日はこの新企画『主席十番勝負!』の第1番の記事内容でありますが…」
レジュメを見ていた議長は硬直した。
議長「…でありますが…」
主席を除いた一同「…?」
参議官「どうかしましたか、議長?」
議長「…『蒼き狼と白き雌鹿4』の記事となっております…」
主席を除いた一同「…は?」
政務長官「…確か最初は『Rainy Blue』にするはずではなかったかな?」
海軍長官「いや、『夜想夢』だったのでは?」
政務次官(以下次官)「いえいえ、『ぱらパラ』だったでしょう。桃子さん特集にでもしようかと意気込んでいたはずでは?」
予算委員長(以下委員長)「いずれにせよ予定とは違うのではないか?」
陸軍長官「そうですな。」
委員長「主席、説明願いたいものだな。ん?主席?」
主席「じんじんじんぎすかーん♪」(現実逃避中)
一同「…」
議長「…軍務長官。申し訳ないがちょっと主席をこちらの世界に戻して頂けませんか?」
軍務長官「…」(了承の合図)
ドバキイッ!
議長「ご苦労をおかけしました。」
軍務長官「…」(返礼の会釈)
主席「…ん。おお、私は一体何をしていたのかのう?」
一同「…(とぼけるのだけは天下一品だな)」
陸軍長官「何故今更『蒼き狼』かという説明をお伺いしていたのです。」
主席「それは…」
陸軍長官「それは?」
主席「…大人の事情だ。」
陸軍長官「大人の事情って…」
主席「まあ何にせよ最高機密だ。これ以上詳しくは聞いてくれるな。」
一同「…(要するに十分な資料が無かったので、楽に記事になる方に走ったという訳だな)」
議長「まあいいでしょう。なら主席、早速本作品のご感想をお伺い致しましょうかな?」
主席「うむ。」
議長「まず第一声は?」
主席「まあ何はともあれユーラシアは広いな。」
議長「仰いますと?」
主席「何しろ終了までに時間がかかる。
最後までプレイする気力を保つのが大変だな。」
政務長官「全く。購入して2年、今回ようやく初の大陸統一を成し遂げましたからな。」
主席「…まあ真実だから今回はその発言は問うまい。」
政務長官「恐縮です。」
次官「どうにかして時間の短縮は出来ないのものですかね。もう少し気楽にプレイしたいものですが。」
主席「それが出来るのなら最初から苦労は要らんよ。」
委員長「主席は内政マニアゆえ国造りに手が抜けないのだ。そこそこで止めておけばいいものを。」
主席「…委員長。それは違うぞ。」
委員長「ほう?」
主席「あのシリーズのゲームの売りは交易にあると言っても過言ではない。
最初からそれを放棄するなどあのゲームを本当に楽しんだとは言えないのだよ。」
委員長「そうですかな?」
主席「そうだ。そしてそれこそがおのおのの文化・文明の違いについての理解にも繋がってゆくのだよ。」
次官「確かに交易品や文化アイテムの存在は主席のつぼをついていますな。」
主席「おう、まさにその通り。前作『元朝秘史』より交易品の品目も強化され、
また特に今回新しく導入された文化アイテムは発想としては非常にいいな。」
次官「発想と言いますと?」
主席「文化というものをアイテム化することによって曖昧だった文化的な特徴を形にすることに成功したのだよ。
単に所有・非所有という分け方でこうも分かりやすくなるとは。」
次官「所有の有無によって何が違ってくるのでしょう?」
主席「ずばり言うと戦略面や戦術面での選択が広がるのだ。要はプレイのし易さだな。
つまりこの事は国の国力を単に兵力と物資という点のみから文化という点にまで広めているのだ。
文化が発達しないと種々の戦略のいろいろな点で支障が出てくる。」
次官「確かに文化度が余りにも低いと施設の建設すらままなりませんからな。
しかも文化度に比例したレベルが設けられていて、それによって収入が違ってもきます。」
主席「国力増強の為には金銭面や軍事面の他にも自国の文化を向上させなければならないのだ。
しかし自国内に施設を建設していくだけではとても追いつかない。時間もお金もかかる。
それを補うための交易でもあるのだ。決してプレーヤーの趣味だけで完結する要素ではないのだよ。」
次官「成程。」
主席「戦闘もシンプルながらなかなか作戦が要求されるのがまた面白い。」
軍務長官「…」(無反応)
主席「戦闘特技もどれも単純ながらも必要性が高く上手い使い方をしているものだと感心させられる。
普通なら必ず1つか2つは使えない代物が出てくるはずなのだが。」
軍務長官「…」(まだ無反応)
主席「しかもどれも効果絶大だ。特技無しの武将は戦闘では使えなくなりつつあるな。」
陸軍長官「あと戦闘といえば兵科の多さもこの作品の売りでありますな。」(見かねて助け舟)
主席「24種類だったか?まあよくもこんなに用意したものだ。しかも都市によって徴兵兵科の制限をつけたのは興味深い。
騎兵系の徴兵には特産品が必要という点もリアリティがあり賛同させられたな。
ただ、個人的には象兵をアジアやヨーロッパで使っては見たかったのだが。」
軍務長官「…」(さらに無反応)
主席「また率いる武将の出身ごとに攻撃力に差をつけたのもリアリティの面では非常に喜ばしい事だ。
例えばイスラムの武将が十字軍を率いるのは(ゲームでは可能だが攻撃力が落ちるので実際は使えない)興ざめではあるしな。」
軍務長官「…」(結局最後まで無反応)
主席「施設建設は最近の『信長の野望』シリーズの応用であるが、見た目は素晴らしいな。
箱庭ぶりにますます磨きがかかっている。」
参議官「各文化の特徴が現れていましたな。本当に綺麗です。」
主席「ただ…何だ。交易のユニットが融通が利かないのが少々興ざめではあったな。街道上しか動かないので
数が増えてくると街道上で渋滞して立ち往生してしまうのだよ。あれはいかん。
肝心の交易ははかどらない、その他のユニットの異動に支障をきたすなどの不利益ばかりだ。
第一見た目にも美しくないしな。」
参議官「…ユニットが込み入ってくると少々目が疲れるのは認めます。」
主席「外交面は貧弱だな。あの程度では使おうという気にもならない。前作までのような緊迫したゲームであるのなら
必要性は高いのだが、今作品のように緊迫感が多少薄れた作品で前作踏襲の外交機能では成り立たないのだよ。」
空軍長官「まあ…そうかも知れん…」
主席「あとついでに間諜面も芳しくないな。ほとんどあっても仕方の無いものだ。」
海軍長官「極論ですな。」
主席「だがよく考えてみろ。あれだけの成功率の低さであの効果だろう。効率が悪すぎるのだ。
しかも智謀値が高かろうが失敗はするわ捕まるわ。あれでは怖くて使えんわ。」
海軍長官「ふむ。」
主席「しかもどれでも実行に1回金200と高い。施設建設の倍ではないか。」
海軍長官「しかし頻繁に使う頃にはお金は有り余っていると思うのですが…」
主席「ん?何か言ったか?」
海軍長官「いえ、別に。」
主席「まああれは結局は迫ってくる軍隊の足止めに混乱をかけるくらいしか使えんのだよ。
しかも自国に強力な軍隊があればその必要もなし。本当におまけだなあれは。」
海軍長官「そうではないと祈りたいのですが…」
主席「余談だがPUKのオープニングが非常に良かったな。登場人物の紹介が格好良すぎだ。
機会があったら私らもああいう登場をしてみようか?」
政務長官「…まあ機会がありましたら考えておきます。」
主席「あと最後は苦情を少し。このゲームにはバグが多すぎるのよ。」
陸軍長官「…はあ。」
主席「システム自体には影響は無いのだが、結構ゲームへの影響は大きいな。私的には興ざめの部類だ。」
陸軍長官「大体想像がつきますが…してその中身は?」
主席「その1。PUK版シナリオ1のビザンツ帝国で
オープニングの初期条件をクリアしても何も起こらない。
本来ならばテオドロスの能力地が上昇するはずなのだが。」
陸軍長官「…(ビザンツ帝国にこだわってプレイしなければいいでしょうに…)」
主席「その2。PUK版シナリオ2で兵科に素晴らしい間違えがある。
どうやら徴兵可能な兵科を象兵を駱駝兵に、駱駝兵をガーター騎士に間違えてプログラムしたらしい。
その国にありもしない兵科の軍隊でで攻めて来られても不愉快なだけだな。」
陸軍長官「…(まあそれは少々不満が残るかもしれませんな)」
主席「その3。PUK版シナリオ3と4の中国系の君主の子供の名前が
皇帝のおくり名が苗字になっている。
1と2ではその点はちゃんと考慮されていたのだが、どうやらPUKではそこまで気が回らなかったらしいな。」
陸軍長官「…(普通はそこまで気が付かないと思うのですがね)」
主席「あと最後にPUK採用の称号について一つ。何で
東欧出身の君主で称号が『南洋の大鯨』になるのかね?
本来なら『オリンポスの末裔』のはずではないのか?これでは折角のここまでの苦労が全然報われんな。」
陸軍長官「…(だからビザンツにこだわらなければいいと何度も…)」
主席「まあ良い点悪い点言いたいことをずらずらと述べてきたが、完成度自体は非常に良かった。」
議長「そうですか。」
主席「世間様は『信長の野望』や『三国志』を取り上げることが多いが、私はもう少しこのシリーズも注目されてもいいと思う。
今やこのスケールの大きさを十分生かしきれるゲームシステムが備わってきているのだ。
それにもかかわらずイメージのみで手も出さないというのは非常に勿体無い話だと思うのだが。」
議長「…(まあ食べず嫌いは良くないとは思うが、何もこの例えで使わなくても…)」
主席「世界統一への道のりは長いのではあるが、是非ともプレイして頂きたい一品である。
世界の大きさというものをこのゲームで体感してもらえれば幸いだな。」
議長「…で、結局ゲームには時間が掛かると言いたいのですな主席は。成程、よく分かりました。」
一同「…(身も蓋もない言い方だな)」
議長「では結論も出ましたし本日はこのあたりで閉めたいと考えますが主席、何かご発言は?」
主席「…議長。いつもの事ながら議事終了にそつが無さ過ぎはしないか?」
議長「そうですかな?」
主席「なぜそう簡潔な結論を出すかね。あれだけの私の発言は何だったのか?とも思いたくなるのだが。」
議長「この場合の要点はこれ一つですからな。それに皆にも理解できた点は結局はそこだけかと。」
キラーン(☆_☆)
主席「それでは議長には評議会終了後にこのゲームの再プレイをやって頂きたいものだが如何かな?」
議長「…は?」
主席「その1点だけしか分からなかったのであろう?
ならば今回はそれ以外の要素を理解して頂く為特別にそれを体験してもらおうという訳だ。名誉なことだろう?」
議長「いえ私は…」
主席「まあ遠慮しなさんな。今回はまたより深く楽しんでもらうようチベットででもプレイしてもらおうかのう。
ヒマラヤから降りてくるだけでも1年以上かかるのだ。退屈はしないはずだよ。」
議長「あの…主席?」
主席「さて今回はここまで。皆お疲れ様でした。では解散としよう。」
ガタガタガタ…(一同退席中)
委員長「災難だったな。議長。」
政務長官「お気の毒ですが。」
軍務長官「…」(議長の肩を叩く)
参議官「…まあ頑張って下さい。」
海軍長官「議長。あの発言は禁句でしたな。」
空軍長官「…口は災いの元…」
次官「主席のようにこだわらなければ早解きも可能なのでは?好記録に期待していますよ。」
一同退席。あとは残された最高評議会議長一人。
議長「あの…私は…本当にやることになったのですかな?」
ちなみにその後の議長の『蒼き狼』プレイは主席の3倍以上の時間がかかった事を最後に付け加えておく。